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トップRQの阿比留あんなが超本格レーシングシムに挑戦! 冨林選手のアドバイスで鈴鹿サーキットを攻略!?

2022年10月10日 12時00分更新

文● 吉田知弘 編集●ASCII

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いざ、RQがシミュレーターに挑戦!

 今回はTEAM MACHのチームシャツを用意して気合いが入っている阿比留さん。運転免許は持っているものの、そこまで頻繁に運転する機会はないそうです。シミュレーターについては、「2年前にイベントのお仕事をやらせていただいた時に、シミュレーター(この時はグランツーリスモ)があったので、やらせてもらいましたが、逆走してしまいました(苦笑)」とのこと。

 それでも今回の企画について話したときは「やってみたいです!」と、かなり乗り気で参加してくれました。

レーシングシム初体験で緊張気味の阿比留さん

 今回使用するシミュレーターソフトは「iRacing」。マシンの挙動に関しては一番再現性が高いと言われており、このソフトを使ってのバーチャルレース大会も世界各国で開催されています。

 まずは、MX-5(マツダ・ロードスター)のグローバルカップカーで感覚をつかんでいくことになりました。

 サーキットについては、冨林選手の意見を聞いたところ「鈴鹿にしましょう!」と即答。国内では難関コースのひとつと言われていますが、はたして阿比留さんは攻略できるのか? いよいよスタートです。

 まずは体験で1周。恐る恐るコースイン。速度こそゆっくりですが、すごく慎重に丁寧にS字コーナーを駆け抜けて、西コースへ。慎重にドライブできているぶん、コースオフせずにコーナーをひとつずつクリアしていきます。これには冨林選手も「うまいですね!」と驚きの表情。

冨林選手にアドバイスをもらいつつ走行

集中するにつれ、表情は真剣そのものに

 それまではアクセルも半分程度しか踏めていませんでしたが、バックストレートではきっちりと全開まで踏み込みます。その後、130Rを経てシケインに来ると「ここ、見たことある!」と阿比留さん。テレビ中継でも見た景色が目に前に広がり、少しずつ楽しさを感じつつある様子で、そうこうしているうちに1周5.8kmの鈴鹿サーキットを1周走り終えました。

冨林「普通に上手くないですか? すごいですね」
阿比留「できていますか?」
冨林「全然できています。やっぱり、レースクイーンの子たちって、基本的に(運転が)うまいですよね。普段から(レースを)ちゃんと見てくれているんだなって思います」

 予想以上のデキなので、早速タイムアタックを敢行。ピットアウトした周から、順調に走る阿比留さんに、冨林選手も「普通に上手くなっているな~。けっこう速いですよ」と感心しっぱなしです。

 そして、いざアタックラップへ! 誰からのアドバイスもなく1コーナーから2コーナー、S字とスムーズに駆け抜けていきます。そのまま西コースに入っていき、ヘアピン、スプーンカーブをクリア。バックストレートもアクセル全開!

もしかして、いきなり3分を切っちゃう!? と、後ろでみんなが見守っていた矢先……、130Rでバランスを崩してスピン! イン側のガードレールにクラッシュしてしまいました。

阿比留「あぁ~調子良かったのに……」
冨林「今のは余裕で3分00秒台は切れていたと思います! 途中まで良い感じに行っていたのに、クラッシュしてしまったことで、遅くなってしまうということって、よくあるんですよね」

 その言葉通り、阿比留さんはここから苦戦し出します……。

 仕切り直しのタイムアタックを試みるも、1コーナーや130Rなど、高速コーナーでの進入で挙動が乱れてしまいます。スピンをしては、なんども天を仰ぎ悔しがる阿比留さん。それでも諦めずにトライを続けて、計測4周目で、なんとか1周を完走! タイムは“3分17秒721”でした。

 最初のウォームアップ走行等を含めると、これで7周(合計で約25分近くもシミュレーターに乗車)を走破した阿比留さん。

ちょっと満足げな阿比留さん

 「そんなに走っていました? すごい汗かいちゃいました」と、さすがに疲れた様子。シミュレーターはハンドルやブレーキペダルは実車同様に重くなっているほか、アクチュエーターで筐体が動くため、実際と同じまではいかないにしても、ある程度のGを感じながらの走行になるので、思った以上に体力を消耗するのです。

