性能は高くはないが4Gスマートフォンよりは上
性能面を確認すると、チップセットはクアルコム製の「Snapdragon 480+ 5G」で、メモリーは8GB、ストレージは128GBで、microSDによる容量追加が可能。ちなみにmoto g53y 5Gはメモリーが4GBと半分になっており、後述するがその分価格も安くなっている。
こちらもmoto g52j 5Gと比べた場合、メモリーは増えているがチップセットは1クラス下なので、ベンチマークを実行してもmoto g52j 5Gと同じ「Snapdragon 695 5G」を搭載した機種と比べれば全体的にスコアは低い。ただ、主要ゲームのグラフィック設定では大きな差が出ておらず、画質を大きく上げなければ快適にプレイできることから比較的頑張っている印象も受ける。
「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティが「HD」、フレーム設定が「高」まで上げることが可能と、Snapdragon 695 5Gと同等だった
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それゆえここ最近急増している、5G非対応で2万円前後のエントリースマートフォンと比べれば性能は高く、スクロールなどの動作が追いつかないことで発生する“引っ掛かり”を感じることはなく、スムーズな操作が可能だ。ただ、そこにはディスプレーの画質をHD+(1600×720ドット)に引き下げ、なおかつリフレッシュレート120Hz駆動による滑らかな表示を取り入れるなどの工夫も影響しており、ベースの性能がそこまで高くないことは留意する必要があるだろう。
一方でバッテリーは5000mAhとハイエンドモデル並みで、30Wの急速充電にも対応する。防水性能はIP52と防滴レベルにとどまるが、FeliCaとNFCには対応しており「モバイルSuica」などの利用ができるほか、マイナンバーカードにも対応する点は、日常使いを考慮すれば安心感がある。
最後に通信機能についてだが、SIMは物理SIM(nanoSIM)とeSIMのデュアルSIM構成で、物理SIMのスロットは1つ。5Gの対応バンドはn3/n28/n77/n78で、ドコモの4.5GHz帯(n79)には対応しない。低価格化に加え、ワイモバイルからmoto g52y 5Gが販売されることも意識しての構成といえそうだ。
【まとめ】抑え気味の性能を感じさせない使い勝手
「j」と「y」の価格とメモリーの差が悩ましい
まとめると、moto g53j 5Gは低価格モデルということもあってスマートフォンとしての性能が高いワケではない。だが、FeliCaなど日常使いに必要な機能は一通り押さえ、なおかつディスプレー周りの工夫で性能を感じさせることなく使い勝手を向上させるなど、非常に考えて作られたモデルだと感じる。
ただ、より性能が高いmoto g52j 5Gとの価格差が5000円しかなく、上位モデルに十分手が届いてしまう価格差だというのは正直悩ましい。そこには円安が大きく影響しており、メーカーとしては非常に難しい判断の上での価格設定となったのだろうが、兄弟モデルのmoto g53y 5Gが、Y!mobileから2万円台で販売されていることが状況を複雑にしている。
確かにmoto g53y 5Gは、携帯大手から販売されるため非常に安いのだが、一方でメモリー容量は、現状のAndroidで快適操作ができるギリギリの水準なので、長く使うならmoto g53j 5Gの方が満足度は高いだろう。だがmoto g53j 5Gとmoto g53y 5Gとの間には1万円ほどの価格差があるだけに、消費者として見れば非常に選択が難しいのだが。
| モトローラ「moto g53j 5G」(SIMフリー)の主なスペック | |
|---|---|
| ディスプレー | 6.5型液晶(20:9)120Hz対応 |
| 画面解像度 | 720×1600ドット |
| サイズ | 約74.66×162.7×8.19mm |
| 重量 | 約183g |
| CPU | Snapdragon 480+ 5G 2.2GHz+1.9GHz(8コア) |
| 内蔵メモリー | 8GB |
| 内蔵ストレージ | 128GB |
| 外部ストレージ | microSDXC(最大1TB) |
| OS | Android 13 |
| 対応バンド | 5G NR:n3/28/77/78 LTE:1/2/3/4/8/11/12/17/ 18/19/26/28/38/41/42 W-CDMA:1/2/4/5/8 4バンドGSM |
| 無線LAN | IEEE802.11ac |
| カメラ画素数 | 約5000万画素+約200万画素(マクロ) イン:約800万画素 |
| バッテリー容量 | 5000mAh(18W対応) |
| FeliCa/NFC | ○/○ |
| 防水/防塵 | ×/△(IP52) |
| 生体認証 | ○(側面指紋、顔) |
| SIM | nanoSIM+eSIM |
| USB端子 | Type-C |
| イヤホン端子 | ○ |
| カラバリ | インクブラック、アークティックシルバー |
| 発売日(SIMフリー版) | 発売中 |
| 価格(SIMフリー版) | 3万4800円 |

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