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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第51回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 2022年10月1日~10月7日

20代の3割がパワハラを経験、データ活用企業の成果は?、値上げ時の顧客対応、ほか

2022年10月11日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2022年10月1日~10月7日)は、サプライチェーンとサイバー攻撃に関する国際意識調査、値上げが続く中での顧客対応手法、データ活用企業における成果の実態、年齢層別のハラスメント被害と意識についてのデータを紹介します。

■[セキュリティ]他国よりサイバー攻撃に脆弱――日本は68%、欧米を上回る(ウィズセキュア、10月5日)
・サプライチェーンは2023年に「悪化する」は日本は36%、残る4カ国は22%
・90%以上が、サイバーセキュリティがサプライチェーンに与える影響は「ある」
・日本は68%が「自分の国が他国と比較してサイバー攻撃に対し脆弱」

 ウィズセキュアが日本、米国、英国、仏、独の5カ国で8月、合計1256人のIT意思決定者を対象に、グローバルサプライチェーンとサイバーセキュリティについて実施した調査より。サプライチェーンの状況について、2023年に「悪化する」と回答した比率は日本は36%、欧米4カ国は22.5%となった。サイバーセキュリティがサプライチェーンに与える影響は、5カ国ともに90%以上が「影響がある」と回答している。他国と比較した場合の、自国のサイバー攻撃に対する脆弱性については、日本の68.4%が脆弱(やや脆弱+非常に脆弱の合計)と回答し、欧米4カ国の53.3%を上回った。ウィズセキュアでは、日本はまだセキュリティが「コスト」と捉えられている点を課題として指摘している。

サプライチェーンに与える影響は、5カ国とも90%以上が影響があると見ている(出典:ウィズセキュア)

自分の国はサイバー攻撃に対して強固か脆弱かという質問に対し、日本は68.4%が脆弱、残る4カ国の53.3%より多い結果となった(出典:ウィズセキュア)

■[生活]相次ぐ値上げへの対応、73%が「問い合わせの内容の共有」に取り組み(ジーネクスト、10月6日)
・値上げ発表後(実施前)は顧客の問い合わせ、「今後の値上げ予定を問う」(46%)が最多
・値上げと顧客対応で取り組みたいことは「問い合わせ内容の共有」(69%)
・「値上げに対する謝罪の意を伝える」が効果のあったコミュニケーションのトップ(42%)

 帝国データバンクの調査によると、今年10月の値上げ品目数は6500品目以上と夏季の2.5倍を数え、その後も値上げは続くと予想されている。上述の調査ではジーネクスト製品の導入・検討中企業を対象に、商品の値上げやその後の対応などについて聞いた。有効サンプルは31社。値上げの理由として、すべての企業が「原材料費の高騰」を挙げ、ほかにも「物流・輸送費」「製造コスト」「円安による輸入費の高騰」が続く。値上げ発表後には6割以上が「顧客の問い合わせが増加した」としており、問い合わせ内容は「今後の値上げ予定を尋ねる声」が多い。顧客対応において新たに取り組んだこととして、最多だったのは「問い合わせ内容の社内・部門間での共有」(73%)で、「今後の値上げ時」に取り組みたい対応としても最多となった。

値上げ時の顧客対応では「問い合わせ内容の社内・部門間での共有」がこれまで(上)・今後(下)共にトップ(出典:ジーネクスト)

「値上げに対する謝罪の意を伝える」が有効なコミュニケーションだという(出典:ジーネクスト)

■[DX]データ活用の取り組みで「全社的に十分な成果を得ている」は2% (ガートナージャパン、10月6日)
・データ活用の取り組みから「全社的に十分な成果を得ている」は2%
・データ活用への取り組みで、19%が「自身が非常に積極的」、「自社が非常に積極的」は8%
・43%がデータ活用に向け従業員の育成、資格制度、手当がない

 7月に日本企業におけるデータ活用の取り組みについて調べた結果をまとめた。サンプル数は361。取り組みの成果に対する評価について「全社的に十分な成果を得ている」は2.2%、「ある程度」の成果を得ているが78.8%だった。データ活用の取り組みに「積極的」な企業の理由は「意思決定に役立つ」(71%)、「ビジネス状況を把握できる」(68%)、「関係者への説得力が向上」(65%)などが挙がる。一方で「消極的」な企業では「必要なデータが手に入らない」(60%)、「スキル不足」(54%)「周囲が消極的」(36%)などの課題が挙がった。

データ活用に関する自社従業員教育や資格制度の状況は「ない」が最多となった(出典:ガートナー)

■[社会]20代の3割がパワハラを経験、若年層ほどハラスメントなどの問題提起を「面倒に感じない」(ビッグローブ、6月5日)
・30代の30%が「セクハラを受けたことがある」
・若年層ほど「ハラスメントなどの問題提起を面倒に感じない」、20代54%
・30代の24%が、自分の経験からハラスメントや性加害を「認識できていない」

 全国の10代~60代までの男女1000人に「ハラスメントや性加害」に関する調査を実施した。期間は9月8~9日。「パワハラを受けたことがある」は40代と50代が共に43%でトップ、セクハラは30代が30%で最多となった。モラハラは30代が35%で最多、続いて40代の34%となった。パワハラ、セクハラ、モラハラの3つとも、「30代~60代女性」が最も被害の多い層となっている。「ハラスメントなどを見かけても止められなかった」という回答は10~50代の約3割から挙がった。

パワハラ経験の回答を10代~20代/30代~60代、それぞれ男女で分けた回答比(出典:ビッグローブ)

「ハラスメントなどを認識できていないことがある」と認めた人は30代で34%、40代で21%など(出典:ビッグローブ)

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