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「すごいスポットで写真を撮っているような感覚」画像生成AIで有名になった852話さん

2022年09月15日 12時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)編集●ASCII

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プロンプトは「打率」優先、不要な要素を削っていく

── 画像を生成するためのプロンプトはどうやって作っているんでしょう?

 自分の好きな単語を並べて、機械的に認識されなさそうなものを削っています。それで使えるプロンプトを重ね、あとは画質を良くするとかおまじない的なプロンプトを使って組み上げています。Midjourneyのサイト上でみんなのプロンプトを見られるようになっているので、そのプロンプトを参考にしたこともたくさんありますね。

── プロンプト調整時にはどんなことを考えているんですか?

 一番は安定です。打率をどれだけ良くするか。まぐれの1回が出てもいいんですけど、10回に1回より、3回に1回のほうがうれしいので。安定性を高めるためにいらない要素を削ったり、固定したい要素を加えたりしています。

── アニメタッチのかわいらしい美少女イラストには驚かされました。プロンプトにはどんな工夫をしていますか?

 たとえば、アニメ系の絵を出したいときは鼻がじゃまになるので「anime nose」と入れたり、鼻を消したりという工夫をしています。

── かわいい絵を含めて「プロンプトを公開してほしい」という声も多かったと思います。

 公開すること自体はイヤではなかったんですが、プロンプトの中に企業名や作品名を入れると一気にクオリティが上がるということが実際あって、それはあまり出さないほうがいいよねという自己判断で出さないでいたという部分があります。あと、「プロンプトを教えてもらったら用なし」という発言をしている人もいて、そういう人に教えてもなあ……という気持ちもあったり。もちろんそんな人ばかりじゃないということもわかってはいるんですが。

── 一部のプロンプトはnoteという形で世に出されています。

 有料noteは500円くらいなら最初から批判を目的に買いにくる人がいるかもしれないということで8000円、Midjourney 2ヵ月分にしています(スタンダードプランは月額30ドル)。有料でも無料でも出してるよというスタンスにしたことで批判は減りました。

midjourney、AI画像生成のプロンプトを考える。(AIアート初心者向け)

midjourney KAWAII汎用プロンプト 有料記事

── 海外ではプロンプトを取引できるサービスも出てきています。

 そうなんですね。ただ、これからプロンプトをバンバン売っていきたいかというと、そういうつもりはないんです。公開できるものは公開したいんですが、たとえばイラストっぽいものがガンガン出てきてしまうことで、イラストの価値が下がるとか、物議を醸しているじゃないですか。そういう話が加速する気がするので、今はまだ一部の人が知っていればいいんじゃないかなと思っていて。知られるまでは時間の問題だとも思いますが。

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