昨年、懐かしのWindows向け音楽再生ソフトである「WinAmp」の話題を書いた。もう一つの“懐かし音楽再生ソフト”である「foobar2000」にも“Windows版のv2.0”が登場。昨年のベータ版を経て、4月26日に正式版がローンチした。foobar2000はWindowsに対応した無料の音楽再生ソフトだが、敢えて“Windows版”と明記したのは、いまではMac版も出ているからだ。また、後述するように両者の関係にはややこしいところがある。
久々に大規模なバージョンアップ
もともとfoobar2000は、複雑化したWinampに反旗を翻す形で登場した。基本はシンプルにし、モジュールの追加で機能を増やすコンセプトの音楽再生ソフトである。PCオーディオの黎明期やDSDファイルのネイティブ再生への関心が高まり始めたころには、このモジュール方式の恩恵を得て、PCオーディオを推進する核にもなった。ただし、オーディオ機器が本格的にPCと連携し始めたあとは、「Audirvana」や「Roon」といった有料の高性能音楽アプリにその座を取って代わられた感はある。
Version 2.0の内容は、昔のユーザーには懐かしい「Hydrogen Audio」に掲載されている。大きなところは、x86の32bitモードのほかに64bitモードに対応したこと、Windows 10/11のダークモードに対応したことなどだ。Version 2.0の以前の安定動作版はVersion 1.6シリーズである。
ちなみにMac版は、先にfoobar2000のモバイル化があって、そのコードをMacに移植したものがベースとなっている。現在のMac版はVersion 2.5となっていて、Windows版と一致しないのだが、おそらくはこうした開発経緯がある関係でコード管理の方法が異なるのだろう。そのため内容的には「Windows版のVersion 2.0」が「Mac版のVersion 2.5」と同じというわけではない。ちなみにMac版のダークモード対応は、すでに実装済みだ。
Mac版の最新バージョンを試してみた
ちょうどいい機会なので、いままで使っていなかったMac版のfoobar2000を試してみることにした。手持ちのM2搭載Macbook Airにインストールしてみた。
インストール方法は、dmg(イメージファイル)をダウンロードし、アプリ本体をローカルのフォルダーにコピーするMacでは標準的な方式だ。立ち上げるとライブラリ画面が出て、ローカルに置いてあるFLACファイルなどをライブラリーに読み込ませるシンプルなスタイルはWindows版と同じだ。FLACファイルに埋め込んだ画像も読み込めるようだ。全体的なUIはWindows版とあまり変わらないので、Windows版に慣れているユーザーなら操作は問題ないだろう。
foobar2000のポイント「Preference」からさまざまな機能を追加・選択していける点だ。例えば「DSP Manger」画面からサンプリング周波数をアップサンプリングするためのリサンプラーを加えることができる。また「Output」では出力先を指定できる。ここでは"exclusive"が付いているものがあるので、Macにおける排他モード(いわゆるhogモード)が可能となっている。
まだ、Appleシリコンへの対応はなされていないようだが、操作レスポンスや音質上の問題はない。標準でFLACに対応していて、アップサンプリング指定も容易であることなどから、ダウンロード音源を多く持っているユーザーには、いまでも重宝されるのではないだろうか。
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