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モーダル小嶋の「これを食べたくなったので」 第2回

「平成レトロ」メニューだけど、トンテキの復活自体は2年ぶり:

松屋のトンテキ定食は味が濃い! 価格とクオリティーに“惜しい”と感じてしまうワケ

2023年06月01日 16時00分更新

文● モーダル小嶋 編集●ASCII

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「トンテキ定食」
松屋
5月30日発売
690円(1枚盛)
https://www.matsuyafoods.co.jp/whatsnew/menu/49268.html

人気メニューが復活

 1986年(昭和61年)に生まれた筆者は、昭和生まれとはいえ「平成」を生きた人間と言えるでしょう。そんな平成も過去になりつつあり、最近では「平成レトロ」なる言葉があるほどです。

 平成は30年以上あったわけで、懐かしいと思う範囲も人それぞれ。平成レトロと言われても、筆者からすると「懐かしいな」と感じるものもあれば、「最近だと思うけどなあ」と感じるものもあります。

 では、松屋のトンテキはどうでしょうか?

トンテキの枚数も選べる

 松屋では3週連続で「懐かしのあのメニュー」シリーズと題して、平成に発売したレトロメニューを復活する取り組みを実施。5月30日よりシリーズ第1弾として「トンテキ定食」(690円〜)を発売中。

「トンテキ定食」(690円〜)

 2005年(平成17年)に初登場、人気の根強い平成レトロメニュー「トンテキ」。2021年5月ぶりの復活……というわけで、2年ぶりの登場になります。そう考えると、それほど「懐かし」「レトロ」という感じではないような気がしますが……。

 そもそも松屋の“トンテキ”は、それなりの頻度で復活しています。とくに2014年に熟成チルド豚ロース肉を使用したとうたう「プレミアムシリーズ」として登場して人気になった「豚テキ定食」を覚えている人も多いでしょう。また、2016年からは価格が730円になった「厚切りトンテキ定食」として登場していました。

 今回のトンテキは、分厚い豚肉に、ウスターソースとローストガーリックの旨味がギュッと詰まった食欲をそそる究極の「トンテキソース」がたっぷりかかった、ごはんが進む安定の松屋テイストとのこと。

 また、「ちょうどいい量が食べたい」という声に応え、1枚から4枚まで価格別で用意しています。

1枚盛だとこんな感じ

濃〜い味のソースが特徴
1枚だとボリュームに欠けるか?

ソースがしっかりかかっています

 かつて松屋で人気を博したトンテキは、なんといっても、濃いめのソースの味が特徴的。やや厚めの豚肉(と、白米)をワシワシと食べさせる仕上がりになっています。

 とにかく、濃〜いんですよね。塩辛さがあるというか、ウスターソースが煮詰まったような感じというか。定食のおかずなので、ごはんが進む味付けになるのはわかるんですが、「濃すぎる」と思う人がいてもおかしくはない。

味はかなり濃い目。ニンニクの刺激もあります

 また、ローストガーリックもそれなりに入っているので、濃厚なソースと相まって、“ガツン”とくるわかりやすいパンチがあります。ジューシーな豚肉との相性は、なかなかのものといえましょうか。

肉の厚さはそれなり。「分厚い!」というほどではない

 豚肉の厚さに関しては、松屋の豚焼肉定食がリニューアルして「肉厚豚焼肉定食」となりましたが、あれと同じくらいと考えれば大丈夫です。トンテキという名前らしい厚さを保ってはいるものの、“厚切り”というほどの堂々たる厚さでもないかと。

ごはんは進みますね

 良くも悪くも「濃い(しょっぱい)」味付けなので、そういう味付けの肉料理を食べたい人には適しています。ただ、1枚盛りだとさすがにボリュームがないので、最低でも豚肉は2枚盛にはしたい。そうすると、790円かあ、となってしまうわけですが。

みそ汁も、心なしか濃いめに感じる

 2005年以来、リニューアルを繰り返しながら登場してきた松屋のトンテキ。濃い味を求める人にはうれしいものの、ボリューム面や価格面などで、もう少しバランスを……という思いもなくはない。

 1枚盛の690円だとちょっと物足りない。でも、2枚で790円、3枚で890円となると、牛丼・定食チェーンにしてはすこし割高な気もします。その価格帯で出てくるなら、豚肉をもっと厚くしてほしいとか、ソースにまろやかなコクがほしいとか、プラスアルファを望みたくなる。

 「ソースをもっと改良すれば、より味わい深くなるのに」「690円で豚肉が2枚なら、積極的に食べたいけど」などと、ちょっと注文をつけたくなったのが、個人的な感想です。

 以上のような理由で、価格にもクオリティーにも、もっと完成度が高くなる要素を見出してしまい、“惜しい”と感じてしまうのです。ぜいたくな話かもしれませんが……。

 塩分が多めの豚肉にガツガツかじりつきたい人にはオススメ、パンチを求める人には3〜4枚盛という選択肢もある。一方で、あっさりした味わいを求める人には向かない。わかりやすい個性を持っている。根強い人気があるという扱いですが、けっこう人を選ぶメニューではないかと思います。

モーダル小嶋

1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願い申し上げます。

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