日本一ソフトウェアは、都内某所にて『魔界戦記ディスガイア7』メディア限定発表会を実施した。『魔界戦記ディスガイア7』は、来年1月で20周年を迎える「魔界戦記ディスガイア」シリーズの最新作で、2023年1月26日発売予定とのこと。対応プラットフォームはPlayStation 4/5、Nintendo Switch。PC版は今のところ予定はないが、やらないということではないとのこと。価格は税込7678円。
発表会では、まず日本一ソフトウェア 元代表取締役社長 新川宗平氏が登壇し、「魔界戦記ディスガイア」シリーズを振り返って7に至るまでの説明を行なった。
※本会見は2022年8月5日に行なわれたものです。
「ディスガイア」シリーズは、常識を破壊していくことを大事にしているという。ジャンルとしてはシミュレーションRPG(SRPG)だが、初代作品を作成する当時は、競合他社のSRPGのビッグタイトルと対抗しても勝てないと思っていたという。
そこで、正面から勝負するのではなく、自分たちの独自性を出してディスガイアというブランドを確立していこうとした結果、レベル9999や億越えのダメージといった常識に捉われない特色が出るようになった。
そのため、これまでのゲームの既成概念も壊していこうと考え、ルール無用のシステムも生まれたという。たとえば、一般的なSRPGの場合はマス目に沿って移動し、射程まで近づいて攻撃を行なう。しかし、「ディスガイア」シリーズでは、敵も味方も持ち上げて投げることで、移動の煩わしさもない要素もある。
また、シリーズ初期からある「アイテム界」は、武器や防具の中に入って戦い育成していくという、ユニークな強化方法で、シリーズを通してやり込み要素の1つになっている。
さらに、ゲームのルールを変えられる「暗黒議会」があり、この3つの要素が初代ディスガイアから続く、THE ディスガイアと言える特長となっている。
ちなみに「魔界戦記ディスガイア」シリーズは、昨年には全世界累計500万本、国内では220万本を超えるほど人気を博したという。「魔界戦記ディスガイア」シリーズは、初代から国内と海外(北米)でほぼ同じくらい売れ、今では国内の3~4倍ほど海外の売り上げの方が大きいほど、海外人気が高いという。
加えて、前述した3つの要素以外に「魔界戦記ディスガイア」シリーズでは、各ナンバリングタイトルごとにも常識破りの特長があり、さらに主人公がすべて異なるため、どのタイトルからプレイしても楽しめる。そのため、途中のタイトルから入り難いとか、どれか1つをプレイしたので他のタイトルはやらないで済むと言われないような工夫を凝らしたのが、累計本数を伸ばせた秘訣かもしれないとのこと。
また、『魔界戦記ディスガイア7』発売までは、まだ時間もあるため現行ハードでプレイできる「魔界戦記ディスガイア」シリーズも紹介された。どのタイトルから始めたら良いかという質問に新川氏は「1は一番要素も多すぎず、人気も高く遊びやすいかな。4もそれに次ぐぐらいに人気です。とにかく要素もいっぱいあって遊び尽くしたいなら5。スマホゲームに慣れていて、オート戦闘やオート周回など、ラクをしたいという人には、そうした機能を搭載した6がオススメです」とのこと。
同社は「魔界戦記ディスガイア」シリーズを発売する前に、『ラ・ピュセル 光の聖女伝説』を発売し、思った以上に売れなかったことを受け、自分たちの好きなことをやろうと一念発起して『魔界戦記ディスガイア』を発売。発売前の注文のスタートは3万5000本ほどだったが、発売後すぐ店頭からなくなり、追加注文を繰り返すことになるほどに大ヒット。
その時、自分たちの熱量、魂はプレイしてくれたお客様にも伝わることもあり、その良さを応援団として口コミで広めてくれることもあると初めて体験したタイトルだという。
また、当時はNIS Americaがなかったため、Atlus U.S.A.から声がかかり海外でも発売。その結果、海外でも大ヒットし、海外でも受け入れてくれる人が、たくさんいるということを知るきっかけにもなったとのこと。
シリーズ初、和風の魔界が舞台!
