とにかく「値上げ」「値上げ」の昨今、普及クラスのスマートフォンは価格帯が変わらない場合はスペックダウンが目立ち、やや残念な気持ちになっている人も多いと思う。筆者のそのひとりだが、そのなかでも我慢少なめで使えそうな1台と見ていたのが、モノローラの「moto g53j 5G」と「moto g53y 5G」だ。
通常モデルはメモリーは8GB
Y!mobile版は新規一括1円の安さだが、メモリーは4GB
前年の人気モデル「moto g52j 5G」に対して、型番だけ見れば、今年登場のmoto g53j 5Gは新製品の分、スペックが強化されていてもいいはずなのだが、SoCはSnapdragon 695 5GからSnapdragon 480 5Gへとランクダウン。画面解像度も2460×1080ドットから1600×720ドットに、カメラは超広角が削られ、さらに防水防塵もIP52と防滴レベルになっている(moto g52j 5Gの後継機としては、メモリーが8GBになった「moto g52j 5G Ⅱ」が登場)。
一方で、moto g53j 5Gはメモリーが8GBと、moto g52j 5Gの6GBから増量している。今後、OSがバージョンアップし、アプリの高機能化が進んでいくと、ボトルネックはメモリー容量になることが多いことから、8GB化は大歓迎だ。メモリー容量が大きいことで実用的に使える期間が長くなりそうで、この点だけは2023年登場モデルらしい進化と言える。
また、moto g53j 5Gは派生モデルがある。それが今回主に取り上げるmoto g53y 5Gだ。末尾の「y」は、Y!mobile販売モデルを意味している。違いは、メモリーが4GBへと半分に減らされていること。その代わりにY!mobile加入時に条件を満たしていると、一括払いで1円という価格で購入できる。
せっかくのメモリー容量が4GBになったのは惜しいが、moto g53j 5Gが大手家電量販店での3万4800円といった実売価格に対し、moto g53y 5Gの新規一括1円は破壊力が大きい。メモリーが少ないのはわかっていても、これは実に魅力的だ。
また、もし回線が不要というのなら、未使用に近い中古機がオークションサイトやフリマアプリなどで多く出回っており、価格は1万円を少し超える程度で入手できる。
前年モデルと比べて、すっきりした外見に好感
筆者は以前、moto g52j 5Gをメイン機として使っていたが、性能面では満足していたものの200gオーバー(約206g)の筐体は少し重く、カメラ回りや背面に曲線が混じっていてシンプルさを欠いたデザインがやや気になっていた。
ところが、moto g53y 5Gは重量(約183g)だけでなく、カメラ回りのすっきりとバランスよいデザインが気に入った。手にした感じでは、薄さ(約8.19mm)、重さ、色、シンプルな外見、すべてよし。カラバリもアークティックシルバーというクールな色が気に入った。
外見では液晶ディスプレーのコーナーの丸みはもう少し尖っていたほうが好みで、有効表示範囲が狭くならずに使いやすいが、moto g53y 5Gは許容範囲内だろう。電源と音量の両ボタンもAndroid機で一般的な右側で、手にしたときに違和感を感じない。
スピーカーはステレオで、横位置にすれば左右の広がりが感じられる。イヤホン端子も装備しており、脱マスクの今、再び有線イヤホンを使うのに便利だ。そして、FeliCa対応も引き続きで、モバイルSuicaなどの電子マネーの利用も可能だ。
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