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Pixel 7/Pixel 7 Pro発表! Pixel WatchはFeliCa入り! 第12回

全社体制でPixel 7とPixel Watchに注力するグーグルの意気込み(西田宗千佳)

2022年10月11日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳 編集●飯島恵里子/ASCII

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Pixel Watch(左)とPixel 7 Pro(右)

3年越しで登場したPixel Watchの意味とは

 そしてさらに今年は、グーグル自身のブランドとしては初のスマートウォッチとなる「Pixel Watch」も登場した。あの機能で3万9800円というのは、かなりお値打ちだと感じる。

 ご存知の通り、Pixel Watchはフィットネス関連機器で知られる「Fitbit」をグーグルが買収した結果生まれた製品だ。だが、同じく2019年に時計会社Fossil Groupから、同社のスマートウォッチ関連の知的財産や関連技術、開発チームを4000万ドルで買収しており、その結果生まれた、という点も忘れてはならない。

 すなわちグーグルは、この時期から、「他社へOSなどのプラットフォーム提供はするが、同時に自社ハードウエアも持たねば、価値の最大化はできない」という判断に至っていたことがわかる。

 Google Tensorのようなプロセッサーについても、サムスンのような強力な開発パートナーがいたとしても、開発には年単位の時間が必要になる。

 Pixel Watchでは、心拍数や睡眠計測の「正確性」をアピールしている。だがそれも、Fitbitが過去に収集した大量のデータと、グーグルの処理能力が合わさって実現されている、と考えていい。

 さらにPixel 7と連携してセットアップを簡便化しているのも、デザインで「Material You」を活用して統一感を持たせているのも、「製品全体を連携して提供している」からできることでもある。そういう意味でも、Pixel Watchは間違いなく「戦略製品」だ。

 そして、スマホとしてのPixelが好調である日本市場は、スマートウォッチで成功を目指すためにも重要な市場である。FitbitでSuica対応の経験があるから、という事情はあるだろうが、コストをかけてスタート時点からSuica対応してきた。定期券への対応ができていない、といった課題もあるが、そうした部分からも「日本でPixelシリーズ全体を成功させたい」という意気込みが見えてくる。

 

筆者紹介――西田 宗千佳

 1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。 得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、アエラ、週刊東洋経済、月刊宝島、PCfan、YOMIURI PC、AVWatch、マイコミジャーナルなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。近著に、「ソニーとアップル」(朝日新聞出版)、「ソニー復興の劇薬 SAPプロジェクトの苦闘」(KADOKAWA)などがある。

 

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