あの「Winamp」が帰ってくる。
こう聞いても、ピンとこない人が既に多いかもしれない。Winampは1990年代から2000年初頭にかけて、非常に人気があったWindows用のフリーソフトで、多彩な音楽再生機能をウリにしていた。当初は人気を独占していたといってもいいほどで、見た目を変えることができる「スキン」が充実して、プラグインも多く用意されていた。
音楽再生ソフトの変遷
その後、複雑化しすぎたWinampとは対照的な、よりシンプルなUIの「foobar2000」が登場して、人気を二分する形となる。当時は無料でこうした音楽再生アプリケーションを利用できるのが当たり前であった。一方、2009年にMacに対応した有料アプリケーションである「Ammara」が登場。PCオーディオで使う音楽再生アプリケーションは、高機能や品質の高さをうたった商用のものが中心になっていく。「Audirvana」もその延長上にあるものだ。
Winampにも、シェアウェア版の「Winamp Pro」がリリースされていた。しかし、無料で使えるアプリケーションが多かったWindowsのユーザーにはあまり高評価が得られなかった。Winampの開発元であるNull Softは1999年にAOLの子会社となったが、2003年に初期のWinamp開発チームが去った後はAOLに吸収され、迷走が続いた。そして、2013年にはサポートが終了されてサイトが閉鎖、ダウンロードもできなくなった。
この時はネット上が騒然とした。その人気ゆえにWinampをオープンソース化してユーザーを救おうとする「Save Winamp」というプロジェクトが立ち上がったほどだ。結局、2014年にRadionomyによる買収で命脈はつながったのだが、その後の消息はよく知られないままだった。
今回の「リブート」は、2018年に突如アナウンスされた「バージョン6」のことで、全体を古いVisual Studio 2008から新しいVisual Studio 2019で書き換えることが主であり、機能自体の変化はないと言う。まずは基礎を作り、機能追加についてはこれから取り掛かるということだ。
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