2022年10月18日から21日にかけて幕張メッセで開催されている「CEATEC 2022」。会場の一角には、設立9年以下のスタートアップ企業および大学と教育機関を対象とした展示エリア「スタートアップ&ユニバーシティエリア」が開設され、他のエリアと同様に来場者から注目を集めている。同エリアに出展するスタートアップのブースをピックアップして紹介する。
株式会社エイシングが展示していたのは「異常検知AIソリューション」。同社の異常検知AIを用いて、設備停止を未然に防ぎ、原因推定や省力化を実現するというもの。
エイシングは昨年、 指先大のマイコンに実装したエッジAIアルゴリズム「MST(Memory Saving Tree)」でCEATEC AWARD 2021部門賞グランプリを受賞した。今回展示するソリューションには、「MST」を進化させた、異常検知向けAI「MSAT++(Memory Saving Anomaly Tracker ++)」が使われている。
「MSAT++」の主な特徴は、非常に小さく軽量なAIモデルサイズということ。「MST」同様、指先に乗る小さなマイコンに実装でき、通信不要でPCやサーバーなどがいらず、工作機器やモーター、センサーなどさまざまなデバイスで利用できる。また、異常データがなくても、正常データのみでAIモデルを構築できる。さらに、追加学習ができ、使っていく中で正常データや異常データを学習させることで、AIが“よりかしこく進化する”という。
ブースでは、送風ファンやベルト式回転機を模したデモ機を展示。人の目ではわからない少しの異常でも検知するさまや、その場で異常、正常の状態を学習させるとすぐに反応する様子が披露された。