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このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第375回

1型カメラセンサー搭載の「AQUOS R7」はマニュアルで自分の思い通りの絵が撮れる

2022年09月03日 12時00分更新

文● 中山 智 編集●ASCII

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目玉の1型センサーは工夫次第で仕上がりが変わる

 カメラは前モデルから引き続き、1型センサー(約4720万画素/F1.9)のシングル仕様。ただしセンサーは前モデルから変わっており、スマートフォン向けに新たに開発されたものを採用しています。そのため前モデルと比較すると、画素数は倍以上になっており、苦手とされていた最短撮影距離も、約14cmから約12cmと短くなっています。

背面のカメラは1型センサーのシングル仕様で、左にあるのは約190万画素の距離測定用カメラ

 カメラアプリからの倍率変更は、0.7倍から6倍まで。シングルカメラのため、すべて同じセンサーでの撮影となっており、0.7倍から6倍までのデジタルズーム。カメラアプリには「0.7」と「1」「2」のアイコンが用意されているので、ワンタッチで倍率変更可能です。

標準の写真アプリUI

 作例は下記のとおり。全体的に濃いめの色調ではっきりとした印象ですが、若干ホワイトバランスの調整がうまくいかないことがあり、特に蛍光灯下での撮影は寒色に引っ張られる傾向があります。

1倍で撮影

2倍で撮影

デジタルズーム最大の6倍で撮影

0.7倍で撮影

蛍光灯下で撮影

 また被写界深度が浅く、たとえば料理の接写といったケースではピントが合っているように見える範囲が狭く、ボケた印象になることも。こういったケースでは2倍率で撮影したり、俯瞰で撮影したりといった工夫が必要です。

被写界深度が浅く、中央付近しかピントが合っていない

 写真の写り自体は良いので、こうなると「Xperia PRO-I」や「Galaxy S9」に搭載されている「可変絞り機構」が欲しくなります。F4.0くらいに絞りが変えられれば、被写界深度を調整できるのはと思います。

 一方、かなり気に入ったのが「ポートレート」での撮影。特に設定などせず、シャッターを押すだけで雰囲気のある写真に仕上がります。

ポートレートの作例。特に明るさなど調整せずシャッターを押しただけだが、味のある仕上がりになっている

 ただポートレートも、1度撮影すると内部で処理が行なわれるようで、10秒ほど待たないと次の撮影ができません。ポートレートでは子どもなどを撮影する場合は連写したいので、このあたりの改良も次モデル以降に期待したいポイントです。

 動画はセンサーの変更もあり、8Kまでの撮影が可能になりました。ただしセンサーサイズが1型と大きいため、撮影時にかなり発熱があるせいか、8Kでの撮影は1分まで。また4Kでの撮影もほかのAndroidスマートフォンと同様、かなり発熱します。また高フレームレートだと若干手ぶれがカクつく感じもあるので、実用としてはフルHD/30fpsでの撮影が妥当です。

8Kでの動画撮影モードも用意されている

 ちなみにフレームレートを30fpsにすると、動画撮影中にAIが自動で写真も撮影してくれる「AIライブシャッター」も利用可能です。動画をメインに撮っていると、写真を撮り忘れてしまうこともあるので重宝します。

「AIライブシャッター」をオンにすると、自動的に写真も撮影してくれる

 残念なのは、動画撮影時に外部マイクに対応していないこと。USB Type-Cやヘッドフォン端子にマイクを装着しても有効にはならず、本体マイクでの撮影となってしまう。本格的に動画を撮影したいユーザーは注意が必要です。

 AQUOS R7はどちらかというと、写真も動画も「マニュアル」で、1カットを丁寧に撮影したい人に向いています。写真なら「マニュアル写真」モードでフォーカスやホワイトバランスなどが調整可能。さらに「RAW」での保存にも対応しているので、撮影したあとにLightroomなどの現像ソフトで、さらに調整できます。

「マニュアル写真」モード

マニュアルモードではRAW形式での保存に対応

 また「マニュアルビデオ」モードでは、ISOやホワイトバランス、露出などが調整可能。ある程度設定で追い込むことで、綺麗で自分がイメージしたとおりの動画が撮影できそうです。

「マニュアルビデオ」モード

 そのほか1型センサーを搭載した「Xperia PRO-I」と「Xiaomi 12S Ultra」との作例比較動画も作成しましたのでチェックしてみてください。

 本体ストレージ容量は256GBなので、写真や動画の保存にはかなり余裕はありますが、別途microSDの利用も可能。スロットはSIMトレーを外した中に用意されています。

SIMトレーを外してmicroSDをセットする

 SIMは物理SIMとeSIMのデュアル仕様。キャリアモデルながらデュアルSIMが運用できるようになったのはかなりうれしいポイントです。自分の場合は、ドコモをeSIMで契約しておいて、物理SIMは楽天モバイルをセット。これで楽天モバイルの無料通話が可能なRakuten Linkを活用しつつ、データは5Gで使い放題のドコモという運用ができます。

 最近は機会が減りましたが、海外渡航時には物理SIMを現地通信キャリアのプリペイドSIMに変えて運用できます。これならドコモの電話番号も活かしたまま海外で低価格のモバイル通信ができるわけです。

物理SIMは1枚だけだが、eSIMとのデュアル運用には対応

【まとめ】性能は申し分なし!
カメラ好きなら撮影が楽しめる1型センサー

 ちなみにAQUOS R7は「5G SA」にも対応。原稿執筆時点ではまだ試せていませんが、今後期待したいポイントです。

 スペックや機能などはハイエンドとして申し分なし。カメラもクセはあるものの、カメラ好きが楽しんで撮影できる性能となっています。20万円弱とかなり高価格帯の端末ですが、そのあたりの状況を把握しているユーザーにはオススメできるスマートフォンだと思います。

シャープ「AQUOS R7」の主なスペック
ディスプレー 6.6型Pro IGZO OLED(19.5:9)
240Hz対応
画面解像度 1260×2730
サイズ 約77×161×約9.3mm
重量 208g
CPU Snapdragon 8 Gen 1(オクタコア)
内蔵メモリー 12GB
内蔵ストレージ 256GB
外部ストレージ microSDXC(最大1TB)
OS Android 12
5G対応 ミリ波、サブ6
無線LAN Wi-Fi 6
カメラ画素数 約4720万画素(F値1.9、19mm相当)
+約190万画素(測距用)
イン:約1260万画素(F値2.3、27mm相当)
バッテリー容量 5000mAh
防水/防塵 ○/○(IPX5,8/IP6X)
FeliCa/NFC ○/○
生体認証 ○(画面内指紋、顔)
USB端子 Type-C
イヤホン
カラバリ ブラック、シルバー
販売キャリア ドコモ、ソフトバンク
 

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