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『Dead Space』リメイク版に秘められた"3つの狂気"

2023年02月10日 21時00分更新

文● イチえもん 編集●ASCII

リメイク版Dead Spaceに秘められた"3つの狂気"とは

 リメイク版には、"3つの狂気"が秘められている。それらは本作の凄みとなる要素であり、オリジナル版を超えたと感じた理由でもある。ここからは3つの狂気について掘り下げていきたい。

 最初の狂気は、"グロテスク"だ。プレイヤーを執拗に狙うネクロモーフは、四肢を切断しないと倒せない仕様になっている。頭を粉砕としてもプレイヤーめがけて走ってくるため、本作を初めてプレイする人は驚くだろう。ヘッドショットで乗り切れるゲームが多い中、本作はその例外と言っても過言ではない。

ネクロモーフは手足を切断することで倒せる。「頭を撃てばいいんでしょ?」と思っている人は、あとで後悔することになるだろう

倒したネクロモーフを踏むとアイテムが落ちる

 リメイク版のグロテスク表現は、オリジナル版よりもかなり生々しくなっているように感じた。敵の挙動もそうだが、手足を切断した時に肉がちぎれたり、骨が折れたりといったグロテスク表現が緻密かつリアルに仕上がっていた。生身のクリーチャーが実在しているかのような錯覚を覚えたほどだ。

 グロテスク表現が苦手な人は避けた方が良いが、スプラッターホラー映画やCERO:Z指定のサバイバルホラーゲームが好きな人の心には刺さるかもしれない。

モザイクを入れなきゃいけないほどのグロさ。気になる人は本編をプレイしてほしい

 もうひとつの狂気は、"ライティング(照明)"だ。ホラー作品は雰囲気づくりが重要で、「怖い色」をうまく描写できるかどうかで作品の印象が変わる。リメイク版をプレイして最初に衝撃を受けたのは、オリジナル版よりも闇の色が濃い、つまり暗いことだった。

 オリジナル版は比較的明るめだったのに対し、リメイク版はライトなしで移動できないほどに暗かった。闇、闇、闇だ。もちろん闇一色というわけではないものの、全体的に暗めのトーンなので不安な気分になってしまう。

 ネクロモーフはどこから出てくるのかわからない。それだけでも十分怖いのだが、闇の中から突然姿を見せたら怖さがより倍増する。何度悲鳴をあげたことだろうか……。オリジナル版よりも怖い雰囲気が増しているため、Dead Spaceの怖さを思い知ることとなった。

オリジナル版よりも照明が暗い。闇の中からネクロモーフが突然現れることも……ゾゾゾ

完全に暗いわけではないが、不安を煽るようなライティングが印象に残る

 最後は、"恐怖演出"だ。Dead Spaceの怖さは敵の出現パターンにある。通気口のファンを突き破って登場したり、通路を歩いてたら突然姿を見せたりと、いつどこから敵が来るのかわからない。ライティングの進化も相まって、オリジナル版以上の恐怖体験が味わえるようになった。

 しかも敵に遭遇したら「バーン!」という大音量のSEが流れるため、反射的にビビってしまう(むしろ反則)。アメリカのホラー映画を観ているような気分だ。オリジナル版にもあったジャンプスケア(びっくり演出)は健在で、それがいつ発生するのかわからないのも怖い。

 また、プレイヤーの恐怖を掻き立てるサウンドもポイントだ。環境音や敵がダクト内を這いまわる音、敵の鳴き声などが全方位で鳴り響くため、あたかもその場にいるような感覚を抱いてしまう。お化け屋敷やホラー系のリアル脱出ゲームを体験しているような気分になる。3Dオーディオに対応したヘッドセットでプレイすれば、アイザックの苦労を疑似体験できるはずだ。

暗闇の中、いつどこから来るかわからない敵に怯えながら探索する。お化け屋敷に足を踏み入れてしまったような気分だ

これぞ"神リメイク"!
リメイクの域を超えた最高傑作が誕生

 リメイク版Dead Spaceの登場人物とストーリーはオリジナルとほぼ同じだが、グラフィックとライティング、サウンド、恐怖演出などは想像以上の出来で驚いた。はっきり言ってオリジナル版よりも怖く、そして面白い。15年前のオリジナル版からここまで進化するとは思いもよらなかった。

 第1作は過去にプレイ済みとはいえ、初めて新作に触れるような感覚だ。単なるリメイクではなく、"神リメイク"だった。

【ゲーム情報】

タイトル:Dead Space
ジャンル:SFサバイバルホラー
開発:Motive Studio
販売:エレクトロニック・アーツ
プラットフォーム:PC(EA app/Steam/Epic Game Store)
配信日:配信中(2023年1月28日)
価格:
 通常版:8700円
 Deluxe版:9700円

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