最新パーツ性能チェック 第386回
ゲーム&クリエイティブ性能を検証。ねらい目はCore i5?
ゲームでRyzen 7000と対決!Core i9-13900K/Core i7-13700K /Core i5-13600K速攻レビュー【後編】
2022年10月20日 22時00分更新
本稿は第13世代インテルCoreプロセッサー(以下、第13世代Core)検証記事の第2弾となる(第1弾はこちら)。第13世代CoreのプロセスルールはIntel 7(10nm)のままだが、Pコアのアーキテクチャーを「Raptor Cove」へ進化させ、さらなる高クロック化と性能向上を盛り込んだ。
また、同クラスの第12世代インテルCoreプロセッサー(以下、第12世代Core)と比べてEコアが倍増。最上位の「Core i9-13900K」では遂にスレッド数においてライバルの「Ryzen 9 7950X」に並んだことになる。最大5.8GHz動作というクロックの高さも手伝い、CINEBENCH R23のマルチスレッドスコアーはCore i9-13900KがRyzen 9 7950Xを上回った。一方、消費電力は前世代の王、Core i9-12900KSをも上回るという残念な結果もみせた。
今回は、前回カバーできなかったゲームとクリエイティブ系アプリにおけるパフォーマンスを検証する。検証環境は前回と共通だ。第13世代Coreに搭載されたIntel Thread Director(ITD)の動作が最適になるWindows 11 22H2環境で構築している。
【検証環境:インテル】 | |
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CPU | インテル「Core i9-13900K」 (24コア/32スレッド、最大5.8GHz)、 インテル「Core i7-13700K」 (16コア/24スレッド、最大5.4GHz)、 インテル「Core i5-13600K」 (12コア/20スレッド、最大5.1GHz) インテル「Core i9-12900K」 (16コア/24スレッド、最大5.2GHz)、 インテル「Core i7-12700K」 (12コア/20スレッド、最大5GHz)、 インテル「Core i5-12600K」 (10コア/16スレッド、最大4.9GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN II 360」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASUS「ROG MAXIMUS Z790 HERO」 (インテルZ790、BIOS 0502) |
メモリー | G.Skill「F5-6000J3636F16GX2-TZ5NR」 (16GB×2、DDR5-5600/4800運用) |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce RTX 3080 Founders Edition」 |
ストレージ | Corsair「CSSD-F1000GBMP600」 (1TB M.2 SSD、PCIe 4.0、システムドライブ)、 Silicon Power「SP002TBP34A80M28」 (2TB M.2 SSD、PCIe 3.0、ゲーム用ドライブ) |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(1000W、80PLUS Platinum) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(22H2) |
【検証環境:AMD】 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 7950X」 (16コア/32スレッド、最大5.7GHz)、 AMD「Ryzen 9 7900X」 (12コア/24スレッド、最大5.6GHz)、 AMD「Ryzen 7 7700X」 (8コア/16スレッド、最大5.4GHz)、 AMD「Ryzen 5 7600X」 (6コア/12スレッド、最大5.3GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN II 360」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASUS「ROG STRIX X670E-F GAMING WIFI」 (AMD X670E、BIOS 0705) |
メモリー | G.Skill「F5-6000J3636F16GX2-TZ5NR」 (16GB×2、DDR5-5200運用) |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce RTX 3080 Founders Edition」 |
ストレージ | Corsair「CSSD-F1000GBMP600」 (1TB M.2 SSD、PCIe 4.0、システムドライブ)、 Silicon Power「SP002TBP34A80M28」 (2TB M.2 SSD、PCIe 3.0、ゲーム用ドライブ) |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(1000W、80PLUS Platinum) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(22H2) |
Ryzenに圧倒的差をつけられた「Rainbow Six Siege」
では、ゲーム検証から始めよう。今回は時間の都合上、CPUのパワー差が出やすい最低画質(に準ずるもの)+フルHDのみでテストを実施した。フレームレート計測には全て「CapFrameX」を使用し、実フレームレートのみを比較する。
まずは「Rainbow Six Siege」から始めよう。APIはVulkan、画質は“低”を選択。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
まず新旧Coreの違いを見ると、第13世代Coreは第12世代Coreに対して順当にフレームレートを伸ばしている。最上位のCore i9-13900Kのフレームレートが著しく伸びているのは、Eコア数の多さと関連がある可能性がある。
しかし、その第13世代Coreも、Ryzen 7000シリーズには遠く及ばなかった。今回フレームレートでトップに立ったのはRyzen 7 7700Xだが、これはCCDを跨ぐような処理が入らないため、レイテンシー的に有利だからと考えられる。平均800fpsという結果は今のディスプレーでは表示できないからナンセンス、という見方もできるが、GeForce RTX 3080とRyzen 7000シリーズはRainbow Six Siegeにおいて、より良いCPUパフォーマンスを示していると評価したい。
「Overwatch 2」でもRyzenに一歩及ばず
続いては「Overwatch 2」で検証する。画質は“低”とし、レンダースケールは100%、フレームレート制限も上限の600fpsに設定した。マップ“Eichenwalde”におけるBotマッチを観戦中のフレームレートを計測した。
Rainbow Six Siegeほどのワンサイドゲームではないが、Overwatch 2でもRyzen 7000シリーズが全体的に強い傾向がある。ここでも平均フレームレートのトップはRyzen 7 7700Xとなり、Core i9-13900KはRyzen 5 7600Xに次ぐ4番手にとどまった。
ここで注目したいのは、第13世代Coreの下位モデルの性能だ。第12世代Coreに比べると第13世代Coreは全体的にフレームレートが伸びているが、Core i5-13600KのフレームレートがCore i9-12900Kのフレームレートを完全に上回っている点に注目したい。コア数が減ったぶん、同時処理能力は下がっているが、ゲームプレイにおける快適さでは、前世代の最上位モデルと同等以上なのだ。
「Tiny Tina's Wonderlands」でようやく首位に立つ
FPS系最後の検証は「Tiny Tina's Wonderlands」だ。APIはDirectX 12、画質は“最低”に設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
ゲーム3本目にしてようやく第13世代Coreがトップを獲ったが、平均フレームレートトップのCore i9-13900Kと2番手のRyzen 7 7700Xの差は3fpsもない。ここはRyzen 7000シリーズに並んだという点を評価すべきだろう。
そしてここでも、Core i9-12900KのフレームレートをCore i5-13600Kが上回った。無論、この上にCore i7-13700KやCore i9-13900Kがあるのだが、前世代の最上位をきっちり上回っているという金星を挙げたCore i5-13600Kを高く評価したい。
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