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Viva Technology 2023を盛り上げた仏の大企業と地方自治体、各国ブースの様子

「Viva Technology 2023」レポート

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 2023年6月14日から17日まで、フランスのパリで開催された世界最大級のオープンイノベーションとテクノロジーに関するカンファレンス「Viva Technology 2023」。前回の記事では今年の会場全般の様子をレポートしたが、今回は地元フランスの大企業と地方自治体のブース、また近年増えてきた各国のブースの様子を紹介したい。

スタートアップとの協業事例のほか、自社の取り組み紹介の展示も増えた大企業ブース

Orange
 以前はフランステレコムという名称だった大手通信事業者。フランスに本社があり、アフリカを中心に世界各国へ携帯キャリアサービスを展開する。毎年Orangeによるアクセラレータプログラムに参加したスタートアップなどから選抜された企業が出展しているほか、今年はOrange グループの求人を行うOrange Jobsが窓口を設けていた。

 ヨーロッパ、アフリカを中心に21カ国に展開しているOrangeのアクセラレータプログラム。筆者も日本のプログラムに参加させてもらっていたが、Orangeグループのアジア地域からの撤退により日本でのプログラムは終了している。

LVMH
 Viva Technologyで毎年人気の高いLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループのブース。スタートアップとの取り組みのほか、自社製品でもNFTへの取り組みやイノベーションに対する取り組みに非常に積極的だ。

 日本人ポップアーティストの村上隆氏とのコラボレーションによるHublotの時計は12時間のそれぞれの時間をモチーフにした色で12個販売され、それぞれの時計にはNFTがひもづいている。この個々のNFTを12個集めた人には、1年後に13個目の特別な時計を購入する権利が与えられる。もし購入対象者が生まれなかった場合にはオークションにかけられる。

 また、ディオールの香水デバイスは、5つの香水をそれぞれ自分の好みにあわせてタッチディスプレーで比率を変えながら調合して香りを楽しめるもので、まずはBtoB向けに提供される。こちらはCompoz Parfumという同様の香水ディフューザーを提供するスタートアップとの協業により生まれたものとなっている。

フランス郵政公社
 La Posteという名称のフランス郵政公社は、Viva Technologyだけではなく、近年はアメリカで開催の「CES」でもブースを設けて積極的にスタートアップとの協業事例の紹介を行っている。去年は配達用のドローンなど、ハードウェアやテクノロジーの展示も多かったが、今年はソフトウェアやDX寄りの展示となっていた。

 今年見られた「モノ」としての展示は、郵便配達用カーゴ付き電動自転車。来年のパリ五輪のマスコットキャラクターが描かれている。

 ブース裏側は緑色の装飾で「GREEN & CIVIC」というメッセージが掲げられていた。

フランス国鉄SNCF
 Viva Technologyの初回からずっと大企業としてスタートアップを支援するOpen Innovation Labとしてブース出展を続けている。去年はスタートアップ色が薄くなり、自社の取り組みの紹介が前面に出ていたが、今年はピッチステージが大きくなり、活気づいていた。ステージイベントのタイムテーブルが、鉄道会社らしく駅構内の列車発着案内サイネージと同様のデザインとなっている。

ヴイグ
 フランスの大手建設会社であり、放送局TF1や、キャリア子会社もあるコングロマリット。以前は、ブース内にもスタートアップが多く出展していたが、数年前から展示ブース規模が縮小し、自社の取り組み中心の紹介となっている。今年のブースでは、以前Open Innovation Labブースを大企業グループの一角として出していた自動車部品サプライヤーValeoによる、人を検知して人がいる場所にだけ自動的に照明が点灯するポップな街路樹風デザインのスマート街灯が展示されていた。

トタルエナジーズ
 フランスのエネルギー大手であるトタルエナジーズ。スタートアップとの取り組みが多く紹介されていた。特に電気関連のソリューションが多く展示されていて、脱炭素に向けた姿勢を強く打ち出していた。

Food & Retail PARK byカルフール
 カルフールはViva Technologyの初回にはOpen Innovation Labsとして、大々的にスタートアップを支援する形での展示を行っていたが、ここ数年はブース展示がなかった企業。今年は「Food & Retail PARK by Carrefour」という形で出展しており、前回の記事で紹介したデリバリーロボットや、購入者が商品をピックアップするためのロッカーが設置された配達用車両などが展示されていた。

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