 何はともあれ、ちょっと休憩。ここでリプレイ映像を見ながら、冨林選手にアドバイスを聞きます。

冨林「S字とかは特に問題がないので、毎回130Rでうまくいっていなかったので、あそこだけは直したいですね。だいたいクラッシュする時は、ブレーキを踏んでいるのに対して、ハンドルが真っ直ぐになっていなくて、フラフラしてしまってクラッシュしてしまっていたと思います」
阿比留「(ハンドルが)持っていかれちゃうんですよね」
冨林「強いブレーキを踏む時はハンドルは必ず真っ直ぐにしていて、曲がりたい時はブレーキを離す」
阿比留「なるほど、真っ直ぐ……」
冨林「逆にブレーキを踏むとクルマって不安定になりがちなんです。アクセルを踏んで加速している時の方がクルマは安定するので。ブレーキのフラつきが恐いというのであれば、ブレーキを踏まずに(コーナーの)手前からアクセルだけ離して、惰性で曲がるというのもアリです」
阿比留「なるほど、ブレーキなしで……」
冨林「ただ、シケインとかは、どうしてもブレーキを踏まないと減速し切れないので、あそこだけは、ハンドルを絶対まっすぐで固定したまま、ブレーキを強く踏んで、クルマが減速したら曲がる。という感じです」

冨林選手によるレッスン中。阿比留さんが手に持っているのはZENKAIRACINGオリジナルエナドリの「FORMULA ENERGY」

阿比留「……(真剣に聞く阿比留さん)」
冨林「(スプーンコーナーのリプレイを見ていて)この辺、普通にうまいですね」
阿比留「でも(ブレーキを踏んだ時に)、ほぼ止まってしまっていますよね」
冨林「最初はそれでも良いと思います。徐々に慣れてくれば、もっとスムーズに行けるようになると思います。でも、最初の周でクラッシュしていなかったら、普通に3分は切れていたと思うんですよ。そこでクラッシュしてしまって、ビビってしまった部分があるんだと思います。あとは直線のところではちゃんとアクセル全開にしてあげる感じですね」

視線の移動など実際の運転にも役立つことを教えてもらう

冨林“先生”のお手本タイムアタック!

 ここで、ドライバーを交代して、冨林選手にお手本を見せてもらいます。「お手本をお願いします!」とシミュレーターの近くに陣取って、勉強する気満々の阿比留さん。

「多分、見たら“そんな感じでいけるんだ!”というのが、わかると思います。そうすれば、もっと全然乗れるようになると思います」と話す冨林選手も、阿比留さんのタイム更新のきっかけを掴んでいる様子。まったく同じMX-5の車両でピットアウトし、タイムアタックに突入。阿比留さんも無言で走りを見守ります。

ベストポジションで冨林選手の走りを見る阿比留さん

そして記録されたタイムは……、2分27秒127!

 「すごい……。全然違う」と、目を丸くする阿比留さん。ここで冨林選手のリプレイを見ながら、再度おさらい。

冨林「メリハリをつけるだけで、全然速くなるので。踏めるところはしっかりアクセル全開でいって、減速もしっかり……それこそ、最初は(完全に)止まっちゃってもいいんで、ブレーキでしっかり止まる。それだけで、3分は切れるようになると思います。(130Rのところで)ここも、アクセルを戻すだけでいけちゃいます」
阿比留「本当だ。ここはビビっちゃって……」
冨林「そう。あの時(最初のアタックでクラッシュした時)は、ブレーキを踏んだことでクルマが暴れてしまったと思います。ちょっと手前からアクセルだけ抜いて惰性で曲がってあげた方が安定します」

阿比留さんの急成長に冨林選手もビックリ

 こうして、一通りアドバイスをもらったところで……。すでに「再挑戦したい!」と目を輝かせている阿比留さん。再びシミュレーターのシートに収まります。目標は3分切り!

 最初のウォームアップラップでは、けっこう慎重だった阿比留さん。しかし、いざアタックラップに入ると、冨林選手のアドバイス通り、各コーナーを駆け抜けていきます。

 これには冨林選手も「飲み込みが早いですね!」と感心した様子。そうこうしているうちに、阿比留さんにとっての難関である130Rが近づきます。冨林選手の合図とともにアクセルを離して進入し……見事クリア!

 最終コーナーまで到達しゴールラインを切ったタイムは……、2分56秒921! いきなり3分を切っちゃいました!

