観光、資源循環、人材、為替リスクなどスタートアップが課題解決に導く「IVS2023 LAUNCHPAD KYOTO」
「IVS2023 LAUNCHPAD KYOTO」レポート
ジーフィット株式会社、AIが最適な為替予約を提案する「TRADOM」
ジーフィットは為替リスクコントロールを支援する「TRADOM」を展開している。2011年に1ドル75円だった為替レートは10年間で約2倍の円安となり、貿易業をはじめとする多くの企業に打撃を与えた。不安定な世界情勢により為替リスクはさらに高まっている。
「TRADOM」はAIの予測にもとづく為替予約の提案と管理を行うツールだ。将来の外貨取引金額を入力すると、最新のAI予測にもとづいた提案がなされる。400以上の経済指標をインプットした複数のAIが5分に1度、為替予測をアップデートする。
また「TRADOM」は主要通貨だけに限らない多通貨対応のAIを育成しているため、世界展開も容易だ。坂根氏は「企業が為替リスクに怯えることなく、グローバルビジネスに挑戦できる世界を作りたい」と語った。
株式会社OpenFactory、オンデマンドプリントサービス「Printio」
OpenFactoryはオンデマンドプリントサービス「Printio」を展開している。サステイナビリティが求められる現代においても、チラシやプリントTシャツ、イベントの装飾物などのさまざまな印刷物が生産され、作り過ぎた余分なものは廃棄されている。発注時の最低ロット数がネックとなり、必要なものを必要な分だけ作ることが難しい。
「Printio」は受け取った注文を最適な工場に振り分けることで、オンデマンド生産を実現している。工場は従来なら手作業で作成していた製造指示書をワンクリックで出力できる。また送り状も簡単に発行できるため、出荷間違いも防げる。これによりOpenFactoryはオンデマンド生産のサプライチェーンを構築した。
また「Printio」のサービスを活用できる組み込み型のAPIを開発したことで、さまざまなWebサービスが同社のサプライチェーンを使用するビジネスモデルを確立した。堀江氏は「Printioは印刷通販サービスではない。ビジネスの中に印刷機能を組み込み、新規事業を生み出すパートナーだ」とし、在庫も廃棄もない真のサステイナブルな世界を実現したいと語った。
タッチスポット株式会社、無駄な商談を減らす商談DXプラットフォーム「CEOclone」
タッチスポットは無駄な商談を減らす商談DXプラットフォーム「CEOclone」を展開している。営業担当者は商談で同じサービスの説明を繰り返したり、多数の見込み顧客にメールで対応したりといった非効率的な業務に追われている。
「CEOclone」では見込み顧客にサービス紹介動画を送付し、詳しく知りたい部分だけを取捨選択して見てもらうことができる。説明終了後には自動で、見込み顧客に対して関心度合いの確認や予算をヒアリングし、顧客に最適化された提案がインタラクティブに表示される。
見込み顧客の視聴履歴は、営業担当者の管理画面に登録されるため、高い関心を示している人物にのみアプローチできる。またサービス紹介動画は見込み顧客の社内で共有されるため、初回の商談でも確度の高い議論が可能となる。今後は利用企業の商談動画を掲載したメディアを公開し、ビジネスマッチングの機会創出に取り組む。