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「Exadata Cloud@Customer」顧客の強い要望で実現、“分散クラウド戦略”をさらに推し進める

OCIのIaaSを1ラックから自社DC導入、オラクル「Compute Cloud@Customer」提供開始

2023年08月10日 06時30分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 オラクルは2023年8月9日、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」のコンピュートサービス/IaaSを顧客データセンター内で提供する「Oracle Compute Cloud@Customer」(以下、Compute C@C)の一般提供開始を発表した。最小1ラックから導入ができ、OCIと同等のサービスやクラウド体験をオンプレミスで実現する。データベース(DB)サービスを提供する「Oracle Exadata Cloud@Customer」との高速/低レイテンシな直接接続も可能。

 プレス向け説明会に出席した米オラクル システムズ・プロダクト・マネジメント担当VPのジェイソン・シェーファー氏は、Compute C@Cの導入によってシームレスなハイブリッドクラウド環境が実現し、データレジデンシーにまつわる課題も解消できると説明。オラクルが推進する分散クラウド戦略をさらに強化するものだとアピールした。

「Oracle Compute Cloud@Customer」は、パブリッククラウドのOCI、顧客専有リージョンの「OCI Dedicated Region」、DBサービス提供の「Exadata Cloud@Customer」と共にオラクルの“分散クラウド戦略”を構成するコンポーネントとなる

米オラクル システムズ・プロダクト・マネジメント担当VPのジェイソン・シェーファー(Jason Schaffer)氏

「パブリッククラウドのOCIと同じサービス、体験、価値が享受できる」

 Compute C@Cを提供する背景についてシェーファー氏は、Exadata C@Cのユーザー企業から「データベースだけでなく、アプリケーションやミドルウェアをサポートする環境もオンプレミスに欲しい」という強い要望があったためだと説明する。

 Compute C@Cは、パブリッククラウドのOCIが提供するコンピュート/ストレージ/ネットワーキングサービスを、顧客データセンター内で最小1ラックから提供する。オラクルがハードウェアを所有し、リモートから管理を行うため、顧客企業は各種クラウドリソースをサービスとしてシンプルに利用できる。

 シェーファー氏はCompute C@Cの特徴として「パブリッククラウドのOCIと同じサービス、エクスペリエンス、価値が享受できる」点だと強調する。

 たとえばコンピュートでは「Flexible VM」や各種API、ストレージではブロック/ファイル/オブジェクトストレージ、ネットワーキングではロードバランサーやVCN(仮想クラウドネットワーク)など、OCIが提供する多様なサービスが利用できる。コントロールプレーンはパブリッククラウドのOCI(またはOCI Dedicated Regionのもの)を利用し、ハイブリッドクラウドの統合管理が可能だ。

Compute C@Cのアーキテクチャ。コントロールプレーンはOCI(またはDedicated Region)のものを利用するが、ネットワーク障害などが発生してもCompute C@Cは単独で稼働し続ける仕組みになっているという

 高いスケーラビリティについても強調した。Compute C@Cは、最小構成の552コア、6.7TBメモリ、150TBストレージから、最大構成で6624コア、80.4TBメモリ、3.4PBストレージまでスケールさせることが可能だ。必要に応じてコンピュート/ストレージのリソースを個別に拡張することもできる。

 Exadata C@Cと同じデータセンターに配置する場合は、データセンターネットワークを介さず、Compute C@CとExadata C@Cをダイレクトに接続させることもできる。最大800Gbpsの帯域幅で接続が可能となり、アプリケーションから非常に低いレイテンシでのデータベースアクセスを実現する。

Compute C@Cは高いスケーラビリティ、Exadata C@Cとの高速/低レイテンシなダイレクト接続といった特徴も持つ

 各リソースの利用料金やSLAについても「パブリッククラウドのOCIと同等」だと、シェーファー氏は強調した。たとえば、コンピュート(Standard E5)の利用料金は1OCPUあたり0.03ドル/時間、オブジェクトストレージ(Standard)は1GBあたり0.0255ドル/月、ブロックストレージ(Balanced)は1GBあたり0.0425ドル/月など、すべてOCIと同じ料金設定となっている。

 ただしExadata C@Cと同様に、Compute C@Cのインフラ(ハードウェア)を自社データセンターに設置/利用するコストは別途必要となる。インフラの利用料金については、最小構成で「月額およそ1万ドルから」(シェーファー氏)と述べた。

 またCompute C@Cで提供するのはIaaSの各サービスであり、マネージドデータベースサービスは提供しない(Exadata C@Cで提供する)としている。もちろんコンピュートリソースを使った顧客自身によるデータベースサーバーの構築、運用は可能だ。

パブリッククラウドのOCIとCompute C@Cの比較表。リソース自体の利用料金はOCIと同じだ

「他社のソリューションを凌駕する」フルスタックサービスと拡張性

 シェーファー氏は、Compute C@Cにより実現するメリットとして、「開発したアプリケーションを、OCI分散クラウドのあらゆる場所(パブリッククラウド、オンプレミス)に展開できる」、「高いスケーラビリティにより、オラクルやサードパーティ、あるいは自社開発したアプリケーションを実行できる」、「パフォーマンスが最適化されたOCIインフラを自社データセンターで稼働させられる」、「データレジデンシーの要求に応えることができる」の4点を挙げた。

 想定している導入顧客については、Exadata C@C顧客の強い要望から実現した製品ということもあり、まずは「Exadata C@Cをすでに導入しており、アプリケーションやミドルウェアも自社データセンターで動かしたいと考える顧客」(シェーファー氏)を想定していると述べた。

 また「AWS Outposts」や「Azure Stack Hub」「Google Distributed Cloud Edge」といった、他のクラウドベンダーが提供するオンプレミスソリューションとの比較表を示して、オラクルのCompute C@Cでは「フルスタックのサービス提供」と「高いスケーラビリティ」を実現していることを強調した。

 「Compute C@Cは顧客からの強い要望で生まれたもの。そこで挙がった要件を満たしつつ、市場にある他社の類似ソリューションを凌駕するような製品が出来たことを、大変うれしく思っている」(シェーファー氏)

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