このページの本文へ

コストの予測性を維持しながら高いコストパフォーマンスを実現

Google Cloud、新価格体系「BigQuery Editions」などデータクラウド関連発表

2023年03月31日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 Google Cloudが、2023年3月30日午前1時(日本時間)からグローバルカンファレンス「Google Data Cloud & AI Summit」をオンライン開催した。同日午後、グーグル・クラウド・ジャパンがその内容をもとに、データソリューション関連の新発表に関する記者説明会を開催した。

グーグル・クラウド・ジャパン ソリューション&テクノロジー部門 技術部長(DB, Analytics & ML)の寳野雄太氏

BigQueryの新価格体系「BigQuery Editions」が登場、コスト効率を高める

 Google Data Cloud & AI Summitは、データの利活用をテーマに、データベース、データアナリティクス、ビジネスインテリジェンス、AI技術に関するGoogle Cloudの最新ソリューションや専門的知見を紹介するグローバルカンファレンス。基調講演のほか、14のブレイクアウトセッションやデモストレーションが行われた。

 グーグル・クラウド・ジャパン ソリューション&テクノロジー部門 技術部長(DB, Analytics & ML)の寳野雄太氏は、今回のイベントでは「データアナリティクスの領域で『柔軟性』『プライバシーセーフなデータ共有』『ビジネス価値の加速』という3点から、新たな発表が行われた」と総括した。

 まず「柔軟性」においては、BigQueryの新しい価格体系となる「BigQuery Editions」を発表している。寶野氏は「より低コストでデータクラウドのコンセプトを実現してもらうための価格体系。さまざまなワークロードに応じた機能やSLA、コストに最適な価格で提供することができる」と説明した。

 BigQuery Editionsでは、Standard Edition、Enterprise Edition、Enterprise Plusという3種類の価格体系が用意されており、ワークロードごとに最適な価格とパフォーマンスを提供できるという。1年間または3年間の利用確約により大幅な割引が得られるほか、同一の組織内で異なるEditionを混在させることも可能だ。

「BigQuery Editions」の概要

 「Autoscaling(オートスケーリング)」と「Compressed Storage(圧縮ストレージ)」という2つの新機能により、コストを制御しながら利用することも可能になっている。

 Autoscalingは、コストの予測性を高め、予算を超えない範囲で柔軟にBigQueryを活用したいという要望に対応した機能。クエリ要求に応じてコンピュートキャパシティをダイナミックに調整し、利用しなかったキャパシティについては支払いがないため、コストパフォーマンスを最大40%向上させる。その一方で、支払うコストの上限設定に応じて最大スロットが用意されるため、コストの予測も立てやすい。

BigQuery Editionsの「Autoscaling」概要

 Compressed Storageは、ストレージサービスにおいて、論理サイズによる課金ではなく、BigQueryの圧縮テクノロジーを活用した圧縮後の物理サイズによる課金へ移行するもの。現在はあらゆるタイプのデータ(構造化、非構造化、半構造化)が増加しているが、より低コストでそうした環境をサポートする。

 「これは、10年以上に渡って進化してきたBigQueryの圧縮テクノロジーで実現するもの。Compressed Storageを適用したExabeamでは12分の1の圧縮レートを実現し、コスト低減に大きなインパクトをもたらす。99%の顧客が(Compressed Storageによる)圧縮サイズの課金を選んだほうが得になる」(寶野氏)

BigQuery Editionsの「Compressed Storage」概要

プライバシーを保護しながら柔軟にデータ共有できる「Data Clean Room」

 2つめの「プライバシーセーフなデータ共有」では、新機能「BigQuery Data Clean Room」について紹介した。これは、プライバシーを保護しながら他社とのデータ共有などができる環境を提供するもの。生データの共有/持ち出し防止だけでなく、クエリ結果や集約した結果のみを提供するといった処理が可能だ。

 「Data Clean Roomを使うことで、たとえばプライバシー保護を行いながらマーケティングキャンペーンデータをファーストパーティデータと統合し、洞察を得るといったことができるようになった」(寶野氏)

「BigQuery Data Clean Room」の概要

 3つめの「ビジネス価値の加速」では、「Looker Modeler」が発表された。

 「いままでのLookerはBIツールととらえられていたが、Google Cloudでは『データを活用するアプリケーションのためのフレームワーク』と位置づけている。Lokker Modelerによって、LookerのセマンティックモデルをLooker StudioやConnectde Sheetsだけでなく、TableauやPower BIといった他社製品で利用し、異なるデータソースをブレンドした分析から洞察を生み出すことができる。セキュリティやデータガバナンスを利かすこともできる」(寶野氏)

「Looker Modeler」の概要

 さらに、BigQuery上でML(機械学習)による予測を可能にする「BigQuery Inference Engine」も発表されている。寶野氏は、SQLだけで機械学習モデルを作成できる「BigQuery ML」が高い人気を博しているとしたうえで、BigQuery Inference EngineはこのBigQuery MLなどでトレーニングしたモデルを使い、BigQuery上で推論処理ができると説明した。

「BigQuery Inference Engine」の概要

 なおトランザクショナルデータベース関連では、PostgreSQL互換の高速データベース「Alloy DB」がGA(一般提供開始)になったこともあらためて紹介された。

 

「AlloyDBは99.99%の可用性を持ち、PostgreSQLよりもトランザクショナルワークロードのスループットが4倍高速。さらに、100倍以上高速な分析クエリにより、リアルタイムなビジネス洞察を可能にする」(寶野氏)

 このAlloyDBをコンテナ化して柔軟に配置できるようにした「AlloyDB Omni」もプレビュー版として発表された。

 「AlloyDBの革新的なテクノロジーを様々な場所で利用したいというニーズに対応したもの。開発者は、まず自分のラップトップ上でAlloyDBを検証することができ、オンプレミスのアプリケーションの統合を検証したいといった場合にも簡単に活用できる」(寶野氏)

■関連サイト

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    デジタル

    平均年齢60歳の現場を変えたZ世代女子 kintoneで電話・紙・入力をなくしたら、仕事が楽しくなった

  2. 2位

    sponsored

    「Copilot エージェント」の作成は簡単! 業務用途に合わせてカスタマイズして使おう

  3. 3位

    ITトピック

    北米での成長率がすごすぎる NinjaOneとはいったい何者だ?

  4. 4位

    ビジネス・開発

    脱・巨大プルリクエスト GitHub公式の「スタック型プルリクエスト」が登場

  5. 5位

    sponsored

    無線APにデザインは不要ですか? ブラックスケルトンモデルは今どきのオフィスにめちゃなじむんです

  6. 6位

    ビジネス・開発

    情シスは「フィジカルAI」にどう向き合うべきか 実用化に不可欠な“現場×AI×経営”の橋渡し役に

  7. 7位

    Team Leaders

    Power AutomateでSharePointリストにある申請データ一覧をメール送信する方法

  8. 8位

    ビジネス・開発

    「Gemini Enterprise」に大規模導入の波 ― SOMPO・NTTデータ・Skyが描く“エージェント企業”への進化

  9. 9位

    ITトピック

    年収1500万円以上の半数が「AI時代でキャリアの見直し」今後の戦略は?/カスハラ対策義務化まで2ヶ月、対策の遅れと被害の実態、ほか

  10. 10位

    ITトピック

    情シス人材不足でも「採用予定なし」中小企業の意見/“従業員発のSNS炎上”6割の企業が懸念/「SNS疲れ」利用を減らす効果的方法、ほか

集計期間:
2026年08月08日~2026年08月14日
  • 角川アスキー総合研究所