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「気球による宇宙遊覧旅行」を目指す岩谷技研、高度100メートルの有人飛行に成功

「気球による宇宙遊覧旅行」を目指す旅客技術開発スタートアップの株式会社岩谷技研は、2022年11月18日に北海道幕別町の大規模農園敷地内において、自社開発の気球を使った有人飛行試験を実施。目標高度100メートルを超える、高度102.3メートルまでの飛行に成功した。

 岩谷技研は2022年2月26日に福島県相馬市で初めて行った目標高度30メートルの有人係留飛行試験成功から、ほぼ毎月北海道内外の実験場で係留飛行訓練を繰り返してきた。9月12日には北海道余市町の「アップルポート余市」にて高度30メートルでの(非係留)自由飛行の試験に成功。十分な安全が担保されたことを確認し、今回の目標高度100メートルの試験へと至った。

 2月の有人飛行試験以来、のべ30人以上の所員が実験キャビンに搭乗し、飛行訓練と実証データの収集、蓄積を行っている。

 今回の100メートル自由飛行試験の目的は3点。
(1)対地高度100メートルへの到達:地上との接続のない自由な飛行で、自社製有人ガス気球を用い、安全に高度目標に達することができるかの検証。
(2)飛行能力の検証:予測値と実測値との検証。
(3)気球コントロールの検証:気球制御機構を評価。

 飛行試験では、気流の観測、安全検証のための無人飛行試験による機器類の確認を経て、テストパイロットによる有人飛行を実施。今回の目標高度100メートルを上回り、102.3メートルまで到達した時点で降下、軟着陸を実施。その後、計3回飛行試験を実施した。

 飛行能力の検証では、実測値は試算値におおよそ同様の傾向を示した(下図参照)。電磁弁の排出能力実測値をもとに、今後は経時変化予測の精度向上を見込み、性能向上を図るとしている。気球コントロールの検証では、あらかじめ機体の鉛直方向運動を一定の精度で予測することが可能となったとした。

 岩谷技研では今回の100メートル自由飛行試験の成功を経て、次回は500メートル自由飛行試験を計画中だという。来春までには高度4000メートルへの自由飛行試験を実施予定だ。

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