下呂市農業委員会、サグリが提案したJAXAのだいち2号の観測データを活用した「中山間地域等直接支払制度」で実施する現地確認作業における業務効率化を実証するプロジェクトに参画。
サグリ
アーカイブデータを用いた事業化実証の一つのテーマとして、下呂市における「中山間地域等直接支払制度」の実証をサグリが提案し、JAXAが選定し実施。
下呂市農業委員会は、農業用地の利用実態を調査する「農地パトロール」にて、兵庫県丹波市のベンチャー企業「サグリ」が開発、運営している衛星データと人工知能(AI)解析を活用したシステム「アクタバ」を、令和3年度より全国に先駆けて導入し、農林水産大臣賞を受賞しています。今回、新たに「サグリ」が衛星データを活用することによる、「中山間地域等直接支払制度」で実施する現地確認作業における業務効率化を実証する利用実証プロジェクトに協力することになりました。この利用実証プロジェクトは、日本発の衛星データプラットフォームであるTellusで利用可能となっている宇宙航空研究開発機構(JAXA)の陸域観測技術衛星2号「だいち2号(ALOS-2)」(以下、「だいち2号」)の観測データを用いた事業化実証の1つです。なお、だいち2号は、合成開口レーダ(SAR)を搭載し、Lバンドの電波を衛星から照射・受信することで、昼夜天候に左右されず、地表面を観測する地球観測衛星です。
「中山間地域等直接支払制度」とは?
「中山間地域等直接支払制度」は、農業の生産条件が不利な地域における農業生産活動の継続を維持するため、国および地方自治体による農家支援制度として平成12年度から実施しており、現在は第5期対策(令和2年度~6年度)が実施されています。この中山間地域直接支払いのために農地の現況を把握するため、農地パトロールと同様、紙の地図と台帳を照らし合わせながら、現地の状況をチェックしていましたが、サグリが提供するシステム上で、だいち2号データを基にした農地管理状況把握モデルを用いた農地管理状況を行政部局に提供可能としていく計画を立てています。「アクタバ」システムは、台帳情報と地番図データを活用し、システム上に農地区画が表示される仕組みとなり、その上でだいち2号から抽出した農地管理情報も表示可能とする予定です。調査員は割り当てられた農地のデータが入ったタブレット端末を使い、現地で調査した結果をその場で入力でき、全地球測位システム(GPS)で現在地が把握でき、現場への最短ルートも表示されます。これにより、中山間地域直接支払い業務を行う行政部局の調査員の現地調査業務の効率化が期待されます。
本事業化実証は7月~12月までの間で実施されることになっており、調査時間の短縮などの効果、ツールの有用性の検証およびフィードバック、他の地域への水平展開に向けた検討などが行われる予定です。
サグリ株式会社について
サグリ株式会社は、「人類と地球の共存を実現する」をビジョンに掲げ、2018年6月に兵庫県で創業したスタートアップ企業です。衛星データ×AIで世界の農業と環境課題の解決を目指しています。2021年6月にはリアルテックファンドなどから総額1.55億円の資金調達を発表しました。また、ひょうご神戸スタートアップファンドの第一号案件の出資となりました。令和3年度農林水産省 農林水産技術等大学発ベンチャーに認定され、近畿経済産業局より、J-Startup-KANSAIに選出。環境省スタートアップ大賞事業構想賞受賞や東洋経済2021すごいベンチャーに選出されました。また、2022年3月には岐阜大学発ベンチャーに認定されました。当社は耕作放棄地検出アプリ「アクタバ」、作付け調査を効率化するアプリ「デタバ」をリリースしており、既に50以上の市町村と連携しております。
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