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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第67回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 1月21日~1月27日

ソフトウェア値上げへの対処法、テレワーク実施率は16.8%、格安SIMの満足度調査、ほか

2023年01月30日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年1月21日~1月27日)は、ソフトウェア値上げ対策への助言、脆弱性を含むソフトウェアの比率、最新のテレワーク実施率と景況感、データプライバシー意識、格安SIMの満足度についてのデータを紹介します。

■[IT投資]相次ぐソフトウェア/クラウドサービスの値上げにどう対抗する? Gartnerがアドバイス(ガートナージャパン、1月26日)
・国内ソフトウェア/クラウドサービスの65%を海外ベンダーが占める>
・値上げのリスクへの対応の4大原則は「回避、軽減、移転、受容」>
・2023年の契約については「前倒しで交渉、現価格適用継続を試みる」と助言

 ソフトウェア、クラウドサービスが値上げの傾向にあるが、それに対する対応策としてのアドバイス。値上げは主として外資系ベンダーに多いが、国内ソフトウェア/クラウドサービス上の65%が海外ベンダーだという。契約更新や契約追加で20%以上の値上げを通達されるケースもあるとのこと。2023年締結の契約については、「現価格での契約を前倒しで交渉して現価格適用継続を試みる」(回避策)、「不要な機能/サポートや余剰ライセンスの排除による無駄がいの軽減」(軽減策)などを推奨している。

値上げリスクに対する4種類の対応(出典:Gartner)

■[セキュリティ]ソフトウェアの95%に何らかの脆弱性、前年から2%減(シノプシス、1月25日)
・95%のソフトウェアに何らかの脆弱性
・高リスクな脆弱性を含むソフトウェアは20%、そのうち緊急リスクは5.6%
・アプリケーションとサーバーの設定ミスが18%を占める

 約2700件のソフトウェアを対象に、4300回を超えるセキュリティテストを実施した結果をまとめた「ソフトウェア脆弱性スナップショット - Webアプリケーションによく見られる10の脆弱性」より。調査対象の95%のソフトウェアより何らかの脆弱性が検出されたが、この比率は前年より2%減少という。高リスクの脆弱性を含むソフトウェアは20%、これも前年から10%減少したという。緊急リスクの脆弱性が潜在していた比率は4.5%、やはり前年の調査から1.5%減少した。

■[働き方]テレワーク実施率は16%で過去最低レベル、景況感は「悪い」が75%(公益財団法人 日本生産性本部、1月27日)
・テレワーク実施率は16%、2022年10月から微減し過去最低レベルへ
・景況感は「悪い」が75%
・勤務先の業績に「不安」は50%に、62%が収入への不安を抱える

 新型コロナの流行以来、四半期毎に働く雇用者を対象に意識を尋ねたアンケート調査の最新版。調査期間は1月10~11日で、1100人が参加した。テレワーク実施率の16.8%は調査開始以来最低だった2022年7月調査の16.2%に次ぐ低いレベルとなった。景況感は、前回調査は36.2%だった「悪い」が、今回は39.1%に。勤務先の業績への不安は50.8%と過半数越え、過去最小だった前回から一転した。自身の収入については「不安」が62.3%で、前回10月調査から微増した。

現在の景況感と今後の景気見通し(出典:日本生産性本部

勤務先の業績への不安と雇用への不安(出典:日本生産性本部

■[プライバシー]日本人の40%がアプリやSNSのデータ保護方法を知らない――世界平均は22%(OpenText、1月27日)
・企業や第三者の個人情報の管理能力を「完全に信頼」は13%、世界最低
・40%が個人情報の保護を徹底する企業のサービスに「より高い対価を支払って良い」
・SNSなどのプライバシー設定方法を「知らない」は40%

 1月28日の「Data Privacy Day」に合わせて発表した2022年版「データ管理およびプライバシーに関する実態調査」より。日本を含む12カ国で2022年3月に実施した。日本では2000人が回答。企業や第三者の個人情報の管理能力を「完全に信頼している」と回答した日本人は13.5%、調査対象国の平均(25.8%)を大きく下回り最低となった。ハイブリッドワークでは、実施する企業の個人情報管理を「心配」と回答した比率は76.8%(調査平均は81.8%)だった。アプリやSNSで自分のデータを安全に保護する方法を「知らない」は40.5%、調査平均の22.5%を大きく上回った。

ハイブリッドワーク実施企業の個人情報管理に懸念する人は全世界で70%を超えている(出典:OpenText)

アプリ、メールアカウント、SNSで自分のデータを安全に保護する方法を「知らない」という回答は日本が最多(出典:OpenText)

■[モバイル]格安SIMの満足度は「普通」が39%、選定や評価の中心は価格(DIGITALIO、1月24日)
・毎月のスマホ料金は3001円~5000円が最多(20%)
・毎月の使用データ通信量は0~1GBが最多で24%
・格安SIMの満足度は「普通」(39%)「満足」(32%)など

 ECナビ会員を対象とした調査で、約8500件の回答を得た。男女比は6割強が男性、女性は4割弱。年代別では50代が最も多かった。格安SIMについては「月額料金の安さ」(56.31%)が選定のポイントとして最も多く挙がった。良かったポイントは「月額料金が下がった」(34.37%)、悪かったポイントは「月額料金があまり安くならなかった」(18.52%)と、料金が重要であることがうかがえた。格安SIMの通信品質やスピードについても「普通」が47.71%で最多、「満足」「大変満足」と合わせると77.26%が不満を持っていない結果となった。

1ヶ月のスマホ料金、3001~5000円が最も多く20.04%、1万円以上は11.68%(出典:DIGITALIO)

格安SIMに移行する前に利用していたキャリアはドコモ28%、au19%、ソフトバンク17%だった(出典:DIGITALIO)

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