余裕あるVRM、よく冷えるヒートシンク、M.2 SSDはPCI Express 5.0 Ready!
AMD B650チップセットを採用したAM5プラットフォーム向けマザーボード、MSI「MPG B650 CARBON WIFI」
ここで計測した3つのテストだが、VRM温度の変動は非常に緩やかだ。ケースファンありの想定、組み合わせたCPUクーラーのMEG CORELIQUID S360がヘッド部に小径ファンを搭載しているため、最大温度という点では抑えられているかもしれない。まあ、実際のところ現在のPCでは、適度なエアフローが必要だ。適度なエアフローがあれば、このVRMは発熱も小さく、大型ヒートシンクが十分に冷やしてくれる。
参考までに、今回計測した各ベンチマークのスコアを提示しておこう。
3DMarkの主要なスコア一覧 | |
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Speed Way | 4000 |
Port Royal | 10946 |
Time Spy Extreme | 10008 |
Time Spy | 20706 |
Fire Strike Ultra | 15449 |
Fire Strike | 47218 |
ゲーミング向けに高速ネットワークと豊富なUSB
インターフェースを見ていこう。まず、ゲーミングという点では製品名にもあるWi-Fi 6E、2.5GbEネットワークが挙げられる。Wi-Fi 6EはAMD Wi-Fi 6Eを採用。2.5GbEはRealtek「RTL8125BG」を利用している。
バックパネルでは、映像出力にDisplayPort、HDMIを備えるほか、7基もあるUSB 3.2 Gen2、20Gbpsの高速USB 3.2 Gen2x2 Type-Cがある。端子数としては十分に豊富だ。加えてCMOSクリアとFlash BIOSボタンも備えている。フロント端子はUSB 3.2 Gen2 Type-Cが1基、USB 3.2 Gen1 Type-A×2基がある。
MPG X670E CARBON WIFIとは異なり基板上の追加機能は少なめだが、やはり便利なのがEZ Debug LED。ATX24ピンそばにあるこのLEDは、電源投入時、POSTプロセスに合わせて点灯する。CPU/DRAM/VGA/BOOTと分かれており、各段階に応じて次々にLEDが点灯するため、仮に問題が生じて停まってしまえばその点灯している部分を再確認すればよい。POSTコードの場合、もう少し詳細に問題特定ができるが、そのためにはマニュアルを読まなければならず、一方EZ Debug LEDのような仕組みなら大雑把だがどのパーツがという点では分かりやすい。たとえばVGAで点灯が停まっていたなら補助電源を確認したり、しっかり挿入されているか接触不良を疑ったりすればよいといった具合だ。
M.2スロットの部分でも触れたが、MPG B650 CARBON WIFIはAMD B650マザーボードとしてはハイエンド寄りだけあって、自作PCの組み立てをよりスムーズに進められる仕組みが豊富だ。少し値の張るマザーボードのほうがユーザーフレンドリーということもあるので、自作PC初心者にマザーボードをオススメする際はこうしたところもチェックしているとよいだろう。
今は堪え時……AMD B650でひとつ上を狙うMPG B650 CARBON WIFIこそ最適解!?
MPG B650 CARBON WIFIは、AMD B650マザーボードの中でも上位のモデルだ。ひとつ上のマージンを持たせたVRM、よく冷えるヒートシンク、ビデオカードはPCI Express 4.0世代だがM.2 SSDではPCI Express 5.0 Readyだ。CARBONシリーズのデザインが好きという方も多いだろう。
たしかにPCI Express 5.0 x16非対応という点に引っかかる方もいるかもしれないが、現実的にはまだ当面PCI Express 4.0ビデオカードが主流、PCI Express 5.0世代が登場したとして「9」グレード未満は本当にPCI Express 4.0で帯域不足になるところまではいかないだろう。PCI Express 5.0ビデオカードに移行するのは本当に必要になった時でよいという考えも、それはそれでアリである。ただ、それまでAM4で引っ張るよりは、Ryzen 7000シリーズの性能の魅力が勝るのではないだろうか。そんな方にMPG B650 CARBON WIFIを推したい。