『魔界戦記ディスガイア7』については、ディレクターを務める美濃羽氏が登壇し、解説を行なった。美濃羽氏は、日本一ソフトウェアにプログラマーとして新卒入社し、『魔界戦記ディスガイア4 Return』『魔界戦記ディスガイア5』と経験し、「魔界戦記ディスガイア」シリーズを海外展開する際にも関わった経験も持つという。
また、「魔界戦記ディスガイア」シリーズのファンでもあり、ディスガイア魂をしっかりと受け継いだディレクターとのこと。
『魔界戦記ディスガイア7』の世界は、シリーズ初となる和風の魔界が舞台。『魔界戦記ディスガイア5』『魔界戦記ディスガイア6』は、複数の魔界に跨る問題を解決するという話だったが、今回は『魔界戦記ディスガイア』や『魔界戦記ディスガイア3』のように1つの魔界を深堀していこうと考えたという。
そして、どういった世界を深堀したら面白いか考えた時、汎用キャラクターの説明文で、魔界なのに武士道を守っている侍などがいたため、このキャラクターの世界を深堀したら面白そうだと考え和風世界になったという。以下、『魔界戦記ディスガイア7』の概要、同社資料より抜粋。
怨霊の魂が温泉として湧き出る『怨泉魔界』に、
超ド級の宇宙イワシの体内に存在する『鰯魔界』、
大勢の悪魔を海の藻屑とした大渦潮が魅力の『死国魔界』など……
個性豊かな多数の魔界から構成されるその世界では、
多くの住人たちが、悪魔らしからぬ信念『武士道』に従っていた。
しかし、それも今や昔。
魔提督オープナー率いる界軍の来航により、日ノ本は変わった。
日ノ本を生きる悪魔たちは今、オープナーが制定した
『日ノ本デストロイ法度』に従って生きている――
【日ノ本デストロイ法度】
一つ、武士道などデストロイ。
二つ、給与や税に不満を言うやつは、ブチ殺しマース。
三つ、友情とか愛情とかノーセンキュー。
四つ、強きに媚び、弱きを挫きまくってプリーズ。
五つ、喧嘩は魔界の華なので、どんどん争いナサーイ。
―――以上の条文に背いた者は、全員ハラキリの刑デース。
そして日ノ本から、気高き武士たちは淘汰されていった……。
これは、そんな誇りを失った世界の中で、
武士道に憧れる少女と、武士道嫌いの青年が、
互いの信念のために共闘していく物語である。
メインとなるキャラクターは以下の2人。主人公のフジははぐれ武士で金の亡者。貧乏武士なので、いろいろ悪どいことで金を稼ぐ。悪魔的な発想を持っている。またヒロインのピリリカは、平和な魔界の出身者で愛が好きで、お金持ち。お金を渡してフジを雇っていろいろやっていく。属性的でいうと初代のフロンのような娘とのこと。
CV:石川界人
外道/守銭奴/怠惰と三拍子揃った悪魔らしい悪魔。人情アレルギーで、人間的な愛情や友情、同情を感じると吐血してしまう
CV:新田ひより
他魔界から来た温室育ちの若手社長。重度の日ノ本オタクだが、映画や漫画から知識を得たため実際の日ノ本とは異なる知識が多い
本作に追加された“弩デカ魔ックス”は、マップ全体に攻撃できたり、マップに存在するだけで全体バフのような地形効果を発揮したりする新システムとのこと。その効果は普通に進める分には、ちょっと便利だなと思う程度の効果だが、この巨大化するキャラクターを育てていくと、そのキャラクターだけで敵を掃討できる、といった遊びもできるという。
ゲーム全体の難易度は、『魔界戦記ディスガイア6』だと自動戦闘もあってか、かなり難易度が低めだったが、『魔界戦記ディスガイア5』に戻すような調整をしているという。基本的にはレベリングなどをしなくても工夫すればクリアできる、レベリングすれば楽にクリアできるといった難易度とのこと。
ちなみに、『魔界戦記ディスガイア6』ではダメージの桁が従来の「魔界戦記ディスガイア」シリーズよりも桁が跳ね上がっていたが、『魔界戦記ディスガイア7』では従来のシリーズと同じ桁に戻しているとのこと。レベルも最高が9999になっている。
弩デカ魔ックスは、持ち上げ投げと同じように、移動などのSRPGを普段やらないプレイヤーが面倒だと思うところを解消しつつ、ゲームが単純化しないように地形効果も付与してバランスを取っているようだ。
