Lenovoがドイツ・ベルリンで開催中のIFA2022に合わせて発表した新製品のうち、2020年に発売した2つ折りタブレット「ThinkPad X1 Fold」の2022年モデルとなる「新ThinkPad X1 Fold」、そしてスマートフォンでも手軽に使えるスマートグラス「Lenovo Glasses T1」を実際に試した。
大画面を手軽に持ち運べるモバイルノートPC
新ThinkPad X1 Fold
新ThinkPad X1 Foldは初代モデルよりもディスプレーサイズが16.3型と大きくなっている。アスペクト比は4:3、2560×2024ドットのOLEDディスプレーを搭載し、タッチペンにも引き続き対応している。
本体を開いてみるとそのディスプレーの大きさに驚かされる。Lenovoのデモでは付属のスタンドに立て、横方向に大きなディスプレーとして使うだけではなく、縦方向に開き若干角度をつける使い方もデモされた。このスタイルは横方向に長いウィンドウを並べて使いたいときに便利だ。
本体を閉じると176.4×276.2×17.4mmの小型サイズとなる。厚みはあるもののこのまま小さいかばんに入れることも可能だ。
インターフェースはThunderbolt 4×2とUSB 3.2 Gen 2のType-C×1と最小限。また5G(Sub 6)モデム内蔵モデルも販売予定で、nanoSIMカードトレイも備える。
ディスプレーをL字に開けば小型のノートPCスタイルとなる。画面サイズは片側が12型、16:10。ベゼルは初代モデルに比べかなり薄くなった。初代モデル同様に付属のBluetoothキーボードを手前側に乗せることで、このスタイルのままノートPCとして使うことも可能だ。キーボードはBluetoothだけではなくType-Cケーブルによる有線接続も利用できる。
折り曲げ可能なディスプレーではヒンジ内側部分の処理が気になるものだ。新ThinkPad X1 Foldのディスプレーはシャープ製とのこと。そして初代モデルとは異なり、すき間なく閉じることができる。その際に曲げられたディスプレーの「伸び」の部分が内側にへこんで収納される構造となっている。ディスプレーの曲がる部分に筋のようなものは見えない。
新ThinkPad X1 Foldには本体を開いたときに立てかけられるようにスタンドも付属する。横向きに開くとキーボードが小さいことを除けば16型クラスのノートPCと変わらぬ大きなディスプレーを使うことができるのだ。「持ち運び時は小型で、使うときは大画面」という2つ折りディスプレーのメリットを感じられる使い方だろう。
開いたときに複数のウィンドーサイズを簡単に揃えることもできる。タイトルバー部分をタップしてそのままディスプレーの中央上部にドラッグすると、分割ウィンドウメニューが出るので好みのスタイルの枠にドラッグするだけだ。
付属のスタンドは閉じればフラットになる構造。初代モデルは閉じたディスプレーの間にBluetoothキーボードを挟んだが、新ThinkPad X1 Foldでは閉じたときのすき間がない。そのためキーボードはこのスタンドに装着して一体化され、本体にマグネットで固着して持ち運ぶことになる。
本体にこのスタンド+キーボードを取り付けると、厚みはだいぶ増してしまう。またスタンドとキーボードの重量が増えるため、かなりの重さとなる。とはいえ、この大きさのPCを外出先で開いて展開すれば、16.3型のノートPCになる。この利便性をどう判断するかが購入のポイントになりそうだ。
そのほか、タッチペンも利用できる。本体横にマグネットで装着するが、マグネットの磁力はかなり強い。そのためかばんの中に入れておいて外れてしまったり、外出中に紛失してしまうこともなさそうだ。
初代モデルは小型なノートPCという点が特徴だったが、新ThinkPad X1 Foldは大画面をコンパクトな大きさに折りたたみいつでも持ち運べるという、まったく新しい製品に生まれ変わった。生産性とモビリティーという相反する要求を1台にまとめた新ThinkPad X1 Fold、日本での発売に関しては現時点で未定だ。