ペアレンタルコントロールがコミュニケーションの糸口になる
青木 私の場合は、ペアレンタルコントロールの設定をときどき変えるんです。子どもがどういう反応をするのか知るために。帰宅してから使えるようになっているアプリを、早めに使えるように設定したり、Web閲覧やYouTubeの制限を加えたりするんです。
そういった勝手な変更に『変だな』と思った子どもから、Skypeで連絡が届くんです。「設定おかしくない?」というメッセージが届くこともあります。新しいアプリを入れたいときにも「これを入れたい」とメッセージが届きます。
「許可を得る」というコミュニケーションが可能なあたりが、今風の管理なのかなと思っています。必ずしも私が常時家にいるわけではないですから、スマホ以外のことについてもSkypeを使ってオンラインで相談することが普通になっています。
── 小さい頃からホウレンソウ(報告連絡相談)ができるようになっているんですね。
青木 そういった発見の多いところがペアレンタルコントロールの面白いところですね。逆に、フィルターで機能を潰すためだけに使うと、単にネガティブな存在として(子どもに)記憶されてしまうでしょう。
二瓶 コミュニケーションの糸口ができるのは良いですね。私の息子も、新しいアプリを入れたいときには、その理由を親にわかるように説明するようになりました。急にプレゼンが始まるんです(笑)
青木 ペアレンタルコントロールの押しつけ過ぎも良くないとは思いますが、私のように子どもの反応を見るためにときどき設定を変えてみるのは効果的かと。
「また親父が何かやったな!?」みたいな反応を見ながら、コミュニケーションを深めていくきっかけにもなると思います。いずれ社会人になって必要になるコミュニケーション力をまず親と育み始めるということですね。
それからペアレンタルコントロールは、親が「言うこと聞かないならもう止めちゃうよ」という脅しに使うだけのものではなく、「宿題終わらせたらすぐに使えるようにしてあげるから」という、やる気を喚起させる使い方もできます。かなり万能なんですよ。
二瓶 以前記事化したこともありますが、ブロックされたサイト履歴を見つけたので息子に尋ねたら、「これこれこういう動画が観たいんだ」と素直に話してくれたんですよね。
もっとも、それってまだ小さかった頃の話ですから、現在だとブロック履歴にとんでもないドメインを見つけてしまう可能性もあったりしますからね。さすがに問いただす気も起きない(笑)
青木 そういう意味でも、子どもの成長とともにペアレンタルコントロールの設定は変わっていくものですから、親の対応にも変化が出てくるというのは当然のことかもしれません。
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