“アイテム転生”は、転生を繰り返して種類を超えた武器技を付与したり、食べられるという特性を持ったアイテムを転生して武器として打ち直すことで、食べられる武器も作れる新要素。食べられる武器を食べると、元になった武器のHP分回復するといった効果が得られるとのこと。
また、「魔界戦記ディスガイア」シリーズでは、杖を持っていると魔法の射程が1伸びる、拳武器を付けていると反撃回数が増えます、といった従来は隠されていた特性が明文化され、それも付与されるという。さらに、レアな特性もいくつかあり、それも引き継がれるそうだ。
アイテムの強化は、本シリーズではアイテム界に行って行なうため、今までにないほど時間のかかる要素として開発をしているという。自分が納得する武器を作るまで、こだわり出すと非常にやり込み度が高い要素になりそうだ。
前作『魔界戦記ディスガイア6』ではなくなり、ユーザーから残念だと、多数声があった武器技が復活。ただ復活させるだけでは芸がないと思ったため、前述したアイテム転生を使い、剣のままで槍の武器技が使えるといったカスタマイズ性を上げる要素としても活躍するとしている。
ちなみに武器技は、ウェポンマスタリーを極めていくと習得できるほか、アイテム転生で武器技を放てるという特性を引き継いでる、もしくはアイテムに武器技が使える特性があれば使用できるとのこと。
『魔界戦記ディスガイア6』では、シリーズで初めてキャラクターが3Dになったが、過去の蓄積がなかったため、キャラクターを数多く出せなかったという。より過去のシリーズでは、汎用キャラクターに男と女両方が用意されていたが、それも用意できていなかった。
しかし、美濃羽氏はシリーズのファンとしても汎用キャラクターで男女選べないのはやりたくないとし、『魔界戦記ディスガイア7』では男女両方を用意したため、前作の2倍になったという。
自動戦闘も『魔界戦記ディスガイア6』よりも進化! 美濃羽氏は「魔界戦記ディスガイア」シリーズは、レベリングを効率化する過程を楽しみもあると認識しているため、そこをユーザーに工夫して欲しいという思いから“魔ソリン”というコスト性のシステムを導入したという。
自動戦闘は、魔ソリンを使って実行するが、これはターンごとに消費されるため、AIをいじったりキャラクターの装備を変えたりして、より少ないターンでクリアするにはどうすれば良いかを考えることが必要になっている。
また、リザルトの報酬が従来のボーナスゲージではなく、ミッション性になっている。6ターン以内にクリアや、女性ユニットのみでクリアといったミッションの条件を満たすと報酬が貰える。そのため、出撃するパーティーやAIを工夫し、多く報酬が貰えるにはどうすれば良いかも工夫することになる。
加えて、今回は自動周回がスキップ性になっている。魔ソリンを使った数の戦闘がスキップされ、ユーザーが自動周回で待つといった放置する時間をなるべく減らすような仕組みになっているという。
シリーズ初のオンラインAI対戦機能も実装された。PSP版の『魔界戦記ディスガイア』では、アドホック対戦があったが、あまり遊ばれなかったという。そこで、『魔界戦記ディスガイア6』から導入したAIによる自動戦闘をカスタムするシステム“魔心エディット”を活かして、オンラインAI対戦なら楽しんで貰えるのではということで導入した機能とのこと。
レーティングもあり、自分の総合戦闘力に合った3人から選んで戦うといった形になるとのこと。参加賞のようなものが用意されているので、プレイした方が得という形になるようだ。
『魔界戦記ディスガイア7』は、シリーズ初めて和風の魔界が舞台となり、マップ全体に攻撃できたり、全体バフの地形効果を与えたりする“弩デカ魔ックス”や、“アイテム転生”などの新要素により、「魔界戦記ディスガイア」シリーズらしいド派手で爽快なバトルと、遊び続けられるやり込み要素が詰まった作品に仕上がっていそうだ。
シリーズ未体験の人も従来のファンの人も、気になる人は購入を検討してみてはどうだろうか。過去作のいくつかは、コンシューマーゲーム機でダウンロード版が、PC版がSteamにて配信されているので、発売まではそちらを事前にプレイしてみるのもイイだろう。
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