「頭脳」はよりスマートに。音響面では細かな仕様変更も
新しいHomePodはアップルが独自に設計するシステムチップのS7と、iOSと連携するHomePod独自のソフトウェアにより制御されます。本体には360度へ自然に音を広げる5基のビームフォーミングトゥイーターによるアレイ、および低域用の4インチウーファーを内蔵しています。
それぞれカスタムメイドのユニットによるシステム構成は新旧世代機で変わっていませんが、トゥイーターの数は7基から5基に変わりました。音のリスニング感は後ほど報告します。
なお、Siri用のマイクも6基から4基に変更されています。その数は減っていますが、音声操作に対する感度は変わらないように感じます。マイクのレイアウト、コンポーネントの性能など新世代のHomePodに設計を最適化したのだと考えられます。
無線通信機能はWi-Fi対応。前機種はIEEE 802.11ac対応でしたが、第2世代機ではIEEE 802.11nに止めています。新しいHomePodは、無線メッシュネットワークに対応する低電力消費が特徴のIoT無線通信規格「Thread」をサポートしていることから、Wi-FiとThreadの両方のインターフェースにより、屋内の電波が届きにくい場所にHomePodを置いた場合も高い接続性能を確保するのだと思います。
スマートホームの新規格「Matter」に対応
第2世代のHomePodは、スマートホームの新しい標準規格として2022年から本格始動した「Matter(マター)」にも対応します。アップルのMatter対応製品は、第3世代のApple TV 4K以来です。同じMatterに対応するスマートホームデバイスとはWi-Fi、またはThreadによってつながります。
現在、HomePodではアップル独自のスマートホーム向けプラットフォームである「HomeKit」に対応するデバイスが、Siriを介して操作できます。Matterに対応する製品やサービスの設定や操作は、アップルデバイスと「ホーム」アプリによってHomeKit対応デバイスと同じようにシンプルに扱えそうです。対応製品が出揃ってきたころに、また実機を試したいと思います。
HomePodには、温湿度センサーも新しく内蔵されました。HomePodが設置した場所の温度・湿度を自動計測し、Matterに対応する家電に情報を伝達、室内のコンディションを整えるといった「音声操作も不要」なスマートホーム連携の幅が広がりそうです。今春以降のソフトウェアアップデートにより、HomePodの内蔵マイクが火災報知器のアラームを聞き取り、ユーザーのデバイスに通知を知らせる「サウンド認識」の機能も加わる予定です。