日本発グローバルピッチ 外国人就労者向けの多言語モバイル金融サービス「GIG-A」が優勝
2023 Takeoff Tokyo Pitch Contest Finals
世界を目指す起業家のためのピッチイベント「Takeoff Tokyo」が、2023年6月8日、9日の2日間にかけて東京、天王洲アイルのWarehouse TERRADA G1にて開催された。
同イベントは日本からグローバルトップレベルの企業を輩出することを目的とし、国内外の起業家や投資家、エキスパートが会してビジネスの成長と発展を促進する場を提供するもので、ピッチイベントに加え、トークセッション、ネットワーキングイベントなど、さまざまな形式のセッションが催された。
6月9日のPitch Contest Finalsには、8日に行われた予選を勝ち抜いた4社のスタートアップが登壇した。
ストリートアートに特化したNFTオークションハウス「TOTEMO」
最初に登壇したのは、TOTEMOの創設者であるMarty Roberts氏。医療技術のスタートアップを成功させ、日本の製薬会社に売却した経歴を持つ。TOTEMOは、ストリートアート(グラフィティー)を主に取り扱うオンラインギャラリープラットフォームだ。ストリートアートの分野において、NFTを活用したプラットフォームを提供する。
「元々ストリートアートのアーティストは路上以外の表現の場を持てなかったという境遇の人もおり、しかもその作品は屋外なので風雨にさられて流されたり、他人に別の作品で塗り消されたり、(多くが合法でない方法であるために)行政によって消されるなど継続的に存在することが難しいという課題がありました。アーティストとして日の目を見ない、機会を得られないが、能力のある人にとってこのプラットフォームは自分の作品を世界中に販売できる手段となります」
また、一般のアートの販売では再販に際してアーティストに還元されることはないが、NFTを介することでアーティストのキャリアが上がって再販価格が上がっていった場合にも再販価格の5%がアーティストに入り続けるので、アーティストにとってこの仕組みは理想的だという。
NFTによってオリジナリティと来歴の証明が可能なことは、アートコレクターにとっても重要なことだという。さらに、作品が好きだというファンのためにプリントやTシャツなどのアートグッズを販売できる仕組みを作成中だという。
Marty Roberts氏は、コレクターやファンというアーティストにとって重要な存在のニーズに応えつつ、アーティストに還元されるコミュニティとなるよう、TOTEMOを成功させたいとしてピッチを締めくくった。
質疑応答では、アーティストの開拓をどのように行っているかとの質問があった。それに対しては、日本ではストリートで警察官やアーティストと出会い関係を構築したが、海外にはエージェントのような存在がいるので彼らを通じてコンタクトをとる。その後はアーティストを通して紹介をしてもらうなど、コミュニティを広げていくと回答があった。
別の質問では、収益性について平均収益やゴールのスピード感が問われた。最終的には富裕層のコレクターを獲得していきたいとしつつも、そういった結果を得るためにもまずはコミュニティの構築に重点を置いていると考えが示された。