日本企業がMAやSFA/CRMを使いこなせない理由とは?

ダッシュボード職人が語るデータ活用の3つの定石

大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

提供: CData Software Japan

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「データを取り出すのが大変」の課題に対してCData Syncができること

大谷:では、データ分析の新しい定石が構築できていない企業はなぜ多いのでしょうか?

中嶋:大きく3つの課題があります。その課題について新しい定石があると考えています。1つ目はそもそも「データを取り出すこと自体が大変」だからです。

実はメインフレームやクライアント/サーバーのシステムの時代は、データ自体がそれほどとれませんでした。その後クライアント/サーバーシステムの時代をはさんで、2010年代からはソフトウェアの提供形態がクラウドになり、契約体系がサブスクリプションになって、一般企業にツール導入が一気に進んだ結果、データが大量に収集できるようになったんです。

大谷:データ自体は以前より身近になったということですね。

中嶋:CRMやMAのコモディディ化が進み、エンジニアじゃなくても、項目を追加したり、施策を打ったりできるようになり、そのデータを個々の部署で分析したり、データに対するリテラシーも格段に向上したと思います。ただし、全体施策や経営レベルでのデータドリブンを行なう際にはこのような部分最適が時には弊害となってしまうことがあるんですよね。

技術的な話をしますと、MAツールのActivityデータの件数などは膨大で、APIリクエスト回数の制限やデータ量の課題で、通常のBIツールではデータを取得することすらできません。APIプログラミングでなんとか差分抽出ができるように組もうとすれば、もちろんリソースを使うことになります。

企業では1種類ではなく、複数のSaaS を導入していますから、これら複数のSaaS データ抽出で時間とリソースを使いすぎて、分析までたどり着かないケースが多い。せっかくハイレベルのツールをSaaSで入れたのに、データ活用はハイレベルな手作業になってしまうというのは皮肉です。

大谷:そこでCData Syncなんですね。

中嶋:はい。そこで定石としてCData Syncのように大量のデータを差分で分析環境にパイプラインできるツールが必要となります。データ抽出フェーズをツールにまかせることで、大きくデータ活用の手間とコストを減らすことができます。

CData Syncであれば、エンジニアを卒業した私でも、3クリックくらいでデータ連携できてしまいます。データソースを選び、つなぎ方を選び、ジョブを作成すればOK。敷居をものすごく下げられるのがわれわれのソリューションなんだと思います。開発工程がなくても、いろいろなSaaSからデータを簡単に集められるように、ようやくなったんです。

デモをやると、「えっ?そんな簡単でいいんですか?」とお客さまから言われますが、そんなに簡単だから価値があるんだと思います。ハンズオンセミナーのアンケートには「内容が簡単すぎた」と書かれたこともあるくらいです。

ダッシュボードはひな形として提供 課題を抽出し、仮説を検証

大谷:2つ目の課題はなんでしょうか?

中嶋:「データをどのように加工すれば、ダッシュボードが作れるのかがわからない」という課題です。

これに関しては、「ダッシュボードをひな形として提供する」という形で解決可能です。定石のアプリケーションを使うのであれば、MAとSFA/CRMの分析手法までセットにして、ダッシュボードを利用すればいいのです。とはいえ、CData Software単体では難しいので、インテグレーションパートナーとともにダッシュボード作成のノウハウを提供し、新しい定石を作ろうという取り組みを始めます。

MA、SFA/CRM、ダッシュボードまでをセット

ダッシュボードを作り続けてきた私の経験では、MAのActivityデータやCRMデータも基本はいっしょです。だから、テンプレートにデータをつなぎこむのは2週間くらいでできます。

「アトリビューション分析やりたいけどできるの?」というお客様はとても多いです。腹の中では「どうせ、できないよね……」と思っているはずです。実際、MAで作成した入力フォームにお客様が入力するタイミングで、GAの広告パラーメータを付与すれば、費用対効果の分析が可能になります。このデータが流し込まれたダッシュボードを見ると、「できたんですか?どうやってやるんですか? ロジックを教えてください!」って必ず言われます。狂喜乱舞ではないですが、担当者は、俄然やる気になりますよ。

大谷:定石というだけあって、基本はどこでも使えるのですか?

中嶋:はい。定石のダッシュボードは、変化するデータを捉えて、ボトルネックはどこにあって、次にどんなアクションを取ればいいかを教えてくれるものでなければなりません。こうすることで、時間をかけずに売上を伸ばす仕組みが作れると思っています。

前職から今に至るまでで、最小公倍数的にどこでも使える経営、営業、マーケのダッシュボードを作りました。見ている数値はどこもあまり変わりません。予実、昨対はどこでも欲しいと言われるし、四半期単位での売上、既存と新規の売上も見たいですよね。その上で、今期の予算、見込み、確定数値、感度などが知りたいという話になります。正直、見たい値は決まっているんです。

大谷:なるほど。だから、どの会社でも汎用的に使えるんですね。

中嶋:その上でオススメしているのは、リードモニタリングという先行指標です。いつリードが入り、いつ商談化し、いつ受注に至るかを2年間とり続けると、先行指標も見えてきます。先行指標を見たら、この期間を短くするために、どこに投資すべきか、どこの詰まりを解消するかを検証すればいいんです。動いている数字をモニタリングして、マーケから営業にトスアップすればいいんです。

実際にこのダッシュボードを見てもらうと、どこの会社に行っても共感は得られるので、あとはやるかやらないかだけです。

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