ミニマムだが十分なRayの機能
エントリー機種ということもあり、Rayの機能はシンプルだ。
入力端子は光デジタル入力のみ。テレビの光デジタル出力を経由して、サウンドバーから音を出す。Blu-ray Discプレーヤーなどの外部機器を使いたい場合も、テレビを経由して再生する形になる。角型の光デジタル入力端子は、一般的な製品とは異なる位置に切り欠きがある。これは向きを気にせずケーブルの抜き差しできるようにするためで、Sonosの細かな配慮が反映された箇所と言える。
また、ほかのSonos製品同様、Wi-Fiや有線LAN(Ethernet)接続も可能だ。スマホアプリから認識し、アクセスポイントなどの情報を反映するまでの手順も非常によく考えられている。注意点としては、LANケーブルをつないでいると、Wi-Fi接続ができない点だ。機器を追加する際のアプリのUIは、Wi-Fi接続を想定しているためか、有線LAN接続の場合は別の手順を踏む必要があった。
iPhoneなどに対応したSonosアプリは、機器の操作に使うほか、AirPlay 2の接続、Spotify、Amazon Music、Apple Musicのストリーミング再生も楽しめる。
最近のサウンドバーは、テレビとHDMI接続するものが主流になっている。一方、Rayは光デジタル接続のみだ。ここが心配になる人がいるかもしれない。
HDMI接続の利点は、CECというHDMIコントロール機能が使える点、Dolby Atmos信号の伝送ができる点などがある。CECはテレビと連動した電源のオン/オフや音量調節機能を利用するために必要な機能だ。
HDMI入力を持たないRayは、これらに対応しないのが弱点に見える。ただし、テレビリモコンの信号を学習する機能を持ち、テレビリモコンを使った音量調節ができたり、使用しない際には自動でスリープに入り、テレビからの出力と連動して音を出す仕組みを持っていたりするので、操作性が劣る印象はない。
入力信号が5.1chまでとなる点もそれほど気にする必要はないだろう。スピーカー数に制限のあるサウンドバーでは、ミックスダウンして再生するのが基本となるし、Dolby Atmos対応をうたっている機種でも再生は2.1chになるものが少なくないからだ。サラウンドの基本は5.1chになるので、まずはこれにしっかり対応していればいいという考え方もできる。Rayは4つのスピーカーを使い、2chまたは3chの再生ができる。