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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第335回

「2022年に日本で一番売れたクルマ」HondaのN-BOXに乗ってわかったその理由

2023年05月27日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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自然吸気エンジンなのでトルクフル
背の高さのわりにフラつかないのもGood

 まず思うのが、意外にも静かということ。相応にエンジンやらエキゾーストの音は聴こえるのですが、それが低く力強さを感じますから、踏み込んでも耳障りな感じを受けづらいのです。

 自然吸気エンジンなのにトルクフルであることも美質。もちろん相応に踏む必要があって、発進時は5000回転まで上がりますし、そのくらいは踏まないと、街乗りだと流れに乗らないところはあります。ですが、「いかんともしがたい」ほどではありません。

 ビックリしたのは、安定感の高さと乗り心地のよさ。「重心が高くてフラフラしそう」と思っていたのですが、全然そのようなことはなく。意外と重心は低く、細かな振動は綺麗に吸収する足とコンパクトさと相まって、実に運転しやすいのです。

 さらに驚いたのは高速道路。法定速度域なら全然余裕ですし、車線・車間監視の運転支援がついているのでラク! しかも静か。視界の広さ、足の良さ、運転姿勢の良さもあって、疲れが少ないのです。軽ハイトワゴンは街乗りのクルマと勝手に思っていたので、これは意外でした。

 高速道路8割、市街地2割の走行でリッター19kmという燃費の良さ。最近のハイブリッドユニットを搭載するコンパクトカーには劣りますが、この数字は立派でしょう。ただ、都心部などストップ&ゴーを繰り返す場所では燃費は悪くなる傾向にあります。その場合はターボモデルを検討した方がいいかもしれません。逆に信号が少ない地域がメインなら、自然吸気エンジンがいいかも。

 峠をガンガン走るクルマでもないですし、グランドツーリングを楽しむクルマでもありません。ですが「普段乗りのクルマは、コレで十分じゃないか」と思ってしまうほど、大きな不満を抱かせないところがN-BOXの魅力。「不満がないことが不満」なくらいです。この取材と前後して、N-BOXが6台も買える価格のクルマをいくつか試乗したのですが、それらのステアリングを握りながら「確かにイイけれど、使い勝手を考えたらN-BOXかな」と思ってしまったことを正直に告白します。

 なるほど、売れる理由は「コレで十分」と思わせる完成度であり、それがクチコミや「みんなが乗っているから、N-BOXにすれば間違いない」という安心感や支持を受けているのでしょう。

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