観光の一環として定着しつつあるアニメツーリズム

アニメ聖地巡礼の楽しみ方! 中国人インフルエンサーのビンビンさんが語るその魅力

文●ASCII

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 アニメツーリズム協会が選定した「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」のうち、都内のアニメ聖地を紹介している特設サイト「東京アニメ聖地巡礼ガイドMAP」がオープンするなど、“アニメ聖地巡礼”はアニメ好きのコアなファンはもちろん、幅広い層の人たちにとっても観光方法の一つとして浸透してきている。今回、そんなアニメ聖地巡礼の魅力や楽しみ方について、日本のアニメ聖地巡りを精力的に行っている中国人インフルエンサーのビンビンさんにインタビューを実施し、話を聞いた。

アニメで描かれる美しい桜の風景を都内各所で楽しむ!

――ビンビンさんは日本のアニメーションから日本という国に興味を持ったのですか?

ビンビン 元々両親が日本の企業で働いていたのもあり、日本自体に親しみはあったのですが、その頃から日本のアニメを観ていて、興味を持つきっかけになりました。私の住んでいた中国の大連市には日本の企業がたくさんあるので、日本の食べ物もいっぱいあったんですけど、それまでは特別な意識は持っていなくて。けれど、日本のアニメに出てきたキャラクターがラーメンを食べているシーンとかを観ると「私もキャラクターと同じものを食べてる!」みたいな感覚がわいたりして、どんどん日本のものが好きになっていきました(笑)。

――その後日本に留学されて、本格的にジャパニメーションに触れたと?

ビンビン そうですね。大学で日本語を専攻して、最初は交換留学で日本にやってきました。はじめの半年間は日本語がまだあまり上手くなくてどこにも行けなかったんですけど、これではいけないと思って、友人と一緒に行きたいところに行こうと思うようになって、好きなアニメのイベントやコミケ(コミックマーケット)に足を運ぶようになりました。最初は人の多さに圧倒されましたが、「周りはみんな同じ趣味の人たちなんだな」と思うと、逆に安心することができました。例えば私がつけてるキャラのバッジを売っている人がいれば、「この人も同じ作品が好きなんだ」みたいな感じで、お話すればもしかしたら共通の話題もあるかもしれないし。アニメのポスターもいろんなところに貼っていたりと、その空間に居場所を感じたんです。

――東京都内の聖地や、おすすめスポットを教えていただけますか。

ビンビン コミケで訪れた東京ビッグサイトも、最近では「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」で主人公たちが通う学校のモデルになっていて、ここも聖地になるんだとびっくりしました(笑)。あとは私が個人的に大好きな新海誠監督のアニメ「秒速5センチメートル」の聖地も都内にあります。すごく好きな作品なので、桜が見られる渋谷区の参宮橋公園などは何回も行ってました。参宮橋の踏切のシーンとか本当に切なくて、踏切を見るたびに作品を思い出します。聖地巡礼もそうなんですが、それとは別に観光として見た場合にも、日本の魅力の一つは季節をとても意識していることだと感じます。中国でもお祝い事は大切にするけど、春になったら桜を見に行こうとか、夏は花火とか、そういう風習は少ないので、日本に来てからそういう四季を感じるところもすごく楽しんでいます。桜つながりで特にオススメなのはアニメ「四月は君の嘘」の桜の風景。大泉学園通りなど、練馬区中心に桜のシーンがたくさん登場するんですが、通学路に桜があるのって最高だなと思いました。本当に何回観ても泣きます。「Bang Dream!(バンドリ!)」の聖地で、早稲田にある江戸川公園も桜の時期に行くと景観がすごく綺麗で、よく散歩に行きました。あと、今でこそ中国でもよく見ますけど、海外の人から見ると、日本の学生服って実は憧れなんですよ。だから制服と桜が揃うシーンがあると何枚でも写真を撮りたいと思っちゃいます。

アニメ聖地巡りで新たな趣味も見つかるかも!?

