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スマホと連動する電動アシスト自転車「e-bike」試乗レポ 第6回

理想のe-bikeを探せ! その6

輪行も簡単な軽量e-bike「TRANS MOBILLY NEXT163-S」なら気軽にさらに遠くへ行ける!

2023年06月14日 12時00分更新

文● 荻窪 圭 編集●ASCII

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いよいよ輪行に挑戦!
公共交通機関と自転車で移動するのはエコ!

 では、輪行に挑戦してみよう。自転車を折りたたんで輪行バッグに入れるのだ。最寄り駅までNEXT163-Sで走ったら、人の邪魔にならないところで折りたたむ。最初にバッテリーを外して手持ちのバッグへ。

駅前のひろばにて。最初にバッテリー(兼ライト)を外す

レバーを下ろして前方に引き抜くべし

 次はハンドルを倒す。ハンドルの位置が低いままだと折りたたんだときにあれこれブツかるので、長く伸ばすのがコツ。

丸いところを持ち上げてロックを外し、レバーを倒す

ハンドル部分が簡単に折れ曲がる

 続いてシートポストをゆるめてサドルを一番下まで落とす。

シートポストのレバーを起こしてストンとサドルを落とす

 終わったら最後にフレームの折りたたみ。カバーを外し、レバーを引くと折りたたまれる。このとき、ペダルの位置が大事。左側のペダルが前を向くようにしておくと、折りたたんだときにほかと干渉しづらいのだ。

ロックを外し、このレバーをぐいっと挽くと折りたたまれる

 そして無事小さくなりました、と。

ここまで小さくなりました

 今回はベーシックな構成で借りたけど、輪行をするならペダルも輪行向きのものにした方がいい。折りたためるペダルか、着脱式ペダル(ペダルを外してバッグにいれて持ち歩く)かの二択。個人的には着脱式の方がコンパクトになって好きだけど、まあそこはお好みで。最後に輪行バッグにいれて完成。純正のバッグもあるけど、今回は私物の汎用輪行バッグを使った。

無事、バッグにおさめて完了。あとはこれを抱えて改札を抜けるのだ

 輪行時のルールはバッグから自転車の一部がはみでないこと(サドルがはみでてるとかはアウト)。マナーとしては混雑時は避け、車内では端っこの空いてる車両に持ち込むこと。そしてベルトを肩にかけてよっこらしょとかついで改札を通り、駅のホームへ。

 なお、東京の場合は人が多いうえに乗換時に自転車をかついで歩くのが大変というのがあり、ラッシュ時は避けること。できれば都心部の通過は避けたいところだ。今回は、多摩センターまで輪行。

目的地に到着

 そのまま多摩丘陵を越えて、小田急線の鶴川駅まで走ってみることにした。到着したら自転車を出し、折りたたみ状態から復元し、バッテリーをセット。さらに、ハンドルバーにスマホマウントをつけて地図を表示(手持ちのマウントを使ってるが、本来ならもっとコンパクトなものがいい)。

最後にスマホホルダーを装着してスマホをセットして地図&GPSログアプリを起動である

 そして出発だ。多摩センター駅から南下し、一本杉公園沿いの道を通って多摩丘陵を越える。走りはじめると多摩丘陵に向かって緩くて長い上り坂……なんだがけっこうしんどい。アシストがあっても長いと疲れるという当たり前の話。やがて丘陵を越えるといい感じの古い道である。

輪行してきたなーと実感する風景に出会うと、つい止まって写真を撮ってしまう

 そして小野路へ向かって南下。多摩ニュータウンの整然として明るくて広い道路を抜けると、急に里山の丘陵地帯に変貌するところが面白い。広大なニュータウンと開発されてない里山の両方を一度に楽しめるのだ。小野路を南下すると古民家を利用した「小野路宿里山交流館」があってひと休みできるのだが、今回はそちらへは行かず、途中で東へ折れて布田道へ。

 路面が悪く、短いけど急な坂で前輪が空回りしそうになる。さすがに舗装路専用と思った方がいいかも。でも来ちゃったのだからしょうがない。何しろこんな地層剥き出しの「関屋の切り通し」なのだ。

歴史ある切り通しである。ここはフォトジェニックなので自転車と一緒に写真を撮りたかったのだ

 ここに来たかったのである。どの駅からも遠くて自転車が一番いいのだ。ちなみにここは東京都。幕末の頃、新選組の近藤 勇らが小野路の名主小島家の道場へ出稽古に使った道として有名だ。この切り通しを抜けてしばらく走ると視界が開け、多摩丘陵特有の谷戸が現れる。

多摩丘陵ならではの谷戸風景も自転車が似合う

 どの駅からも、遠い丘陵地帯ならではの自然と農地と起伏を楽しめるエリアなのだ。車も少ないしね。やがて都道18号(現鎌倉街道)に出るので南下。途中で狭い道を左に入ると旧道が残っている。現街道は川沿いにあるが、旧道は川を避けてちょっと高いところを通っていたのだ。

旧道は自転車で走るのに最高である。車もほぼこないし眺めもいい。なんどかロードバイクの人とすれ違った

 こんな風に旧道をうまく辿ると、自然の中を気持ちよく走ることができる。そしてそろそろバッテリーがやばくなってきたかな、と思いきや、先に音を上げたのはiPhoneの方だった。この先は上り坂がないので自転車のバッテリーが切れても走れるが、iPhoneのバッテリーが切れたら大変困る。

 というわけで、バッグからケーブルを取り出す。このバッテリー、前述したように側面のUSB Type-A端子を使えばモバイルバッテリーとして使えるから、このようにiPhoneにつないでやれば給電できるのだ。ただし、走行しながらの充電は推奨されていないので注意しよう。

スマホに給電も可能。これも良さのひとつ

 そうこうしているうちに駅に到着。バッテリーを外してiPhoneをつないだままバッグに入れ(そのまま大容量モバイルバッテリー!)、自転車を折りたたみ、輪行バッグに入れ、よっこらしょとかついでエレベーターでホームへ向かったのだった。

今回走ったルート。駅から駅へ、丘陵地帯を越えてみた。(地図はiOS用アプリ「スーパー地形」を加工)

バッテリーの持ちを上回る機動力が魅力!

 最後にバッテリーの持ちの話。上り坂をどのくらい走るかなど状況によって大きく異なるけれども、20kmを超えたあたりで、4段階あるLEDが最後のひとつになった。土地の起伏やストップ&ゴーの頻度にもよるけど、20~30kmくらいかなという感じだ。

容量は少ないけど薄くてコンパクトなバッテリー。この上にスマホを貼り付けて走りたくなる

 一般的な電動アシスト自転車に比べると持ちは悪いけど、その分軽いし、もともとロングライド向きのスポーツ車じゃないので、マメにフル充電すれば困らないかと。あるいは予備バッテリーを持ってもいい。モバイルバッテリーとしても使えるしね。

 あまりに潔く削れるところを削ったミニマムe-bikeだけど、その分軽くて取り回しも楽なので、日常の足として、気が向いたら輪行していろんなとこを走る使い方が似合う。峠越えは向かないけど、そうじゃなくても自転車があればより快適に楽しめる場所ってあるからね。たとえば京都や鎌倉は自転車があるとすごく楽しめるし、駅から遠いエリアでもバスを使わず自走できちゃう。自転車があると観光地も「点」ではなく「線」で楽しめるので何倍もその土地を味わえるのも良い点だ。

 そういう意味で、機能を割り切って軽さを追求したe-bikeもアリだよなと、今回「TRANS MOBILLY NEXT163-S」に乗って思った。

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