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このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第411回

最強Snapdragonに2億画素カメラ、最高峰性能の「Galaxy S23 Ultra」の実力を探る

2023年05月13日 12時00分更新

文● 佐野正弘 編集●ASCII

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カメラはより暗所に強くなった

 続いてカメラについて確認しよう。カメラはGalaxy S22 Ultra同様4眼構成だが、メインで使用する広角カメラが2億画素/F1.7にパワーアップしているのが最大のポイントとなっている。

カメラはGalaxy S22 Ultraと同様の4眼構成。だが広角カメラは画素数が2億と、倍に進化している

 もちろん2億画素をフルに活用して撮影することも可能で、容量は非常に大きくなるが、写真の一部を切り取っても高精細な表現を実現できる。インターフェース面でも高精細な画素での撮影をより手軽に利用できるよう、特別な機能と位置付けるのではなく、5000万画素、2億画素での撮影を画面上部のインターフェースから簡単に切り替えられるようになっているのは便利だ。

高画素での撮影の切り替えは画面上部、横にした状態で左側のメニューから切り替え可能。2億画素だけでなく5000万画素での撮影も可能だ

2億画素で撮影した写真。元の画像はおよそ70MBにのぼるため、1980×1080ドットにリサイズしてある

上の画像から一部を切り取ったところ。通常の写真として十分通用する精細さだ

 さらにGalaxy S23 Ultraは、AIによる画像処理を強化しており、一連の機能を組み合わせて暗い場所での撮影を大幅に強化している。Galaxyシリーズのハイエンドモデルはこれまでも暗い場所での撮影に力を入れてきたが、Galaxy S23 Ultraは2億画素という一層高精細な画素を組み合わせることなどにより、より暗い場所での撮影に強くなっているようだ。

暗い場所で夜景モードを使わずに撮影。さすがにノイズが入る場所もあるが、被写体はくっきり映し出せている

夜景モードを使って撮影すれば昼間とそん色ないレベルで映し出せる

 その実力は静止画だけでなく動画でも発揮されており、写真撮影時に夜景モードが必要になるようなシーンで動画を撮影してもかなり明るく映し出してくれる。動画撮影時は暗いシーンが苦手な機種も多いが、Galaxy S23 Ultraなら安心感がある。

Galaxy S23 Ultraで撮影した動画を再生しているところ。暗いシーンでもかなり明るく映し出せる

 また、2億画素のカメラ以外にも1200万画素/F2.2の超広角カメラ、そして1000万画素/F2.4の3倍ズーム、1000万画素/F4.9の10倍ズームカメラの、3つのカメラを搭載。一連のカメラを組み合わせることにより、Galaxy S22 Ultraと同様0.6倍から最大100倍までのデジタルズーム撮影が可能となっている。

 100倍ズームとなればさすがに画質は粗くなるが、それでもAI技術の活用などによって、以前と比べ画質は改善されている。100倍ものズームをする機会は多くないだろうが、10倍以上のズーム撮影でも綺麗に写せるメリットは大きい。

超広角カメラで撮影した写真

広角カメラで撮影した写真

3倍ズームで撮影した写真

10倍ズームで撮影した写真

100倍ズームで撮影。さすがに粗さが目立つが、被写体によってはスマートフォンの画面で見る限り悪くない見栄えの場合もある

 最後にモバイル通信関連にも触れておくと、Galaxy S23 Ultraは物理SIMとeSIMのデュアルSIM構成で、ドコモとauから販売されていることから4Gはバンド18やバンド19(800MHz帯)、バンド28(700MHz帯)といった各社のプラチナバンドに対応するが、それに加えてソフトバンクのプラチナバンドであるバンド8(900MHz帯)や、楽天モバイルが使用しているバンド3(1.7GHz帯)にも対応。デュアルSIM運用でソフトバンク回線を利用する際も安心感があるだろう。

 また、5Gに関してもドコモから販売されるだけあってバンドn77/n78(3.7GHz帯)とバンドn79(4.5GHz帯)に対応するほか、ミリ波のn257(28GHz帯)にも対応。ほかにも4Gから転用した周波数帯のいくつかにも対応しており、国内で使用する周波数帯はほぼカバーしている。キャリアアプリは好みが分かれるかもしれないが、SIMフリースマホのように使えるようになった(今はキャリアモデルもSIMロックはないが)。

SIMスロットは1つだが、eSIM搭載なのでデュアルSIMでの運用が可能。対応バンドの幅も広いので「副回線サービス」などバックアップ回線の利用もしやすい

【まとめ】性能はAndroid最高峰だが値段も最高峰に

 一連の内容を振り返ると、Galaxy S23 UltraはハイエンドのAndroidスマートフォンとして最強クラスの機能・性能を持つことは間違いない。2億画素プラス4眼の強力なカメラシステムに加え、Galaxyシリーズ専用のカスタマイズを施したチップセットの搭載による、高いゲーミング性能も現時点では申し分ない内容であるし、Sペンの利便性もしっかり継承されている。

 ただその分、本体サイズが大きいのを許容しなければならないだけでなく、値段の高さというハードルを乗り越えなければならないのが大きなデメリットだ。一括価格を見るとドコモ、auともに256GBモデルでも20万円をかろうじて切るという価格であるし、auから販売される1TBモデルに至っては25万円を超えており、2022年に発売された同じサムスン電子の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold4」より高い。

 もちろん携帯各社の値引き施策や端末購入プログラムを使ってもう少し安く利用することは可能だが、円安が影響して値段がかなり高くなってしまったのは痛い。値段を問わず最高峰の機能・性能が欲しい人ならぜひ購入すべきだが、そうでない人にはスタンダードモデルの「Galaxy S23」など、もう少し安価なモデルで十分と言える。

  Galaxy S23(参考) Galaxy S23 Ultra
メーカー サムスン電子
ディスプレー 6.1型有機EL 6.8型有機EL
画面解像度 FHD+ QHD+
サイズ 約71×146×7.6mm 約78×163×8.9mm
重量 約168g 約234g
CPU Snapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform for Galaxy
メモリー 8GB 12GB
ストレージ 256GB 256/512GB/1TB(auのみ)
カメラ アウト:約5000万画素(標準)
+約1200万画素(超広角)
+約1000万画素(光学3倍)
/イン:約1200万画素
アウト:約2億画素(標準)
+約1200万画素(超広角)
+約1000万画素(光学3倍)
+約1000万画素(光学10倍)
/イン:約1200万画素
バッテリー容量 3900mAh 5000mAh
生体認証 ○(指紋)
USB端子 Type-C
カラバリ ラベンダー、クリーム、ファントムブラック グリーン、クリーム、ファントムブラック

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