――都内で何度も訪れたお気に入りの聖地スポットはありますか?

ビンビン 都内は本当に素敵な聖地が多いので結構あります。新海誠監督の作品は代々木とか新宿とか都内のスポットが多くて。「天気の子」の芝公園とか、こんな素敵な公園があるんだって好きになって何回も行きました。「君の名は。」に登場する四谷の須賀神社男坂でも写真を撮りましたし、新海さんの映画を観たらやっぱり違う風景に見えちゃうんですよね。東京のすごくいいところは、趣味や好きなものが何でも見つかるところです。都内ならアニメ好きが欲しいアイテムが大体揃えられますしね。最近「パリピ孔明」というアニメが放送されたんですけど、その影響でDJ文化にも興味がわいて、いつか渋谷のクラブにも行ってみようかなって思いました(笑)。ラップバトルとか一度実際に見てみたいですね。あと面白いのは、友達が「ラブライブ!スーパースター!!」の影響で原宿に行くようになったんです。これまで原宿のようなおしゃれな場所には興味なかったのに、1人でがんばって行ってみました!みたいな(笑)。

――聖地に行く際は、事前に作品を観て、ルートなどの計画をしっかり立ててから行くのでしょうか?

ビンビン はじめのうちは全部の聖地は回らずに、印象に残っている場所だけ行ってたんですけど、巡礼をし続けるうちに行ける場所全て行きたいっていう気持ちになって(笑)。今は無駄なく最短でたどりつけるように交通手段も色々考えなければならないので、プランニングはとても大事にしています。車の運転免許を取ったのでちょっと楽になりましたが、最初は歩くしかなくて本当に大変でした。最近だと「呪術廻戦」の原作に出てきた渋谷にも行きましたね。実はまだアニメを観ていなくて、漫画から始める聖地巡礼もありです。

――聖地に行くならやはり写真に収めておいたほうがいいと思いますが、その他の楽しみ方はありますか?

ビンビン 写真も大事ですが、やっぱりまずは聖地に行くことが重要ですね。そのついでに写真を撮る、みたいな。そうするとそこで新たな巡礼仲間と知り合えることがあるんです。一般の観光客とは全然違う角度から撮ってるからすぐに聖地巡礼だってわかります(笑)。私もこれまで旅先でいろんな人と出会っていて、そういうのもすごくいいなって。ある聖地では、カフェから展望台までのかなり長い距離を移動したんですけど、そこで「さっきカフェにいなかったですか?」って声をかけられて。「隣のテーブルだった人だ!」って。全く同じルートを移動していたみたいで、そのあと仲間の方たちと一緒にアニメの話をしたのはとてもいい思い出です。あと聖地巡礼を始めてよかったことは、聖地に⾏くことでその周辺に何があるか知ることができること。そうやって聖地へ⾏くことによってその⼟地⼟地の歴史や食べ物、⾯⽩さなどを知ることができるのが聖地巡礼の醍醐味(だいごみ)なんだと思います。

ビンビン
 中国出身の人気インフルエンサー。中国ではMCや通訳として活動するほか、中国向けの動画の企画、制作なども行うなど幅広く活躍中。アニメ聖地巡礼を趣味とし日本全国を巡っている。中国版のYouTubeといわれる「ビリビリ動画チャンネル」のフォロワー数は47万。Twitter(@pandanekooo)では多数の聖地巡礼についての投稿も。

■関連サイト

  • 「東京アニメ聖地巡礼ガイドMAP」

    都内の代表的なアニメ聖地などを紹介した特設サイト

  • Tokyo Tokyo公式サイト

    Tokyo Tokyo」は、東京の魅力を国内外にPRするアイコンです。旅行地としての東京を強く印象づける「東京ブランド」の確立に向けた東京都の取組の中で誕生しました。筆文字のTokyoとゴシック体のTokyo は、江戸から続く伝統と最先端の文化が共存する東京の特色を表現しています。

(提供:東京都)

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