 そのままアタックを継続しますが、ちょっと勢い余ってダンロップコーナー入り口でコースオフ。仕切り直して、もう一度タイム計測を始めると、直前のミスが自分で分析できているのか、きれいに修正すると、今まで苦手だった130Rも、コツをつかんだのか難なくクリア。先ほどの自己ベストタイムを、さらに2秒更新して、2分54秒218をマークしました!

 これにはやり切った感があったのか、阿比留さんも思わずガッツポーズをみせていました。冨林選手も驚くほどの成長をみせた阿比留さん。ここで「GT3も乗れるんじゃないか?」という話になり、GT3カーにも挑戦してみることになりました。

やりきった感のある阿比留さん

 今度は隣にある筐体でチャレンジ。こちらは頭部を覆うようなBRIDE製のバケットシートが装備され、ステアリングに速度やギアポジションなどが表示されるなど、本物のGTマシンを模したコックピットが再現されているのが特徴です。

 さらにシミュレーター上で再現されているのは、MX-5より格段に性能の高いGT3マシンなのですが、コツをつかんだのか阿比留さんは臆することなくドライブ。特に逆バンクを駆け抜けるスピードはSUPER GT顔負けで、冨林選手も「あの区間だけならプロレーサーと一緒ですよ!」と驚くくらい。

別の筐体でGT3カーにチャレンジ!

 計測1周目ではスプーンコーナーで飛び出してしまいましたが、その後はミスなく着実に走行。計測2周目は何のアドバイスもなく走りきり……“2分27秒669”を叩き出しました!

2分27秒669をマーク!

 本来ならば、さらなるタイム更新も期待できたところなのですが……初めてのシミュレーター体験で阿比留さんの集中力も限界。この日のプログラムは、ここで終了となりました。

「もっとやりたい!」と本音が飛び出す阿比留さん

 終始、楽しく積極的にシミュレーターに挑戦してくれた阿比留さん。最後は「体力と集中力が続けば、もっとやりたかったです!」とのこと。この1日でレースに対する見方も随分と変わったようです。

阿比留「最初は逆走するんじゃないかと心配して、(取材日の)朝もめっちゃ早く起きちゃいました。期待に応えられなかったら、どうしよう……と思っていたんですけど、意外と楽しくやれました。特にブレーキのところで、ハンドルは動かさずにブレーキで減速をするっていうのを教わって、それができるようになってからは、本当に楽しかったです。(冨林選手に)言われた通りにブレーキを踏んで、コーナーを曲がって、立ち上がっていく。この一連の流れができたときは、テンションが上がりました。あれが気持ちよかったです。自分が思い描いた通りに出来ている!と思うと、すごく楽しかったです。的確なアドバイスがあったので、上達できました!」
冨林「それは実車も同じなんですよね。(クルマが)決まっている時のほうが、よっぽど楽しいですからね」

阿比留「楽しかったです! 本当に(ZENKAIRACINGに)通いたいなと思うくらい、どんどん欲が出てきました。たとえばここをミスしてしまったから、次はこうしようというのがわかってきて、どんどんトライしたくなるんですよね。体力と集中力が持たないので、そこを伸ばすことから始めたいですね(笑)」
冨林「(仮にこのまま練習すれば)全然うまくなると思いますし……。余計に(SUPER GTの)予選Q1とかは落ちることができないなとプレッシャーを感じます(苦笑)。今だったら、Q1で落ちた理由って漠然としていると思うんですけど、これを体験したことで“あそこがダメだったんだな”ってバレちゃうと思うんですよね。それこそ、今日のGT3でのベストタイムが2分27秒だったので……あと20秒縮められれば、SUPER GTも出られますよ!」

プロのアドバイス通りに走れば初心者でもタイムアップ確実ということが証明されました

 我々の予想以上にシミュレーターにハマっちゃった阿比留さん。ここまでくると、彼女の上達した姿も見てみたい……。もしかすると、続編があるかも? そして、将来的にはeスポーツの大会に挑戦する日がくるかも? 今後の展開に注目かもしれません。

 改めて、阿比留さん、冨林選手、そしてZENKAIRACINGの皆さん。ありがとうございました!

 いかがだったでしょうか? 超本格的な設備で身構えてしまう部分もあるかもしれませんが、実際に体験してみると阿比留さんのように、すぐ乗りこなせてしまいますし「もっと上手くなりたい!」と欲が出てきて、楽しい時間を過ごすことができます。

 最近では様々な場所でシミュレーター体験ができるショップやイベントが増えてきましたので、機会があればぜひみなさんも「レーサー気分」を味わってみてください!

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