業務を変えるkintoneユーザー事例 第193回
社会福祉法人の職員が実践したkintone普及までの二人三脚
自己満アプリは使ってもらえない 現場といっしょに作って業務効率化
2023年08月18日 09時00分更新
足を運んで見てもらうという気持ちが大事
お二人が作ったアプリから、自ら「神アプリ」と呼ぶ3つを紹介してくれた。
まずは、利用者の情報を一元管理する「利用者予定管理」アプリ。紙やExcel、ベテランスタッフの頭の中で管理していた情報をkintoneに入れることで、いつでもどこでも、ぱっと見られるようにしたのだ。
二つ目が、利用者それぞれのためだけの「○○様行動記録」アプリ。
「利用者さんは、自閉症の方が多く、自分の気持ちを伝えるのが苦手です。分かりやすく言うと、暴れてしまったり、自分で自分を傷つけてしまう方がいらっしゃいます。このアプリは加害や自傷があった時、時間や場所、直前・直後の様子などの詳細をまとめ、グラフ化しています。特定の時間帯に加害行動が多いなら、他のことをしてもらう、といった科学的根拠に基づいた支援ができるようになりました」(山川氏)
三つめは、kintoneとLINE WORKSの連携。kintoneに新しくレコードが新規登録されたり、編集された時にLINE WORKSに通知が飛ぶようにしたのだ。登録を見逃すというヒューマンエラーがなくなり、山川氏は「すごい好きなアプリ」だという。
「私はエヴァンジェリストという立場ですが、皆様のご意見を聞き、一緒に考え、一緒に作ることを目指しています。便利だから使ってもらおう、足を運んでみんなに見てもらおう、といった気持ちが大切だと思っています」(上原氏)
「作り手の自己満アプリは使ってもらえません。やはり現場が望んでいるアプリを実現することが大事たと感じています。次は、保護者の皆様も簡単に使えるようなアプリを作り、各関係者や利用者様に浸透させていきたいと思っています。他の事業所さんでも同じように困っていることがあると思いますので、今後は日本全体の障害福祉の業務改善を取り組みたいと考えています」と山川氏は締めた。

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