M2 Macは200%オーバーの速度向上も!

外付けSSDの転送速度をM2 MacとM1 Macで比較

文●藤田 忠 編集●北村/ASCII

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ベンチマークでパフォーマンスをチェック

 1年ぶりとなるMac外付けSSDのパフォーマンスチェックに進んでいこう。ベンチマークアプリは、Katsura Sharewareの「AmorphousDiskMark 4.0」と、Blackmagic Designの「Blackmagic Disk Speed Test」を使用している。また、Mac環境はファイルシステムで、外付けSSDのパフォーマンスが変化(AppleシリコンとインテルMacでも)するのは、Macユーザーに広く知られていることで、これまでもいくどかパフォーマンスチェックを行なう要因にもなっている。

 今回も、外付けSSDのファイルシステムには、Windows OSなど環境を選ばずにファイルをやり取りできる「exFAT」と、SSDに最適化されたMac標準ファイルシステムとなる「APFS」の2種類で、それぞれ計測している。

最速の読み書き性能を発揮するTB 4/USB4エンクロージャー

 さっそく、結果を見ていこう。まずは、AmorphousDiskMarkの結果からだ。シーケンシャルの「SEQ」に加え、ランダムの「RND」の読み書き性能も計測。さらに複数の読み書き命令を受け取り、同時に処理することで、SSDを高速化させるNCQ(Native Command Queuing)の性能向上も計測できる。AmorphousDiskMarkは、デフォルトでSEQがQD(命令数)8、RNDがQD64で処理した際のリード・ライトの計測も行なっている。

「X5(Thunderbolt 3[40Gbps])」AmorphousDiskMark 4.0の結果

「980 PRO外付け(Thunderbolt 4/USB4[40Gbps])」AmorphousDiskMark 4.0の結果

「T7 Shield(USB 3.2 Gen2 USB Type-C[10Gbps])」AmorphousDiskMark 4.0の結果

 ファイルシステムでの性能差はもちろん、リード、ライト3000MB/secという圧倒的なパフォーマンスを発揮した980 PRO外付けSSDも注目だが、最も注目なのは汎用性の高いUSB 3.2 Gen2インターフェースを採用する外付けSSDのT7 Shieldが、M2 Macで読み書き速度が大きく向上している点だろう。M1 Macに完全勝利とはいかないが、exFAT、APFSともに向上しているので、Windows PCなどとデータ交換する人も、APFSを使ったデータストレージに使いたい人も注目だ。

 そして最速となる980 PRO外付けSSDも見逃せない。実売価格は980 PRO 1TBが1万9000円前後で、玄人志向 GWM.2NVMe-40GCは1万8000円前後となっているので、3万7000円前後で最速クラスの1TB 外付けSSDを作れるわけだ。M2 MacBook AirのCTOでは、8コアCPU、10コアGPU、512GBモデルから1TBへの変更は、プラス2万8000円となっているので、CTOしたほうが投資額は安価だが、980 PRO外付けなら標準搭載の512GB+1TBなので、これから買う場合も悪くない選択肢ではないだろうか。

 X5を含め、Thunderbolt 4/USB4接続時に、書き込み速度が大幅に向上している点も注目だ。データの保管や、バックアップに使いたいのに、肝心の実効書き込み速度がUSB 3.2 Gen2の外付けSSDと同じだっただけに、M2 MacでThunderbolt 4/USB4外付けSSDの実用度は復活したかも知れない。

 また、ファイルシステムの違いは、QDの結果で大きくなっているのがわかるだろう。M2 Mac、M1 Mac、さらにインテルMacに関係なく、写真、動画などのデータ保管先、Time Machineでのバックアップ先などに使うなら、APFSでフォーマットするのがおすすめだ。

Blackmagic Disk Speed TestもM2 Mac有利に

 続いて、シーケンシャルアクセス速度を計測するBlackmagic Disk Speed Testの結果を見ていこう。

Blackmagic Disk Speed Testの結果

 M2 Macが、M1 Macよりも高速なパフォーマンスを発揮する傾向は同じで、T7 Shieldの書き込み速度はexFAT、APFSともに120%台になっている。また、ファイルシステムでは、AmorphousDiskMarkほどの顕著な差は見られないが、APFS使用時は書き込み速度がアップする傾向が見られる。

 ただ、Thunderbolt 3接続のX5の書き込みのみ、M1 Macが両ファイルシステムで大きく性能を伸ばしているのが、気になるところだ。

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