工場などのネットワークを簡単に“見える化”する製品、管理者の属人化課題に対処する機能拡張
ネットワーク障害対応を迅速化、PFU「iNetSecFC」が機能強化
2023年07月27日 13時30分更新
PFUは2023年7月27日、工場内などでネットワークおよび接続機器を簡単に可視化する装置「iNetSec FC」の機能強化版を発表した。機器の設置場所を管理する機能、現在と過去のネットワーク構成の差分を確認できる機能などを追加し、ネットワークトラブルの原因切り分けや対応をさらに迅速化できるとしている。7月31日より提供を開始。
2021年に発表されたiNetSec FC(初版)は、工場内に配置されたネットワーク機器やネットワーク接続デバイス(工作機械、制御機器、ロボット、カメラなど)を検出し、ネットワークの構成や負荷/異常の状況、障害影響範囲などを可視化する装置。本体をネットワークに接続するだけで、各種デバイスを自動検出し、独自の辞書技術に基づきデバイスやOSの種類などを自動識別するとともに、ネットワーク構成のマップも自動で可視化する。トラフィック監視による異常検出も可能。これまで工場を中心に数十社に導入されているという。
今回は導入顧客からの声に基づき、熟練者の引退などで課題になるネットワーク管理における「属人化」の排除を大きな目的として機能強化を図ったという。
強化機能の1つめは、自動検出/自動識別されたネットワーク接続デバイスの情報として写真登録を可能にし、設置場所の管理を容易にする機能だ。ネットワークトラブルの発生時に、障害原因となっている機器を探すために時間がかかってしまうことがあるが、設置場所の写真を登録しておくことで誰でもすぐに設置場所やデバイスを特定して対応ができる。
過去と現在のネットワークマップを比較できる機能も追加された。正常稼働しているネットワークの状態をファイル保存しておけば、ネットワーク変更でトラブルが発生した際にその「差分」を見ることができる。これにより、問題切り分けをより迅速化できるとしている。
もうひとつ、ネットワークマップにおいてリンクアグリゲーションやスイッチのスタックが描画できるようになった。基幹システム周辺のネットワークではこうした冗長化構成が取られることが多いが、その場合もより正確なネットワークマップにより構成が把握できる。
iNetSec FCの標準価格(税抜)は48万円(1年間利用ライセンスバンドル)。2年目以降の1年間利用ライセンスは36万円となっている。
PFUでは、iNetSec FCに対して病院や自治体といった工場以外の現場からも引き合いがあることから、DXを推進する幅広い現場にiNetSec FCの導入展開を加速させていく方針。また既存の保守サービスだけでなく、今後はiNetSec FC導入後の監視やレポーティングといったマネージドサービスの提供も検討していくとしている。