大企業にはぜひ“内規の壁”を破ってもらいたい
ChatGPTの活用事例で目立っている、もうひとつの国内大手はサイバーエージェントだ。
同社では独自開発した大規模言語モデル(LLM)とChatGPTを組み合わせ、広告素材を自動生成する仕組みを事業に導入している。これによって高速かつ正確な効果予測ができるようになり、キャッチコピーづくりの時間と工数が短縮できているそうだ。
また、同社ではAIプログラミング補助ツール「GitHub Copilot」を導入しており、AIが提案した約46万件のコードのうち約14万8000件を採用しているという。キャッチコピー制作とコーディング、2つはどちらも同社の事業にダイレクトにAIを使った例に見える。
もっとも、生成AI自体に権利面を含めた様々な問題がつきまとっていることもあり、大企業で試験的な運用、または水面下の運用にとどまるのは仕方ないと感じるところはある(AI規制法案「EU AI ACT」を推進する欧州でどうビジネスを展開するのかなども含めて)。
けれども一方で、うかうかしているあいだにAIのリスクを取った企業が事業をメキメキ成長させ、破壊的な存在になり、市場を乗っ取られるのではないかという不安はある。
生成AI最大の強みは高度専門職(高度人材)の置き換えだ。
ChatGPTのような生成AIのタスク処理能力は、いわゆるホワイトワーカーを置き換えるほどのポテンシャルがある。条件次第では、ChatGPTは月給28万円の仕事を月額2800円(20ドル)でやってしまう。競合がそんなめちゃくちゃな人件費で対抗商品を作ってきたらまともに戦えますか。
そもそもの処理性能を考えても、ChatGPTに庶務をさせるのはエース級エンジニアに雑用をさせているようなものだと思う。せっかくAIビジネスの先陣を切った大企業にはぜひとも内規の壁を破り、日本発のAIビジネスの未来を拓いてもらいたい。日本は法的な面でも生成AI界隈から注目を集める、AI先進国としてのポテンシャルがあるわけだし。
で、そういうお前たちは何にAIを使っているのかって? それはほら、初フェスの感想を書いてもらったり、ガリガリ君の新フレーバーを考案してもらったりですね……。
(この文章にはAIを使用していません)
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。6歳児と2歳児の保護者です。Facebookでおたより募集中。
人気の記事:
「谷川俊太郎さん オタクな素顔」「爆売れ高級トースターで“アップルの呪縛”解けた」「常識破りの成功 映画館に革命を」「小さな胸、折れない心 feastハヤカワ五味」
アスキーキッズメルマガ 毎週土曜に配信中
アスキーキッズは毎週土曜、一週間ぶんの記事をまとめて読めるメールマガジンを配信中。人気連載「ほぼほぼ育児」をはじめ、ニュース、イベント、プログラミング教育入門、みんなの子育て体験談など、子育ての参考になる情報満載です。ご登録はこちらから。