自然吸気エンジンなのでトルクフル
背の高さのわりにフラつかないのもGood
まず思うのが、意外にも静かということ。相応にエンジンやらエキゾーストの音は聴こえるのですが、それが低く力強さを感じますから、踏み込んでも耳障りな感じを受けづらいのです。
自然吸気エンジンなのにトルクフルであることも美質。もちろん相応に踏む必要があって、発進時は5000回転まで上がりますし、そのくらいは踏まないと、街乗りだと流れに乗らないところはあります。ですが、「いかんともしがたい」ほどではありません。
ビックリしたのは、安定感の高さと乗り心地のよさ。「重心が高くてフラフラしそう」と思っていたのですが、全然そのようなことはなく。意外と重心は低く、細かな振動は綺麗に吸収する足とコンパクトさと相まって、実に運転しやすいのです。
さらに驚いたのは高速道路。法定速度域なら全然余裕ですし、車線・車間監視の運転支援がついているのでラク! しかも静か。視界の広さ、足の良さ、運転姿勢の良さもあって、疲れが少ないのです。軽ハイトワゴンは街乗りのクルマと勝手に思っていたので、これは意外でした。
高速道路8割、市街地2割の走行でリッター19kmという燃費の良さ。最近のハイブリッドユニットを搭載するコンパクトカーには劣りますが、この数字は立派でしょう。ただ、都心部などストップ&ゴーを繰り返す場所では燃費は悪くなる傾向にあります。その場合はターボモデルを検討した方がいいかもしれません。逆に信号が少ない地域がメインなら、自然吸気エンジンがいいかも。
峠をガンガン走るクルマでもないですし、グランドツーリングを楽しむクルマでもありません。ですが「普段乗りのクルマは、コレで十分じゃないか」と思ってしまうほど、大きな不満を抱かせないところがN-BOXの魅力。「不満がないことが不満」なくらいです。この取材と前後して、N-BOXが6台も買える価格のクルマをいくつか試乗したのですが、それらのステアリングを握りながら「確かにイイけれど、使い勝手を考えたらN-BOXかな」と思ってしまったことを正直に告白します。
なるほど、売れる理由は「コレで十分」と思わせる完成度であり、それがクチコミや「みんなが乗っているから、N-BOXにすれば間違いない」という安心感や支持を受けているのでしょう。
この連載の記事
-
第491回
自動車
ボルボの電動SUV「EX30」は価格と性能のバランス良し! 乗って実感したオススメポイント5つ -
第489回
自動車
サーキット向けのアルピーヌ「A110S」はフランスらしいデザインと上質さで街乗りも楽しい -
第489回
自動車
アストンマーティン「DB12」はラグジュアリーと最高性能を両立させて究めた1台 -
第487回
自動車
Hondaのセダン「アコード」はすべてが適度でちょうどいい! 5つの魅力を紐解く -
第486回
自動車
これぞ王道! これぞ本流! BMWの魅力を凝縮したSUV「X5」は最高の1台と断言する -
第485回
自動車
1000万円対決! ポルシェ「マカンT」とアウディ「SQ5」似て非なる2台をあらた唯と徹底比較 -
第484回
自動車
日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞のHonda「FREED」の魅力と買いのグレードはコレだ! -
第483回
自動車
【ミニバン売れ筋対決】ホンダ「フリード」とトヨタ「シエンタ」の良いところと微妙なところ -
第482回
自動車
これがBMWの未来! フラッグシップEVの「iX」は乗り心地良すぎで動くファーストクラス -
第481回
自動車
アルファ・ロメオのハイブリッドSUV「トナーレ」はキビキビ走って良い意味で「らしく」ない -
第480回
自動車
独特なデザインが目立つルノーのクーペSUV「アルカナ E-TECH エンジニアード」はアイドルも納得の走り - この連載の一覧へ