音楽は光田康典氏が担当!

あの黄金時代が再び!『Sea of Stars』はSFC全盛期の良さを蘇らせた「レトロJRPG」だ

2023年09月22日 13時00分更新

文● Zenon/ASCII

わかる人にはわかる、名作RPGへのリスペクトを強く感じるインディーゲーム。戦闘、探索、楽曲など多くの点で懐かしさを感じる逸品だ

 カナダのゲームデベロッパー・Sabotage Studioより2023年8月29日に発売されたドット絵RPG『Sea of Stars』。

 本作は、スーパーファミコン(SFC)時代の16bitを思い起こさせるような、良質なドット絵で描かれたコマンドバトルRPGとなる。古典的なJRPGに強く影響を受けたと開発者が語っており、1990年代あたりのSFC全盛期に登場したJRPGをリスペクトしている描写が多々見られるのが特徴だ。

 今回はSteamストアの評価も高く、ネットでの評判も上々な本作が、実際どんなゲームなのか? その魅力をPC(Steam)版のプレイレビューでお届けする。

 本作の対応プラットフォームはPlayStation 5/PlayStation 4/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam)と幅広くカバーしている。

・Sea of Stars | Launch Trailer
https://www.youtube.com/watch?v=8jkeh6O1Rzs

●「至点の子」を中心に展開する正統派RPG

 本作の主人公は、太陽と月の力を備えた「至点の子」という2人の少年少女。邪悪な錬金術師「フレッシュマンサー」が生み出す怪物に対抗できる唯一の存在であり、幼いころから過酷な使命を背負うべく育てられた2人は、未知への憧れとともに世界へと旅立っていく。

無邪気な少年時代。とある事件をきっかけに厳しい修業を開始することに

空の学院で数年間の修業を積み、試練を乗り越えて「太陽と月の力」を使えるように

 世界を救えるのは自分たちだけ。そんな使命の重さを感じさせつつ、冒険自体は行く先々でトラブルを解決していくクラシカルな王道展開となる。

モグラのような種族との出会い。困っている人は見過ごせないよね!

おとぎ話の存在「眠り竜」が目の前に。この竜が目覚めると世界が滅びてしまうとのこと

モグラたちに頼まれ、怪物が出現する洞窟内を探索。風を起こして水晶(?)を指定の位置まで運ぶ謎解きギミックなどを楽しめる

●バトルはクラシックかつ独特のシステム

 本作の戦闘は、シンボルエンカウント制を採用。マップを歩いて敵に接触すると、そのままシームレスに戦闘が開始する。

周囲にいる敵も一緒にバトル。位置取りは自動で決まる。範囲攻撃を当てたい場合は、敵の位置をズラす戦略も必要に

 戦闘が始まったら、コマンドを選択して行動。1ターンで各キャラ1回ずつ行動できるが、味方の順番は任意に決められる。敵の順番が回ってくるまでの行動回数は見えているので、それにあわせて味方の行動を決めていこう。

敵がスキルを使う場合は、頭上に属性が表示される。敵の行動開始までに対応する属性の攻撃を当てられれば、そのターンの敵の行動をスキップさせられる

 また、攻撃時/防御時にタイミングよくボタンを押すと、追加攻撃やダメージ軽減ができるアクション要素、いわゆる「ジャストガード(強ブロック)」があるのも特徴の1つ。これらの戦略要素が組み合わさり、戦闘はそれなりに頭を使う感じに仕上がっていた。

攻撃時の追加入力は比較的簡単だが、ガード時は敵のモーションをしっかり覚えることが大事。初見の敵はどんな動きを取るのか予測し、見定めるのが面白かった

 スキルもタイミングを合わせると威力アップする仕組み。序盤に習得できる「ムーメラン」は、敵に当たって返ってきたブーメランにタイミングを合わせてボタン入力すると跳ね返し続けられる。タイミング合わせ次第ではかなりの回数攻撃できる技となっている。

跳ね返すたびにブーメランの速度が上がり難しくなっていく。25回跳ね返す実績(トロフィー)もあるので、いつかは成功させたいものだ

戦闘を繰り返すとレベルアップして強くなる。全体的にステータスが上昇するほか、任意に1つだけ成長させるパラメータを決められる。筆者は枯渇しがちなMPを伸ばす方針を取っていた

 ワールドマップとダンジョンを出入りすれば敵は復活するので経験値稼ぎも可能だが、いまのところ地道なレベル上げをする必要もなく、程良いバランスでサクサク進められている。

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