Radiant SDM3200B660をレビュー
全然これでいいわ!Core i7-12700&GeForce RTX 3060を搭載する容量8Lの小型PCの性能
2022年08月28日 10時00分更新
電源設定はインテル推奨のデフォルトだが
一般用途でのCPU性能としては十分高い
まずは、CGレンダリング速度からCPU性能を測るベンチマークソフト「CINEBENCH R23」の結果から見ていこう。すべての論理コアを使用する「Multi Core」テストのほか、論理コア1基あたりの性能を測る「Single Core」テストの2つを試した。
また、テストは標準となる約10分間負荷をかけ続けるモードで行っている。なお、スコアーは独自の「pts」という単位で表示され、この値が高ければ高いほど高性能となる。
結果はMulti Coreテストは14614pts、Single Coreテストは1905ptsだった。同じくCore i7-12700を搭載するゲーミングPCの過去のレビューデータを見てみると、Single Coreテストは同等だったが、Multi Coreテストは20000pts前後とだいぶ差があった。
しかし、これには少々からくりがある。Core i7-12700のインテル推奨電力設定はベースパワーが65W、最大ターボパワーが180Wだ。しかし、20000pts前後はこの制限を外して性能を高めた場合のスコアーなのだ。
もちろん、電力制限を外すとその対価として、発熱や消費電力が大幅にアップするいうデメリットが出てくる。すなわち、発熱が増したぶんだけCPUを強力に冷却する必要が生まれる。
具体的には、240㎜や360㎜のラジエーターを搭載する簡易水冷クーラーがなければ、安定した動作は難しいだろう。そして、そういった大型CPUクーラーを搭載するには、タワー型PCケースが必要になる場合がほとんどだ。
また、電力制限を外してまで性能を高くしたい作業は、CGレンダリングや動画エンコードなど、高負荷が長時間続くケースに限られる。なぜなら、ゲームを含めた一般的な用途では負荷に強弱があるため、電力制限があってもほとんど影響しないからだ。
実際、一般的な用途を想定した総合ベンチマークソフト「PCMark 10」の結果を見るとわかるが、簡易水冷クーラーを搭載したタワー型ゲーミングPCとスコアーに大きな差はない。
PCMark 10の総合スコアーは7376。CPUとGPUが同じスペックの簡易水冷クーラーを採用したタワー型PCのスコアーが7434なので、この用途なら電力制限の影響は大きくないことがわかるだろう。
ちなみに、電力制限はUEFIの設定で緩和できる。「Radiant SDM3200B660のUEFIから「Dual Tau Boost」を「Enabled」に変更してみると、ベースパワーが65Wから85Wへと上昇した。
なお、ベースパワー85W設定で再びCINEBENCH R23を実行してみると、Multi Coreテストのスコアーは15952ptsまで上昇した。長時間高負荷が続く作業を頻繁に行うのであれば、この設定で使うのもアリだろう。なお、Single Coreは1905ptsのまま変化しなかった。