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マルチクラウド対応の「NSX+」、5エディションの「VMware Cloud」、「Tanzu」強化など

「VMware Explore 2023」マルチクラウド、コンテナ関連の発表

2023年08月30日 07時30分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 VMwareが8月25日まで米ラスベガスで開催した年次カンファレンス「VMware Explore 2023」。目玉となったのは新たに打ち出したAI戦略「Private AI」だが、既存の製品ポートフォリオのアップデートも多数発表されている。

 22日の基調講演は「マルチクラウド」と「生成AI」の2つがテーマだった。本稿ではマルチクラウド戦略のパートをレポートする(生成AIのパートについては前回レポートを参照いただきたい)。

VMware プレジデントのスミット・ダーワン(Sumit Dhawan)氏

VCFをさらに強化、ペタバイト級vSANやNSXのマルチクラウド対応版など

 VMwareが数年前から進めてきたマルチクラウド戦略について説明したのは、同社プレジデントのスミット・ダーワン氏だ。

 同社のマルチクラウド戦略は、「1)クラウドインフラのモダン化」「2)アプリケーションデリバリの加速」「3)ワークスペース」「4)ソフトウェア定義エッジ」という4つの柱を持つ。今年のExploreでは、ここに5つ目の柱として「5)Private AI」が加わった(つまり生成AIもマルチクラウド戦略の一部となる)。

 1)クラウドインフラのモダン化では、最初にクラウド基盤/HCIソフトウェアの「VMware Cloud Foundation(VCF)」に触れた。

 2016年に発表されたVCFは、数年がかりでvSphere、仮想ストレージ(vSAN)、ネットワーキング(NSX)、自動化(Aria)などを統合してきた。ダーワン氏によると、VCFのコンサンプション(利用数)は年率30%以上のペースで増加しているという。「これは最も成長しているクラウドだろう」と述べる。

現在の「VMware Cloud Foundation」

 VCFの特徴は「シンプル、低コスト、優れたセキュリティ、レジリエンシー」だとダーワン氏は説明する。導入顧客の中には3年間で170%以上のROIを達成し、ネットワークとセキュリティオペレーションを66%削減できたところもあるという。

 今回、クラウドインフラのモダン化に関しては以下の5つが発表されている。

 ●vSAN Max:最大8.6ペタバイトまで拡張可能な分散型SDS
 ●vSphere+アップデート:従来比で3倍高速、2クリックでシームレスなアップグレードが可能
 ●NSX+:NSXの進化版。マルチクラウド間でも一貫したポリシーでネットワーキング/セキュリティを実現する(2022年発表の“Project Northstar”製品化)
 ●マルチクラウドVPC:NSX+の一機能として提供。管理者が設定した“ガードレール”の枠内で、開発者がセルフサービスでVPCを構成できる
 ●Ransomware Recovery as a Serviceの強化:ランサムウェアリカバリサービス

「NSX+」および「マルチクラウドVPC」の概要(記者向け説明会資料より)

 VMwareではVCFをベースに、vSAN Max、Ransomware Recovery as a Service、NSX+、VPCといったサービスを統合したマルチクラウド向けインフラサービス「VMware Cloud」を構築している。今回のVMware Exploreでは、VMware Cloudの5つのエディション(Essentials、Standard、Pro、Advanced、Enterprise)が発表された。クラウドの導入規模やモダン化の成熟度に応じて最適なものが選択できる。

「VMware Cloud」の概要

発表された5つのエディション

 VMware Cloud Foundationでは、パブリックサービスではAmazon Web Services(AWS)など主要ハイパースケーラーと、コロケーションではEquinix、マネージドサービスではIBM Cloudなどと提携を強化した。

開発者の自由度を安全に広げる「Tanzu Application Engine」

 2)アプリケーションデリバリの加速では、VMwareのコンテナ/Kubernetesプラットフォーム「VMware Tanzu」の強化を発表した。

 ダーワン氏は、Kubernetesを使って高速化している開発チームとプラットフォームチームの間にギャップがあると指摘する。Tanzuは昨年「開発者ポータル」や「Tanzu for Kubernetes Operations」などの機能を導入したが、これらの最新機能を導入した企業では「アプリケーションデリバリが最大40%高速になっている」と、その効果を強調する。

 今年のExploreでは「Tanzu Application Engine」(ベータ)、「Tanzu Intelligence Service」「Tanzu Hub」などを発表した。

 Tanzu Application Engineはコンテナネットワーキングとコンテナコンピューティングを組み合わせたランタイム。Tanzu Application Platformの一部機能となり、ランタイムでのアプリケーションのオーケストレーションが可能になる。

 「インフラとアプリケーションの間を抽象化することで、プラットフォームチームが高可用性やセキュリティといったインフラ寄りの機能を設定すると、開発者がアプリを構築する際、自動的にプロビジョニングされる」(ダーワン氏)。

Tanzuについては「Tanzu Application Platform」と「Tanzu Intelligence Services」の2つで新機能を説明した

「Tanzu Application Engine」の概要

 また、Tanzu Application Platformのライフサイクル管理では、「Amazon Elastic Kubernetes Service(EKS)」と「Tanzu Kubernetes Grid」に加え、新たに「Azure Kubernetes Service(AKS)」のKubernetesクラスタも対象に加わった。

 Tanzu Intelligence ServicesはAI/機械学習を活用したサービスのスイートで、クラウドコストの予測(ベータ)、Kubernetesの適切なサイジング(「Tanzu CloudHealth」)、トラブルシューティング、ポリシー強制(「Tanzu Gurdrails」)などの機能を持つ。これを利用することで、Kubernetes環境のコスト、セキュリティ、パフォーマンスを「継続的に最適化できる」(ダーワン氏)と語った。

「Tanzu Intelligence Services」の概要

 Tanzu Hubは、Tanzu Intelligence Servicesの一部で、2022年に発表した「VMware Aria」と同じナレッジグラフをベースとする。会話形式でデータを得られるチャットボットベースの生成AI「Intelligent Assist」、Platform Engineering向け管理者インタフェースなどがある。

 VMwareでシニアバイスプレジデント兼モダンアプリ&管理ビジネスグループのゼネラルマネージャを務めるプルニマ・パドマナバン氏は、記者向けの説明会で、「既存のブラウンフィールド環境と既存アプリの両方についての情報とデータを提供できるのがTanzu Hubだ。モダンなアプリ、エッジにあるアプリ、モノリシックなアプリ、分散アプリ、全てを対象にできる」「Aria管理ポートフォリオの機能を活用することで、アプリケーションと環境の情報を一カ所に集めることができる。これにより、アプリケーションの分析、コスト性能管理、セキュリティ管理ができる」と説明した。

 なおVMware Ariaは、VMware Cloudベースのインフラ環境向けのAria Automation製品群、Aria Operations製品群を含むクラウド管理ソリューションとして引き続き提供される。「Aria Universal Suite」はスタンドアロン製品、またはVMware Cloudのエディションの一部として利用できるとのこと。

「VMware Anywhere Workspace」でも、バーチャルアプリ、ユニファイドエンドポイント管理とセキュリティ、従業員体験についてAI統合などの強化が加わった

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