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口内環境が腸の健康を左右する可能性。マウスウォッシュ併用は全身の健康状態にも影響か

2023年08月08日 18時00分更新

文● ASCII

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マウスウォッシュ使用者の方が、口内環境と腸の関連性について意識している傾向がある

マウスウォッシュの使用が、全身の健康に与える影響は?

 同調査では、マウスウォッシュが体調管理に与える影響についても調べている。

 欧州分子生物学研究所の研究や、福島一隆院長のコメントからは、歯磨きやフロスと併せてマウスウォッシュを併用することが、口内だけでなく全身の健康状態にも影響を与え得ることが分かるが、「マウスウォッシュを使用する目的は?」という質問に対する回答は、「口臭予防(64.8%)」や「虫歯予防(59.1%)」、「歯肉炎予防(45.4%)」など、口内の健康状態に関連した回答が圧倒的に多数。 「体調管理のため(8.4%)」や「胃腸のケアのため(3.5%)」など、全身の健康状態を意識した使用をしている回答者は、少数に限られる結果となった。

 一方で、マウスウォッシュの使用による、体調管理に対する効果について尋ねたところ、「効果がある」と答えた人は、全体の50.4%にものぼった。洗口液、液体歯磨きなどのマウスウォッシュ使用者全体では50.3%とほぼ同数になったが、液体歯磨きを使用している人に限ると、57.0%と、やや高い数値が出ている。さらに、全身の体調管理目的でマウスウォッシュを使用している人の内、73.2%が効果を実感しているという結果も見られた。

マウスウォッシュの健康に対する効果については、マウスウォッシュのタイプによっても、体感が異なっているようだ

 マウスウォッシュを全身の健康管理に用いるという発想そのものは十分に浸透しているとは言えないものの、その目的を持って使用しているユーザーに限ると、およそ4人中3人が、効果を感じていると見ることができるだろう。

 マウスウォッシュの使用について、福島一隆院長は次のように話す。

「口内の悪玉菌を体内に入れないためにできることとして、歯医者や歯科衛生士によるプロケアと自分でできるホームケアがあります。プロケアのひとつが、毎日の歯磨きでは取り除けない汚れや歯垢(プラーク)などのバイオフィルムの除去・清掃です。バイオフィルムは、口の中のさまざまな細菌が手を取り合い、ぬるぬるした膜状のバリアを張った状態のもので、ほとんどの歯周病原因菌は、バイオフィルムの中にいると言われています。

 プロケアで除去したバイオフィルムも、放置すればまた増殖してしまうので、定期的なプロケアを行うとともに、毎日、自分で行うホームケアも重要になります。口の中の悪玉菌は歯ブラシが届かないところにもいるので、歯ブラシのケアだけでは十分でないことは明らかです。歯を磨いただけでは落とせない部分も含めて、口の中全体をキレイにするためには、洗口液や液体歯磨きなどのマウスウォッシュを歯磨きやフロスと併用することがおすすめです」(抜粋)

エッセンシャルオイルの有効性は?

 全身の健康状態でなく、「腸活」に的を絞った質問では、どのような回答が見られただろうか。「マウスウォッシュは腸活に効果があるか?」という質問に対しては、全体の34.8%、全身の体調管理目的でマウスウォッシュを使用している回答者に限ると、49.8%が「効果がある」と回答している。

 さらに腸活についての質問を深めてみると、体調管理のために腸活を行っている回答者の内、76.1%は腸活の効果を「実感している」と回答している。ところが、1-シネオール、8-シネオール、チモール、サリチル酸メチル、l-メントールなど、天然由来の植物から採取できる「エッセンシャルオイル」を配合したマウスウォッシュを使用している人では、90.7%が「腸活の効果を実感している」と回答しており、効果を感じている人の比率が上がっている。

 福島一隆院長は、この結果について「今回の調査では、エッセンシャルオイル成分配合のマウスウォッシュを使用している腸活実践者の約9割の人が「腸活の体調管理効果を実感」と答えていますが、エッセンシャルオイル成分配合マウスウォッシュのバイオフィルムまで浸透し殺菌する効果が関係している可能性もあるのではないかと思います」と話す。

マウスウォッシュを選ぶ際は、有効成分にも着目してみたい

 マウスウォッシュの使用は全身の健康状態に影響を与え得るが、使用するマウスウォッシュを選ぶ際は、どのような有効成分を含んでいるのかについても注目してみると、より高い効果を実感できる可能性があるだろう。

 口内環境と腸内環境。一見すると離れたテーマのようにも思えるが、人の消化器は入口から出口までがつながった管のように見ることもできる。その入り口である口内の環境に気を配ることは、腸の、さらには全身の健康状態にも影響を与え得る……この視点で見てみると、良好な口内環境を保つという習慣が、これまでと違った新鮮なものに思えてこないだろうか。

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