アドビ、次世代生成AIモデル「Adobe Firefly Image 2 Model」や生成AIをIllustratorやLightroomに搭載 各種アップデート(10月11日)
この件、ロサンゼルスで開かれた「Adobe MAX 2023」で発表されたもの。現地取材記事は1点すでに掲載済みなので、そちらも併読いただきたい(アドビの考える生成AI「技術と法律」作家に利益を還元、“無断画風コピー”の禁止も提案)。
生成AIとクリエイターの関わりについてはこの記事をご参照いただきたいのだが、Adobe MAXでフォーカスされたのはこの話だけではない。
ポイントの1つは次の画像に集約されている。
Adobeの主張として、今後は「急速にクリエイティブ・コンテンツへのニーズが高まる」というものがある。
個人に合わせたマーケティングが主流になると、1つの素材をそのまま使えばいい……というわけにはいかない。メディアの特質や日時、場所に応じてクリエイティブ・コンテンツの体裁を整え、短いサイクルで回していくことが重要になる。
Adobeはこうした世界を「アジャイル・マーケティング」と呼んでいる。
従来型の「1つの強いクリエイティブで全体を計画的に回す」やり方をマクロ・マーケティングとし、現場で高速に、小さな規模で回すのがアジャイル・マーケティング。アジャイルにやっていくなら、システムの力を借りて分析・管理しつつ回す必要があり、それにはAdobeが提供するデジタルマーケティングツールのような存在が必須である、という建て付けだ。
戦略としては説得力があり、非常に面白い。クリエイター以外の人々が日常的にクリエイティブ・コンテンツの生成や修正をするなら、生成AIの力は必須のものになる。
一方で、半端にやると仕事ばかりが増えることになるので、費用対効果の課題は出てきそうだ。
また、Adobeはルールや権利を守った形で進める前提でシステムを構築しているが、その前に「ブラックであることを厭わない人々」、要はスパム事業者などが、著作権や利用者の快・不快を考慮しない「アジャイルな物量マーケティング」を仕掛けてくる可能性は高く、すでにその傾向がある。
人種や性別に起因する顔認証の精度差を軽減する新技術をパナソニック コネクトが開発(10月11日)
AIによる認証には「誤検出」がつきもの。だが利用者は「AIは間違えない」と思ってしまいやすいので、間違っていると認識しないで判断結果を利用することがある。
AIは人種や性別によるバイアスを抱えてしまいやすく、その対処が重要なのだが、パナソニックがやっているのはまさにそこ。単なる「精度向上」だけで捉えずに理解してほしい流れだ。
2026年までに80%以上の企業が生成AI対応アプリを展開、ガートナー予測(10月12日)
いわゆるハイプカーブ予測に関する話で、それ自体にはそこまで大きなニュース性はない。
だが、データの蓄積がある大企業を中心に、それを効率的に使う目的で生成AIへの取り組みが広がっている……という話をベースにすると、「2026年までに80%の企業が」という流れも読みやすくなる。
前出・Adobeの例も「26年までにコンテンツのニーズが5倍以上」とされているので、同時期に起きると考えるとなかなか興味深い流れではある。
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