ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿(以下HRS)は、HRS Formulaクラスに20年ぶりとなる新型教習車「HRS-F24」を導入することを発表。あわせてHRSの活動説明会を実施した。
日本から世界で戦える若者を育てたい!
Hondaのレーシングスクールは、1992年、鈴鹿サーキットレーシングスクール(SAS)として2輪車のスクールからスタート。のちにカート、フォーミュラのスクールを開講した。30周年を迎えた昨年までに861名が卒業。その中から数多くがレーシングライダー、ドライバーとして現在活躍している。
そして昨年、Hondaとして人材育成に一層力を入れていくという意を込めて「HRS」へと改称。それまでの鈴鹿サーキットへの業務委託に近い体制から、ホンダ・レーシング(HRC)と鈴鹿サーキットが共同でHRSの運営するという体制へと変わった。
発表会でホンダ・レーシング 渡辺康治代表取締役社長は「HRSはオーディション形式ではなく、1年間の受講プログラムとして、現役のトップ選手たちと実戦形式の走行練習やフィジカル、メカニズムの知識、データロガーの読み方など、レーシングアスリートに必要不可欠なスキルを身に着けられる日本で唯一のレーシングスクールです。また、1年を通じて受講者へトップ選手の速さや強さ、レースへの向き合い方をお伝えすることで、精神的にも人間的にも世界トップカテゴリで戦える人材を目指しています」とスクールの概要を紹介。
2024年からは、フォーミュラクラスに高い教育効果を目指し、スクール用に専用開発したフォーミュラーカー「HRS-F24」の導入を発表。また今後新たな取り組みとして、スクールのパートナー企業の募集もしていくと語った。
技術も大事だが人としての確立が大事
続いて2輪ライダー養成プログラムとして、岡田忠之Motoクラスプリンシパルが登壇。「若年化しているレース界において、1人でも多くの若い人を育てていきたいと思っていますが、その前に、1人の人間として確立していくのが必要だと思っています。そして最終的に世界に通用する、そしてスポンサーのあるところで活躍してもらいたいと、心から願っています」とあいさつ。
続いて受講プログラムの概要について。Motoクラスには、ベーシックコースとアドバンスコースの2コースがあり、ベーシックコースは2輪レース活動のベースとなる基礎部分を、アドバンスでは実戦形式によるスキルを磨く場所となっている。
日数はどちらも3月末から12月までの年間26日間で、ベーシックコースはCBR250Rで鈴鹿サーキットの南コースを、アドバンスコースはNSF250Rで国際レーシングコースを使用したトレーニングを実施する。現役で活躍している選手がインストラクターを担当し、より実戦的なライン取りやアクセルワークなどを学べる。そして走るだけでなく、ルールなどの基礎知識に加えてマシンメンテナンス、フィジカルトレーニングも行なうようだ。そのほか、交換留学制度やオフロードトレーニングもあるとのこと。
気になる卒業後については「スカラシップ獲得者は、Idemitsu Asia Talent Cupへの参戦支援とトレーニング機会を提供します」と、次のステップを用意していることを明かした。