昨年11月に連載695回で取り上げたSapphire Rapidsだが、米国時間の1月10日に発表会が開催された。日本でも1月11日にインテルジャパンによる説明会が開催されている。
米国での発表会の模様は先のリンクから再生可能だが、概要そのものは先のインテルジャパンのレポートにほぼまとまっているので、補足情報とこれまでの解説の中で判明していなかった、というか間違っていた話の訂正をお届けしたい。
トータル52SKUが発表
さらにW-2400/3400シリーズも
まずSKU一覧が下の画像だが、さすがに小さすぎて読みづらいかと思われる。
Intel Arkでは、Gen 4 Xeon Scalableが47製品、Xeon MAXが5製品としてラインナップされているので、Intel Arkを見ていただいたほうがわかりやすいかもしれない。
このうちXeon MAXはHBM2eを4つ搭載したモデルであり、HBM2eを搭載しないモデルはすべてGen 4 Xeon Scalableとして扱われる。連載695回ではMAXのSKUが不明としたが、ちゃんと5つもSKUがあった格好だ。
ところでこのGen 4 Xeon Scalableはさらに2種類に分類される。下の画像はその詳細だ。

これは大河原氏のレポートと同じものである
Sapphire RapidsはMCC(Middle Core Count)、XCC(eXtra Core Count)とHBM(eXtra Core Count+HBM2e)の3種類のダイがある。これまでXeon ScalableにあったLCC(Low Core Count)は、Sapphire Rapidsには用意されない。で、Xeon MAXは全製品ともHBMになっている。
一方でGen 4 Xeon Scalableの方は、基本的にXeon Gold/Silver/BronzeはMCC、PlatinumがXCCを使う格好になる。基本的にというのは例外があるからで、Xeon Gold 6430やXeon Gold 6414U、Xeon Gold 6454SはXeon GoldにもかかわらずXCCを利用する。
もう1つの目安はコア数で、32コアで以下のものはMCC、これを超えるのがXCCという扱いであるが、Socket Scalable向けの、例えばXeon Platinum 8444Hは16コア構成にもかかわらずダイはXCCなので、こちらも目安にしかならない。ちなみにXCCを使うのが20SKU、MCCを使うのが27SKU、HBMを使うのが5SKUとなる。
これに加え、2月15日にはXeon W-2400シリーズおよびXeon W-3400シリーズが追加されることも明らかにされた。
こちらはW3/W5/W7という新しいラインナップになることが予告されている。Sandy Bridge-EP時代のXeon E3/E5/E7を彷彿させるが、まだ詳細は不明だ。とりあえずジサトライッペイ氏は大至急予算を確保する必要がありそうだ。

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