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中小企業のIT化を支援してきた老舗が描く3つの観点

ユーザックシステム小ノ島社長が語るパッケージシフト、パートナー戦略、そしてDX

2023年01月10日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

提供: ユーザックシステム

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「出荷データを分析したい」というお客さまの声が出るように

大谷:既存のパッケージソフトも進化を続けていくのでしょうか?

小ノ島:製品としては、Autoジョブ名人のようなRPAとEOS名人のようなEDIがメインなのですが、最近は運送会社向けの送り状を発行できる「送り状名人」の問い合わせの数が増えています。

送り状名人を使うことで、運送会社ごとにやっていた送り状発行を統合できますし、基幹システムともつなげられます。確かに便利です。ただ、機能的にはシンプルなので、なぜ今になって問い合わせが増えたのか、ニーズの背景を探っています。

大谷:人手不足やEC市場の拡大が背景にあるのでしょうかね。

小ノ島:「物流DX」というトレンドなのかもしれませんが、今まで人手でなんとかカバーできていた出荷業務が、そろそろ限界に達しているのかもしれません。こういったトレンドもあるので、送り状名人は機能強化を予定しています。今まではスタンドアロン型で動いていたのですが、クライアント・サーバー型でデータベースを共用できる形式にバージョンアップしていきます。

あと、最近は出荷データの分析をしたいというリクエストが増えてきました。超大手をのぞくと、運賃にわりと無頓着という会社は多いのですが、物価上昇の影響もあって、コストをなるべく下げたいというニーズが出てきています。それに対して、せっかく送り状発行システムがあるんだから、そこからデータを集計して、部門や商品ごとにどれだけ運賃かかっているかを把握できないか?という相談を受けるようになりました。

大谷:ユーザーの方からそういった提案が持ち込まれてくるようになったということですね。では、どのように実現するのでしょうか?

小ノ島:これに関しては送り状名人とBIツールを連携させて、運賃の見える化ができないか検討しています。われわれ1社だけではなく、BIツールと組み合わせたサービスを企画しています。

伝票発行を効率化する弊社の「伝発名人」というソフトも、従来は紙への出力を前提に開発していたのですが、これからはPDFでの出力が普通になると思います。これも、伝票を転送するサービスというのが世の中にはいろいろあるので、こうしたサービスとの連携を進めていきたいと思います。

大谷:伝発名人にせよ、送り状名人にしろ、今までは特定業務で用いられることが前提のシステムだったけど、そこから生成されるデータがDXに向けてのガソリンになる可能性があるというわけですね。こうしたデータをうまく活用するためのパートナーとのアライアンスが、今後のユーザックシステムの事業展開の方向性になるかもしれませんね。

オンラインやテレワークを前提としたコミュニケーションの試行錯誤

大谷:最後にコロナ禍におけるコミュニケーションという点もお聞きしたいです。まずはユーザーコミュニティの進捗について教えてもらえますか?

小ノ島:はい。弊社は基本的にお客さまに担当SEが付きますので、技術的な質問にも対応できますが、もっと気軽に質問やアドバイスをできる環境を作りたいと思っていました。以前からお客さまを集めた「RPA研究会」というイベントを年に2回程度やってきましたが、やはりそのときに集まれる人でないとコミュニケーションできません。そこで作ったオンラインコミュニティが「名人+(プラス)」になります。

オンラインコミュニティ「名人+」

大谷:コミュニティの様子はどうですか?

小ノ島:この手のコミュニティは、ログインして数ヶ月で使わなくなるケースも多いのですが、名人+は一定数がきちんと活用してくれています。ユーザーからも「けっこう活発だね」と評価いただいています。

最近はそれに加えて、ユーザー専用の問い合わせボックスも作りました。やっぱり他のユーザーさんが見ているところで、自分たちの問い合わせが見えてしまうのはやりにくいという声もあったので、専用掲示板を作りました。

大谷:メールでの問い合わせと違うところはどこでしょうか?

小ノ島:メールの場合はやりとりが担当者同士になるのですが、専用ボックスだと担当が入れ替わっても、きちんとサポートのログが残ります。

その他、Webサイトにはセミナーや使い方の動画も数多く載せています。操作に迷ったり、新しい業務で使う場合には、こうしたライブラリを使えばスキルアップや自習に使えます。

大谷:ユーザックシステムの従業員向け施策についてもお話しいただけますか? コロナ禍で出社の意味やマネジメントのやり方、コミュニケーションなどずいぶん変わったと思うのですが……。

小ノ島:やはりテレワークでコミュニケーションがとりづらくなって、この1~2年で入社してきた新人たちの精神的なストレスは相当なものだと思います。上司だけではなく、同期とのコミュニケーション機会がなかなか持てません。

でも、テレワークが効率的な場面も多いので、なかなか全員出社というわけにも行かない。せめてお互い助け合い、感謝の気持ちを伝えようということで、オンラインでサンクスカードを送り合う取り組みを社内で始めました。感謝を送り合うことで、新しい人間関係も構築できるし、メッセージを見ることで、人となりや関心軸もわかる。この仕組みは開始してまだ半年ほどですが、当初の想定以上にみなさん使ってくれているので、少し拡げていきたいですね。

大谷:経営者として、コロナ渦でのビジネスのやり方に迷いもあるんでしょうか?

小ノ島:われわれのような経営やマネージャーの立場からしても、社員のみんながなにを考えているのか、部門でなにをやっているのか見えにくいです。ということで、イントラネットを用いた情報発信も始めました。ビジネスプロフィールを公開したり、部門ごとになにをやっているかも社員に向けて公開していこうと思います。

確かにテレワークを廃止して、全員出社に戻す会社もあります。でも、われわれはテレワーク前提でどうすべきか、デジタル化を駆使して、どうやってコミュニケーションをとっていくかを試行錯誤している感じです。

大谷:ありがとうございました。

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