「SDGs」が2022年企業リリースのキーワードトレンド PR TIMESがランキングを発表
株式会社PR TIMESは2022年12月12日、「PR TIMES」プレスリリースにおける2022年のキーワードランキングを発表した。約27万件のプレスリリースから206万以上のキーワードを分析し、企業発表において2021年よりも多く使用されたワードは、1位が「SDGs」、2位が「DX」となった。対象期間は2022年1月1日~2022年10月31日。
「SDGs」と「DX」に続いて、新型コロナウィルス感染症に関する政府の規制緩和に伴って「イベント」のキーワードが多数使用された。一方で、昨年まで多くの発表に登場していた「コロナ」は、「おうち時間」など関連キーワードとともに順位を大きく落とし、世相を反映するものとなった。また、昨年比で180倍使用された急上昇キーワードは「Web3」だった。
「SDGs」と「イベント」が急上昇。「メタバース」は昨年比23倍に
「イベント」はコロナ禍以前2019年までは総合ランキングでも1位を保つほど企業発表に使用されてきたキーワードだった。しかし、コロナ禍でイベント開催が困難な期間が続き、順位を落とした。オンラインイベントが定着化し、規制緩和によってリアルイベント開催が徐々に増え、3月にはイベント参加者の上限撤廃(感染防止安全計画の策定が必要)により、企業イベントの発表が再び増えた。規制が緩和された2022年夏は伝統的な祭りや各種イベントが3年ぶりに再開するニュースもあり、こうした状況を裏付けるように7月8月はランキング1位となったとしている。
PR TIMESキーワードランキング2022の総合1位となった「SDGs」は、1万1999件のプレスリリースで使用された。関連するキーワードも昨年比で順位を上げ、「サステナブル」が17位(昨年28位)、脱炭素が73位(昨年177位)と大きく上昇。業界別の全27カテゴリ内でも16カテゴリで10位以内にランクインするなど、業界や事業内容を問わず企業全体で注目されたキーワードとなった。[食品・飲料][インテリア・雑貨][アパレル・ファッション][外食・中食][ホテル・レジャー]など、直接生活者を対象とする業界カテゴリ内でも上位に入り、生活者の消費行動に「SDGs」の観点が影響を与えているとしている。
上昇キーワードは、「イベント」のほか「NFT」、「メタバース」も挙げられる。2021年1月~10月には836件だった「NFT」は、2022年1月~10月には2929件と約3.5倍に急伸し、総合31位となった。「メタバース」は、2021年には114件だったが、2022年には2620件と約23倍と大幅に上昇し、総合38位となった。
2023年の注目キーワードは「自販機」と「Web3」
2023年に注目されるキーワードとして、PR TIMESが挙げるのは「自販機」と「Web3」。「自販機」は昨年の49件から今年300件と6倍以上に増えた。コロナ禍で非接触を意識する生活者に対し、従来の定番である飲料以外にスイーツや食品、生活品などの「変わりダネ」を扱う「自販機」が全国に登場。うな重やトリュフなど「変わりダネ」食品から、ふるさと納税までも自販機で取り扱う旨のプレスリリースが発表されている。
「Web3」はブロックチェーン技術を活用した分散型インターネット。2021年10カ月で7件だったキーワード登録が、2022年は180倍超の1287件まで急増。108位まで順位を伸ばした。「Web3」を活用した次世代のWebサービスの誕生が期待される中で、大企業のWeb3新規事業参入や提携についてのプレスリリースが多数発表されたという。
また、複数のVC(ベンチャーキャピタル)から数十から百億円超規模の「Web3」に特化したファンドの組成がプレスリリース発表されるなど活発な動きがうかがえるという。2022年は1月には28件だったキーワード登録件数が、10月には226件と8倍超に伸び、10カ月累計で1287件のキーワード登録となり、今後も増加が予想されるとしている。