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業界の垣根を超えたコラボ!?

Wi-Fi 7ことIEEE 802.11beは実効5Gbps超え!?インテルとBroadcomが世界初の共同デモ

2022年09月09日 01時00分更新

文● ジサトライッペイ 編集●ASCII

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 2022年9月9日午前1時、米インテルと米Broadcomは共同で次世代無線LAN規格「Wi-Fi 7」(IEEE 802.11be)のデモを行ったことを明らかにした。第12世代インテルCoreプロセッサー搭載ノートPCを、Broadcom製のアクセスポイントにWi-Fi 7で無線接続し、その実行速度が5Gbpsを超えたと発表。両社とも無線ブロードバンドの推進団体である「Wireless Broadband Alliance」(WBA)に長年身を置く企業で、次世代無線通信技術を語る上では欠かせないメーカーである。

今回のデモはWi-Fi 7の特徴である、6GHz帯における320MHzのチャンネル幅、変調方式は4096-QAM(4K QAM)を適用していた。将来的にはMulti-Resource Unit Puncturing(Multi-RU)やMulti-Link Operation(MLO)を用いた、超低遅延通信のデモを予定しているとのこと

検証環境はこちら。Wi-Fi 7のアクセスポイントはBroadcomのトライバンドルーター、ノートPCは第12世代Core i5プロセッサー搭載モデルで、Gale Peak 2というコードネームのWi-Fi 7対応NICを採用している

デモは収録済みのムービーで、こちらはその撮影の様子。検証システムは右上の写真。ノートPCは左から順にWi-Fi 6、Wi-Fi 6E、Wi-Fi 7接続

インテルのフェロー兼クライアントコンピューティンググループのワイヤレスCTO、Carlos Cordeiro氏(左)と、Broadcomのワイヤレス接続部門担当副社長であるVijay Nagarajan氏(右)

Wi-Fi 7接続の実効速度は5Gbps超え。Wi-Fi 6では1Gbps程度、Wi-FI 6Eでは2Gbps程度だったので、その速度は圧倒的と言える

 現在の無線LAN規格はWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)が主流だが、それをさらに6GHz帯まで拡張して使えるようにした規格がWi-Fi 6Eだ。日本では2022年9月2日付で解禁され(各国の法令によって解禁時期が異なる)、これから徐々に普及していくだろう。Wi-Fi 7はその後継となる次世代規格で、2024年以降のリリースを目指して、業界は動いている。

 Wi-Fi 7の最大通信速度は46Gbps(理論値)と、Wi-Fi 6/6Eの最大9.6Gbps(理論値)と比べると、はるかに高速だ。そのため、高精細なVRやARの高速伝送や16K動画のストリーミングなどでの活用が期待されている。また、遅延もWi-Fi 6/6Eよりも小さいので、ゲーミング環境の改善にも役立つかもしれない。

 周波数帯はWi-Fi 6Eと同様、2.4GHz帯と5GHz帯に加えて6GHz帯が使える。チャンネル幅は最大320MHz、変調方式は4096-QAM OFDMA、MIMOは最大16x16、複数の周波数帯にまたがって同時にデータを送受信できるMulti-Link Operationをサポートするなど、次世代規格にふさわしい仕様だ。

 もっとも、現在のPCのMIMOは2x2接続がほとんどなので、多くのWi-Fi 6対応PCの最大通信速度が最大2.4Gbps(理論値,
160MHz幅の場合)になるのと同様、Wi-Fi 7でも規格の最大通信速度に近い実効速度が得られることは考えづらい。しかしながら、米インテルと米Broadcomは今回のデモを将来的には2桁Gbpsの速度を将来的に提供するための重要なマイルストーンとしている。10GbEの有線LANのような速度で使える無線通信の実現に期待したい。

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