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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第107回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 10月28日~11月3日

20周年の“パッチ・チューズデー”はもはや負担?、国内IoT市場動向、欧州消費者が中国製EVを評価する理由、ほか

2023年11月06日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年10月28日~11月3日)は、国内企業におけるサイバー攻撃被害の平均被害額、欧州消費者の中国製EV(電気自動車)に対する購入意欲、国内デジタル地域通貨の利用意識、国内IoT市場の成長を牽引するユースケース、マイクロソフト“パッチ・チューズデー”開始から20年、についてのデータを紹介します。

■[セキュリティ]過去3年で56%の国内法人がサイバー攻撃を経験、3年間の累計被害額は平均1.2億円(トレンドマイクロ/CIO Lounge、11月)
・過去3年間で56%の法人組織がサイバー攻撃被害を経験
・過去3年間のサイバー攻撃の累計被害額は平均1億2528万円
・セキュリティ対策の最大阻害要因は「スキル人材の不足」(74%)

 従業員500人以上の国内法人組織に勤めるセキュリティ責任者305人を対象にした調査「サイバー攻撃による法人組織の被害状況調査」より。過去3年でサイバー攻撃の被害を経験した企業は56.8%、経験した組織の累計被害額は平均1億2528万円。ただし、ランサムウェアを一度でも経験した組織の累計被害額は1億7689万円と大きく跳ね上がる。業務停止期間は国内拠点で平均4.5日、海外拠点で平均7日。セキュリティ対策の阻害要因として最も多く挙がったのは「スキル人材の不足」で74.4%。

過去3年間のサイバー攻撃による累計被害額。ランサムウェア被害経験のある企業は被害額が大きい(出典:トレンドマイクロ/CIO Lounge)

サイバー攻撃の被害による業務停止期間。こちらもランサムウェア被害の影響は大きい(出典:トレンドマイクロ/CIO Lounge)

NISC CSFの各フェーズ(識別/防御/検知/対応/復旧)における「対策の阻害要因」をたずねたところ、「人材」という回答が最多だった(出典:トレンドマイクロ/CIO Lounge)

■[自動車][消費]欧州消費者の49%が「中国車を購入する可能性あり」、技術力を高く評価(GfK Japan、11月2日)
・「中国車を購入する可能性がある/少しある」と回答したベルギー人は49%
・若い世代(18~34歳)では62%が「購入する可能性がある/少しある」
・中国EV広告画像のブランド名を隠すと、約8割がその車を高く評価

 ベルギーの自動車保有者1200人を対象とした中国EVへの意識調査。中国ブランド車の購入意向について、全体の回答は「購入する可能性がある」(5%)、「少しある」(44%)、「購入しない」(51%)という割合だが、若い世代(18~34歳)では62%が「可能性がある」「少しある」と回答した。中国EVの広告画像について、ブランド名を隠して印象を聞いたところ、全体の8割以上が「大変良い車」と評価した。その車が中国車であると認識できた人は15%、多くがフランス車やドイツ車だと誤認した。中国ブランド車に良い印象を持つ理由としては「技術力の高さ」「デザイン」「価格」が上位3つとなった。

中国ブランドの車を購入すると思うかとたずねたところ、全体では49%が、18~34歳では62%が購入の可能性があると回答した(出典:GfK Japan)

■[IoT]国内IoT市場は2022年の6兆円から27年に9.1兆円へ、「農業フィールド監視」などが高い成長予想(IDC Japan、10月31日)
・国内IoT市場の2022年ユーザー支出額は6兆円
・2022~27年の期間は年平均成長率8%で成長、2027年には9.1兆円規模を予想
・成長分野は「農業フィールド監視」「スマート倉庫管理」「院内クリニカルケア」など

 国内IoT市場について、2022年の実績と2027年までの予測をアップデートした。同市場は2022年、6兆818億円。2022~27年まで年平均成長率(CAGR)8.6%で成長し、2027年には9兆1877億円に達すると予想している。ユースケースとして高い成長が予想されるのは「農業フィールド監視」「スマート倉庫管理」「院内クリニカルケア」「テレマティクス保険」など。これらのユースケースでは、同時期のCAGRを12~15%と予想している。2024年4月に予定されている労働時間規制の強化などが、市場の後押し要因になると見ている。

国内IoT市場のユーザー支出額の予想(出典:IDC Japan)

■[地方創生][DX]デジタル地域通貨を利用するメリットは「高還元」、他のキャッシュレス決済と共存(デロイト トーマツ グループ、10月30日)
・デジタル地域通貨の魅力は「高い還元率」(22%)、「地域貢献」(21%)
・キャッシュレス決済で重視するポイントは「利用できる店舗が多い」(48%)
・デジタル地域通貨を知るきっかけはイベントやチラシが50%、“アナログ”な広報活動が効果

 特定地域だけで流通/利用できるデジタル地域通貨について、日本全国の利用者1155人、店舗経営者1030人を対象とした利用実態調査より。2021年12月末時点で668のデジタル地域通貨が立ち上がっており、そのうち183が稼働しているという。利用者に地域通貨を利用する理由を聞いたところ、トップは「高還元率」(22.7%)、僅差で「地域貢献」(21%)が続いた。キャッシュレス決済を導入する店舗ほど地域通貨も導入しやすい傾向があることから、「デジタル地域通貨は他のキャッシュレス決済と競合するものではなく、共存するもの」との見解を出している。

デジタル地域通貨を利用するメリットとして、「高い還元率」がトップ、「地域貢献につながる」が2位(出典:デロイト トーマツ グループ)

決済サービス利用で重視することのトップは「利用できる店舗が多いこと」(48.2%)。「還元率」(28.4%)を上回った(出典:デロイト トーマツ グループ)

■[セキュリティ]マイクロソフトの“パッチ・チューズデー”20周年、IT担当者にはむしろ「負担」に?(クラウドストライク、10月31日)
・「パッチ・チューズデー」導入から20年、合計1万900件以上のパッチを発行
・2023年だけでも800件以上のパッチを発行
・セキュリティ/IT部門にとって、パッチ・チューズデーはむしろ負担に

 マイクロソフトが毎火曜日に修正アップデート(パッチ)をリリースする“パッチ・チューズデー”導入から20年を記念した調査。この20年間で1万900件以上のパッチが発行されたが、その多くはここ数年間に集中している。2016年以降、124種類のゼロデイ脆弱性と、1200件以上のクリティカル(深刻度が最高)脆弱性などに対応した。ただしInfosec Instituteの調査では、パッチ適用までの平均所要日数は「60~150日」もかかっており、広範囲で大量のパッチがリリースされることで、パッチ・チューズデーはむしろIT部門の「負担になっている」と指摘している。

1999年から2023年にCVE識別子が割り振られたマイクロソフト製品の脆弱性の推移(出典:クラウドストライク)

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