LINE WORKSは、チャットや掲示板、カレンダーなどの機能を搭載したコミュニケーションツール。LINEの使用感を踏襲していることもあり「新しいツールを覚える」という感覚なしにスムーズに利用できるのが大きなメリットだ。PTA運営においても幅広く活用できると、LINE WORKSを導入するPTA組織が増えているとか。今回は、PTA運営におけるLINE WORKS活用でよくある質問とその回答を紹介する。
組織に新たなツールを導入するにあたり、提案者は導入のメリットを存分に感じていても、周囲のメンバーはその必要性に疑問を感じてしまい、導入に至らないということはままある。LINE WORKSは、煩雑な作業は不要で、PTA業務のオンライン化・ペーパーレス化を実現できる便利なツールだが、それでも「何がいいの?」「今まで通りではだめなの?」という疑問を持つメンバーもいるだろう。また、使い始めてみたものの様々な「困った」にぶつかることも。ここでは、中心メンバーである役員や一般メンバーから管理者によく寄せられる質問と、その回答例をまとめたので、運営時の参考にしてほしい。
◆管理者および中心役員からの想定質問編
Q:PTAの役員や委員会メンバーに、「(普通の)LINEでよくないですか?」と言われてしまいました。上手にメリットを伝えるポイントを教えてください。
A:LINE WORKSの最大のメリットは「個人のLINEアカウントを公開する必要がない」という点です。
「LINE WORKS」と「LINE」は別のアプリで、一切連動はしていません。同じ年度のPTA役員でも、役割が違うとほとんど顔を合わせないうちに任期が終わってしまう人も少なくありません。そのような“面識のほぼない相手”と個人のLINEでつながることは、いろいろ不安にもなるでしょう。しかし、LINE WORKSは「LINE WORKS」内のみでコミュニケーションが完結するので、任期が終わったあとにLINE WORKSのグループから抜ければ、不特定多数の相手とつながり続けるということはありません。
また、管理者がメンバーの管理をできるのもメリットです。管理者から「今年度のすべての業務は終了しました。これにて解散としますので、皆さんを本グループから削除します。お疲れさまでした!」と宣言したあとに削除してもらえれば、“自分からグループを抜けるのは気が引ける(まだ話が続いているのに抜けられると困る)”とか、“抜け忘れていつまでもグループに残り続ける(いつまでも抜けてくれない)”など、管理側も参加者側も面倒に思うことがありません。
アプリ名に“LINE”が含まれているので間違えやすいのですが、「LINEの個人アカウントを交換する必要はありません。1年間だけ、PTA業務専用のアカウントでやり取りしましょう」と伝えてみてください。
Q:新年度の代替わりのタイミングや新しいメンバーが入るとき、またメンバーが抜けるときの対応方法がわかりません。
A:メンバーは管理者によって追加・削除が可能です。追加の方法には次の2つがあります。
(1)管理者がメンバーを追加し、追加されたメンバーがパスワードを登録する方法
(2)管理者が招待リンクと招待コードを送信し、メンバーが加入する(または加入申請して管理者が承認する)方法
また、登録されているメンバーを削除すると、「削除」状態で7日間データが保管された後、完全に削除されます(削除後7日以内であれば削除を取り消すことができます)。
ここでは、メンバーの追加・削除方法の手順を紹介します。
メンバーを追加する
メンバーを削除する
Q:利用を開始する際のルールやガイドを作りたいのですが、どのような点に気をつければいいですか?
A:以下の項目を押さえたルール作りをしているPTA組織が多いので参考にしてください。
(1)トークルームやグループは管理者が作成することとし、各メンバーでの作成はしないこと。
(2)お知らせや周知事項に関しては「既読」で届いたことが確認できるので、「確認しました」「了解です」などの返信はしなくてもよい。もしくはスタンプでの返信だけでもOK。
(3)LINE WORKS内でのやり取りは、PTA活用に必要なことにとどめ、特に個人情報やプライバシーに関わること含め、関係のないやり取りは控えるようにする。
(4)20時以降の連絡は控える。連絡を受け取った人は、「既読」しなくてもかまわない。
◆一緒に使うPTAメンバーからの想定質問編
Q:通知音が気になります。
A:LINE WORKSからの通知音は変更することが可能です。iPhone ・Androidそれぞれ通知音の設定が可能です。手順は下記のとおりです。
ただし、PTAの業務上、見落としてほしくない投稿が届くことが考えられるので、プッシュ通知はオフにしないほうがいいでしょう。
Q:ID/パスワードを忘れてしまい、ログインできなくなりました。
A:パスワードを忘れてLINE WORKSへログインできないは、マイプロフィールに携帯番号または個人メールアドレスが登録してある場合のみ、メンバー自身でパスワードを再設定できます。
ただし、IDも忘れてしまい、かつマイプロフィールに携帯番号も個人メールアドレスも登録されていない場合は、メンバー自身でパスワードの設定を行うことができません。下記の手順で管理者にIDを確認してもらい、パスワードを変更してもらう必要があります。
管理者にメンバーのIDの確認とパスワードを変更してもらう
Q:自分のスマホにLINE WORKSアプリを入れたくありません。
A:パソコンやタブレットを使って、ブラウザ版にログインできます。また、パソコン用のアプリ(PC版アプリ)もあるので、利用しやすい方法を選ぶことができます。すべて同じIDでログインできるので、“外出先ではスマホアプリ・自宅ではパソコンのブラウザ”など環境によって併用することも可能です。
PCのブラウザ版にログインする
Q:QRコードでSMS認証したときに認証番号が届きません。
A:LINE WORKSでは、携帯番号を使用するSMS(ショートメッセージサービス)で認証番号を受け取り、認証する必要がある機能があります。具体的には、LINE WORKS開設時の「セキュリティ認証」や開設後の「ID・パスワード確認」、「最高管理者権限の委任」などがそれに当たります。
この認証番号を記載したSMSが届かない場合は、携帯番号に間違いがないか、着信拒否の設定をしていないか、電波受信状態は良好かなどいくつか確認すべきポイントがありますので、詳細は以下のヘルプセンターの回答をご確認ください。
LINE WORKSヘルプセンター「SMSで認証番号を受信できません」
https://help.worksmobile.com/jp/topic/common/notification/can-not-receive-authentication-number-via-sms/
LINE WORKSにはいくつかのプランがあるが、PTA含めた非営利団体向けの特別プランが現在提供されている。一般的なフリープランではユーザー数100人まで登録可能だが、この特別プランでは最大1,000名まで利用でき、ストレージも従来の5GBから50GBへ拡張される。トーク、掲示板、カレンダー、タスク、アンケート、アドレス帳といった基本機能をはじめ、ストレージ50GBまで、音声/ビデオ通話/画面共有(4人まで、最大60分)が利用できる。
https://pages.worksmobile.com/nonprofit-plan.html
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