iPhone 14 Proで撮影した、プロの現場で撮影した4Kやドルビービジョン映像と違和感なくつなげる
Dolby Visionは個人でも手軽に楽しめる、iPhoneと組み合わせた活用事例をドルビーが紹介
2023年08月25日 15時00分更新
サブスクを中心に認知が進む、Dolby Vision技術
ドルビージャパンは8月24日、UGC分野におけるDolby Vision活用についての説明会を開催した。
Dolby Visionは、ドルビーラボラトリーズが開発・提供しているHDR映像の規格だ。HDRはダイナミックレンジ(明暗差の表現)を拡大し、白トビや黒ツブレが少なく、肉眼で見た印象に近い映像の再現をする技術だ。一般的な動画(SDR映像)は8bit(256段階)の深度だが、HDR映像では10bit(1024段階)以上の深度を持つ。さらにDolby Visionは最大12bit(4096段階)の深度にも対応できるが、再生環境などを踏まえ10bitの深度にダウンサンプリングして撮影/再生するケースもある。
さらに人間の知覚の特性に合わせて滑らかなグラデーションが表現できるよう工夫していたり、固定した最大輝度の範囲で輝度を表現するのではなく、シーンごとにメタ情報を持たせ、動的に輝度を変えていったりする仕組みも持つ。例えば、暗い夜と明るい昼で違和感なくつながった映像を再現できるといった特徴がある。
人間の目は色よりも明暗差(輝度)の変化に敏感であるとも言われるが、Dolby Visionは暗いシーンが多い映画などで威力を発揮する。同時に全体に暗い映像の中に、光り輝く部分があるシーンなどでも、明るい部分が白トビしないので、撮影条件が悪いライブイベントなどの映像もリアルに再現できるわけだ。
また、ドルビーはプロプライエタリーの技術をライセンスする仕組みでビジネスを展開している。ブラックボックス化されている部分もあるが、その一方で制作から再生までの一貫性を維持できるという特徴もある。典型的なものがドルビーシネマで、映像だけでなく、音響や映画館全体のデザインも一体となった空間で、ドルビーがオーソライズした映画体験を提供する映画館となっている。民生分野でもドルビーの認定を受けたDolby Vision対応テレビは、映像再現の信頼性が担保されていると言えるだろう。
Dolby Visionの技術はNetflixやDisney+など大手ストリーミングサイトのオリジナルコンテンツではデファクトに近い形で採用されているほか、映画でもいわゆる大作が軒並み採用している。国内でも多くのコンテンツが制作されるようになってきた。