このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第423回
シャープのカメラスマホ「AQUOS R8 pro」は1型センサーとバッテリー長持ちが最大の魅力
2023年06月27日 12時00分更新
性能は非常に高く、放熱に新たな工夫が
性能面を確認すると、AQUOS R8 proはチップセットにクアルコムのハイエンド向けとなる「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載しており、RAMは12GB、ストレージは256GBでmicroSDでの増量が可能。性能は2023年のハイエンドモデルと同等で非常に高い。
主要ゲームでの設定を確認しても、「PUBG MOBILE」のグラフィック設定は現行のAndroidスマートフォンでの最高設定が可能であるし、「原神」はグラフィックを最高水準に引き上げても快適なプレイが可能だった。毎秒120回表示の間に黒画面のフレームを補完する、シャープ独自のディスプレー240Hz駆動による滑らか表示もあいまって、AAAクラスのゲームを最高水準でプレイしても大きな不満が出ることはない。
長時間プレイで気になる発熱についても、AQUOS R8 proでは独自の「サーモマネジメントシステム」という機構を搭載している。これはカメラのリング部分に本体の熱を誘導し、そこから放熱するというもの。実際ゲームプレイ中にリング部分を測定してみると40度前後と、他の背面部分より熱くなっていることが分かる。
ただ実際に触れてみると、リングだけでなく本体側面のフレームからも放熱がなされているようで、特定の場所が触れないほど熱くなるようなことはないが、両手全体にやや熱を感じる印象だ。それゆえ夏場など暑い環境でゲームプレイする時などは、手に汗をかきやすくなるなどやや不快感が出てくるかもしれない。
バッテリー容量は5000mAhとハイエンドでは一般的な容量で、AQUOS R7に続いてQiによるワイヤレス充電にも対応。国内メーカー製ということもあって防水・FeliCaへの対応はもちろんなされており、安心感もある。
また通信に関しては、物理SIM(nanoSIM)とeSIMのデュアルSIM機構で、執筆時点ではドコモとソフトバンクからのみの販売ということもあって、5Gの対応周波数帯は比較的充実している。実際、両社のモデルともにドコモの4.5GHz帯(バンドn79)に対応するほか、ドコモ版の「SH-51D」はミリ波(バンドn257)にも対応している。
ただ1つ気になるのが、SIMトレイの強度にやや不安があること。これはAQUOS R7でも同様だっただけに、改善されていないのは惜しいと感じてしまう。
【まとめ】内容は満足だがフラッグシップらしい進化もほしい
AQUOS R8 proは前機種の特徴を踏襲しながらも、ベースの性能を着実に進化させたモデルといえるだろ。カメラの高い性能はしっかり維持されているし、チップセットの進化と新たな放熱機構の採用によりゲーミングもより快適になっている。ハイエンドモデルとして完成度が高まり十分満足できる内容であることは間違いない。
ただ裏を返せば、進化の度合いが少ない分フラッグシップモデルとしての先進性が薄いというのが、消費者の視点からすると惜しいポイントと言えるかもしれない。大きく変わっていないが故に接写の弱さやSIMトレイの強度など、前機種の弱みを引きずっている部分もいくつか見られるだけに、今後の大幅なアップデートにも期待したいところだ。
AQUOS R8 pro | AQUOS R8(参考) | |
---|---|---|
販売キャリア | ドコモ、SB | ドコモ |
ディスプレー | 6.6型IGZO OLED (19.5:9)240Hz対応 |
6.4型IGZO OLED (19.5:9)240Hz対応 |
画面解像度 | 1260×2730 | 1080×2340 |
サイズ | 測定中 | |
重量 | 測定中 | |
CPU | Snapdragon 8 Gen 2 | |
内蔵メモリー | 12GB(LPDDR5X) | 8GB |
内蔵ストレージ | 256GB | |
OS | Android 13 | |
5G対応バンド | サブ6、ミリ波 | サブ6 |
無線LAN | Wi-Fi 6E | |
カメラ画素数 | 約4720万画素(標準) +約190万画素(測距用) /イン約1260万画素 |
約5030万画素(標準) +約1300万画素(超広角) /イン約800万画素 |
バッテリー容量 | 5000mAh | 4570mAh |
Qi | ○ | × |
FeliCa | ○ | |
防水・防塵 | ○/○(IP68) | |
生体認証 | ○(画面内指紋+顔) | ○(側面指紋+顔) |
SIM | nanoSIM+eSIM | |
USB端子 | Type-C | |
イヤホン端子 | ○ | |
カラバリ | ブラック | ブルー、クリーム |
この連載の記事
-
第511回
スマホ
価格も性能も妥協したくない人にオススメの王道ハイエンドスマホ3選 -
第510回
スマホ
スマホは高くない! 2万円台で買えるオススメ格安エントリースマホ4選 -
第509回
スマホ
着せ替えスマホ「CMF Phone 1」はカスタマイズが楽しいが実用面での弱点もあり -
第508回
スマホ
たたんでも極薄9.2mm! 世界最薄折りたたみスマホ「HONOR Magic V3」を試す -
第507回
スマホ
シャオミの「Redmi Note 13 Pro+ 5G」は2億画素カメラに防水防塵など必要な機能が揃って6万円以下 -
第506回
スマホ
Galaxy Z Fold Special Editonを最速レビュー! 厚さ10.6mmの薄型折りたたみスマホ -
第505回
スマホ
シャオミの折りたたみ機「Xiaomi MIX Fold 4」は閉じても9.47mm! ライカカメラ搭載の激薄機をレビュー -
第504回
デジタル
唯一無二の3つ折りスマホ「HUAWEI Mate XT Ultimate Design」を早くも触った! 40万円の価値アリ! -
第503回
スマホ
シャオミのフラッグシップキラー「POCO F6 Pro」はハイパワー、急速充電、カメラのエモさが魅力 -
第502回
スマホ
vivoのカメラフォン「X100 Ultra」はカメラグリップでコンデジに変身する -
第501回
スマホ
1型センサーで世界一カメラのファーウェイスマホ「Pura 70 Ultra」はデジカメとして使いたくなる - この連載の一覧へ